新型コロナウイルスの影響で外出自粛でもメンタルヘルスを不調にさせないための過ごし方

新型コロナウイルスでメンタル不調に?
新型コロナウイルスでメンタル不調に?

新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりましたが、まだまだ収束がみえません。
毎日のように流れてくるのは、感染者数と自粛を呼びかけるニュースばかり。長引く不安から憂うつを意味する「コロナブルー」という造語まで生まれました。
感染対策は必須。感染を広げないための、一致団結した自粛も重要。ですが、それは私たち自身が、暗く沈み込んだ毎日を生きければならないということではありません。
自粛中も、自分なりの「楽しさ」を見つけましょう。子どもから大人まで、おすすめの過ごし方をご紹介します。

新型コロナウイルスでメンタル不調に?

新型コロナウイルスの変異型による感染拡大の不安も続いています。10都道府県には緊急事態宣言が発令されています。
飲食店の20時までの営業短縮、イベントの制限、職場のテレワーク促進だけでなく、不要不急の外出自粛により仲間たちとの集まりにもストップがかかった今。これまで当たり前だった日常が失われ、多くの人が心身のストレスを抱えはじめています。

家事代行サービスなどを運営する、株式会社キッズラインが行った調査「新型コロナウイルスによる生活への影響」では、対象となった会員120名のうち、77.5%が「外出控えや予定が立てづらいことによる、心身のストレス」と答えました。

続いて、「子どもの学習の遅れや心身のストレス」が44.2%、「新型コロナウイルスの影響に強いストレスを感じている」が42.5%、「不景気が予想されることによる自身や家族の仕事の不安」が39.2%となっており、さまざまな方面での不安が吹き出していることがわかります。

新型コロナウイルス感染者は誰もが被害者ですが、誰かの加害者にもなり得ます。病気への不安と恐怖は適切な危機管理につながるものの、強すぎる警戒心は感染者に対する非難や嫌悪につながってしまうことも。攻撃的な言動が増え、周囲の不安感や恐怖感を育ててしまう可能性もあるでしょう。

また、2020年3月13~17日の期間で日経メディカルがOnline医師会員を対象に新型コロナウイルスの影響で外来患者数がどの様に変動したのか、ウェブアンケートを実施しました。その中で「精神科」は唯一患者数が変動しない病院やクリニックが多く、今後も日本経済への不安から精神科を利用する人が増えてくる可能性があることが分かりました。

新型コロナウイルスの影響による外来患者数の変動調査
新型コロナウイルスの影響による外来患者数の変動調査
新型コロナウイルスの影響による外来患者数の変動調査
新型コロナウイルスの影響による外来患者数の変動調査

新型コロナウイルスに対する強すぎるほどの緊張感が、精神を疲弊させ、うつ症状を訴える方も増えていくと考えられます。 外出を控えるのは大前提とはいえ、心身の健康には適度な運動やストレス発散が必要ですし、通院は生きていくうえでも重要な外出といえるでしょう。 そのような状況を踏まえて、私たちはどのようにして、自粛の時間を過ごしていけば良いのでしょうか。

新型コロナウイルスによる
外出自粛中の過ごし方

閉塞的な毎日は心をむしばみます。ですが、このぽっかりと空いた時間は、忙しさにジャマされず、やりたかったことに熱中できる絶好のチャンスでもあります。 多忙すぎた世界で与えられた休息だと思えば、やれることはたくさんあるはず。 大人だからできる、今しかできない取り組みに挑戦してみましょう。

大人の過ごし方

【部屋の掃除をする】~SNSで話題のラクラク・キレイな掃除法~

【部屋の掃除をする】~SNSで話題のラクラク・キレイな掃除法~
【部屋の掃除をする】~SNSで話題のラクラク・キレイな掃除法~

部屋がキレイになると、心もスッキリするものです。まずは、長い家籠もりも気持ちよく過ごせる部屋をつくっていきましょう。 SNSでは、汚れをごっそり落とせる、簡単掃除術がたくさん紹介されているのをご存じですか? 身近にあるものや、意外なものを使った掃除法が多く、その方法を見ているだけで掃除欲が膨らみます。簡単な上、あまりにキレイになるので、掃除後は気分も爽快! 気になっていたけど、時間がかかるからと後回しにしていた、水回りの水アカやレンジの油汚れ、窓枠のカビ取りなどに挑戦してみましょう。

【クローゼットの整理】
~「仕事着」のメンテナンスと整理整頓~

意外にあるがままになっているのが、スーツなどの仕事着。クリーニングに出しているから問題ないという方も、シーズンものの保存方法などを見直してみましょう。
カビや虫食い対策はできていますか?
もう着ないのに、クローゼットに入りっぱなしの服はありませんか?
のり付けやアイロンを自分でしてみるのもオススメです。

【インテリアで気分転換】
~部屋をオシャレに模様替えする~

長く住んでいる家は、意外にいらないものが隠れています。
まずは思い切って断捨離をして、同時に模様替えをしてみましょう。
インターネットでは、「お金をかけずにオシャレ部屋にする方法」や「ルームレイアウトの実例」などが検索できます。物づくりが好きな人はDIYに挑戦してみるのもいいですね。
必要なものはネットで買えるので、自粛中も外出の必要なし!
部屋の雰囲気が変わると気分も変わります。

【レシピの研究】
~ごはんがおいしいと幸せなのは、みんな一緒~

【レシピの研究】~ごはんがおいしいと幸せなのは、みんな一緒~
【レシピの研究】~ごはんがおいしいと幸せなのは、みんな一緒~

人がいまわの際まで持ち続ける、ただ一つの欲は、「食欲」だといわれています。それだけ、食べることは人の身体と心にとって必要なことなのです。 ぜひこの機会に、「ダイエットになるおいしいレシピ」や「材料が少なくてもつくれる、簡単&おいしいレシピ」、「お酒に合う絶品レシピ」など、テーマを決めて研究してみましょう。
おいしいものを食べる幸せに加え、つくる楽しみも覚えたらハッピー感倍増です。

【やりかった〇〇を一気にやる】
~映画、本、ゲームなど、一気に見て、どっぷり浸ってみましょう~

やりかった〇〇を一気にやる
やりかった〇〇を一気にやる

好きなジャンルの映画や本、ゲームなど終わったころには、心地よい疲れと、満足感に包まれているはずです。
また、英語学習や趣味に打ち込むのもオススメ。遊びでも勉強でも集中して何かに取り組むことは、思った以上の達成感を感じられ、気分がスッキリします。

【トレーニングでボディメイク】
~自宅でできる簡単トレーニングを見つけてみましょう~

やりかった〇〇を一気にやる
やりかった〇〇を一気にやる

家の中にいると、どうしても運動不足になりがちです。
運動不足の解消とともに、思い切ってエクササイズで体型維持やダイエットに取り組んでみましょう。目標があると、トレーニングが苦手な人も続けやすいですし、少しずつ理想の体型に変わっていくことで楽しさも芽生えます。
トレーニンググッズを買ってもいいですが、インターネットでエクササイズ動画を検索し、0円スタートで取り組んでみるのがオススメ。
心と身体はつながっています。運動不足が解消されると、心も軽くなりますよ。

【ビジネス書で自分磨き】
~人の意見や思考に触れてみましょう~

【ビジネス書で自分磨き】
【ビジネス書で自分磨き】

世の中にはたくさんの価値観があり、それぞれに意味があります。自分の世界が広がると、自分の殻に閉じこもろうとする思考が拓けていきます。
また、ビジネスの知識が蓄えられていくことで、いわゆる「デキる人」に近づくだけでなく、お休み中も仕事への意欲が失われにくくなるでしょう。

また、子どもがいる場合、子どもとの過ごし方にもポイントがあります。親子で一緒に行うこと。どちらも夢中になれて、絆も深まる、とっておきの時間になりますよ。

【子どもとアナログの遊びを楽しむ】
~あえてのアナログ遊びで時代の変化を楽しみましょう~

子どもとアナログの遊びを楽しむ
子どもとアナログの遊びを楽しむ

塗り絵、まちがいさがし、ボードゲーム、パズルなど。
テレビゲームやゲームアプリではなく、あえてアナログのゲームを一緒に楽しみましょう。
子どもの情操教育になったり、家族のコミュニケーションが密になったりとメリットがたくさんあります。
ルールを覚えるところから夢中になっていくうちに、大人も時間を忘れて楽しめるでしょう。

【子どものコーチングに挑戦する】
~普段以上に子どもを観察してみましょう~

子どものコーチングに挑戦する
子どものコーチングに挑戦する

子どものコーチングをしたいと考えている親は多いものの、普段は「毎日時間に追われて、子どもとゆっくり話す時間が取れません」という人がたくさんいます。 親子が一緒にいる時間の長い今こそ、コーチングのチャンスです。
コーチングに大切なのは、子どもが何を思って、今その行動をするのか?何が好きなのか?どんなことなら集中して行えるのか?など観察し、見守り、導くこと。
たとえば「ゲームに夢中になっている子どもは、何が楽しいと思ってそれに集中するのか?」「勉強をはじめると1分と集中力が持たないのはなぜか?」を考え、その本質をまず理解してあげることが大切です。「ゲームをやめなさい」「勉強しなさい」と否定的な気持ちから始まると、コーチングはできません。

【子どもへやりたいことリストをつくる】
~今やりたいこと、これからやりたいこと、将来やりたいこと~

子どもへやりたいことリストをつくる
子どもへやりたいことリストをつくる

テーマを決めて、子ども自身に考えさせ、リストアップさせていきましょう。 漠然と思い描いていることも、言葉にすると現実味を帯びるのは、大人も子どもも一緒です。パソコンやスマホにメモるのではなく、紙にペンで書くのがオススメ。大きな画用紙や模造紙などを用意して、ビジョンマップやビジョンツリーを描き、壁に貼ってもいいですね。 親も子どものそばにいて、「なんでそれをやりたいの?」と会話をしながら、子どもの想像力を育ててあげましょう。

睡眠、食事、運動の生活習慣の見直しを

生活習慣の乱れは、心身の健康に影響します。
睡眠・食事・運動の習慣を見直してみましょう。

睡眠

休みになると、夜中まで起きていて、昼過ぎに目覚めるという人は多いでしょう。しかし睡眠と覚醒のリズムを保つことが大切です。体内時計を整えることは、ストレスの緩和につながります。
また眠りの質を高めるには、ぬるめのお湯につかって体をあたためるのもオススメ。副交感神経が有意になり、寝つきが良くなるなど、心地いい睡眠が得られます。

食事

栄養の偏りは、何より心身の健やかさに影響します。
疲れを癒すビタミンを多めに摂り、ビタミンを壊す糖質は控えめにしましょう。ただし、ストレス解消には適度な糖質も大事。まったく摂らないのは逆効果です。
「食事は何でもバランスよく」を心がけてください。

また、テレワークをしている方は、以下の4点を意識しましょう。

  • 食事のテーブルと仕事のデスクを分ける
  • カフェインを摂りすぎない(カフェイン400mg:コーヒー4~5杯くらいまでOK)
  • 水をたくさん飲む
  • ヘルシーなおやつを用意しておく

「休憩時はしっかり休む」が在宅勤務の基本です。
仕事の場所と食事の場所をきっちり分けて、食事のテーブルにはパソコンなど仕事道具を置かないようにしましょう。ながら食事(ながら食い)は、消化が悪くなるといわれています。また、ながら作業は一見スピーディーに見えますが、実際には効率が上がりません。

水を飲むことは、単に水分補給という意味だけでなく、余計なカロリーを摂取しないためにも大切です。のどの渇きは、脳が空腹と間違えることがあります。水を飲んで、ムダなおやつの摂取を防止しましょう。
一方で、水を飲んでも満足できないときは、本当に空腹であるといえます。そのときは、野菜スティックやチーズなど低カロリーで腹持ちのいいものをチョイスして、空腹を満たしましょう。

テレワークは、どうしても過食になりがち。フード日記をつけるなどして、口に入れるものをしっかり管理するのも賢い方法といえそうです。

運動

家から出歩かないということは、運動不足になるということ。普段から運動不足ぎみの現代人だからこそ、この機会にまずは家でできる身体を動かす習慣をはじめましょう。 身体を動かすと、骨格筋の緊張がとれて心もリラックスしやすくなります。ネットでは、さまざまな運動方法が紹介されていますので、ストレッチなどを取り入れて、心身をリフレッシュさせてください。

うつ症状が重い場合は
品川メンタルクリニックへご相談を

新型コロナウイルスについては、さまざまな情報が飛び交っています。
無知であることも怖いですが、情報を求めるあまり、誤った情報に振り回されて不安やストレスが増えることもあるでしょう。
不安や恐怖にさらされ続ければ、心は疲れてしまいます。基本的な情報だけしっかり抑えたら、知らないことは、知らないままにしておくこともメンタルヘルスには大切です。

新型コロナウイルスの情報がSNSなどで溢れかえっていますので、その中で的確な情報を掴んで、今できることに取り組むことが大事です。
上記の4つのポイントに注意して生活するようにすれば、不安や恐怖を緩和させることができます。

もし、どんなに考えないようにしようと思っても震えるほどの不安が拭えず、重苦しいほどの気分の落ち込みが2週間以上続いている場合は、うつ病にかかっている可能性もあります。精神科や心療内科の受診も検討しましょう。
品川メンタルクリニックでは公式サイトでは「うつ病の自己診断」を公開しています。
うつ状態の程度も分かりますので、ぜひチェックしてみましょう。

ただし、突然病院へ行くのはNGです。まずはクリニックのホームページを確認して、新型コロナウイルスの対策も万全にした上で、外出してください。 重いうつ症状の方は、発熱や咳など新型コロナウイルスによる症状が出ていないか、ご自身でしっかり確認した上で、できるだけ早くうつ病の治療に取りかかりましょう。

品川メンタルクリニックでは、新型コロナウイルスへの対策として、安心して患者さんに来院していただくために、来院条件を設けています。「患者様へのお知らせ」にて随時情報を更新していますのでご確認ください。状態によっては、診察をお断りさせていただいております。

「コロナうつ」かもと思ったら、早めに精神科や心療内科へ相談しましょう。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

品川メンタルクリニックは磁気刺激治療(TMS)の専門クリニックです

品川メンタルクリニックは、磁気刺激治療(TMS)を中心とした薬を使わない新しいうつ病治療を提供しています。
一般のうつ病治療では抗うつ薬を処方することが多いとされていますが、多種類の薬を多量に服用したり、副作用など心身に負担がかかることが問題視されることがあります。
品川メンタルクリニックでは、薬を使わないうつ病治療を提供し、患者さんの心身にかかる負担を少しでも多く取り除けるように磁気刺激治療(TMS)を推奨しています。
磁気刺激治療(TMS)は、うつ病によって機能低下した脳に磁気刺激を与えることによって脳の機能回復を促します。うつ病は「心の病」から、近年「脳の病」と考えられています。
品川メンタルクリニックではうつ病が「脳の病」であることに着目し、うつ病治療をより安全で最適な治療法として磁気刺激治療(TMS)を推奨しています。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

また、品川メンタルクリニックでは医師による診察にも力を入れています。
うつ病のような目に見えない病気は「誤診」されることも少なくはありません。誤診の怖さは適した治療法がされないところです。その病気に適した治療法でないと一向に改善しなかったり、日常生活や社会生活にも影響を及ぼしたりします。最悪の場合は症状が悪化したりもします。
品川メンタルクリニックでは誤診を防ぐために「光トポグラフィー検査」でより的確な診断を行なっています。光トポグラフィー検査は脳の血流量からうつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症・健常と4つのパターンをグラフで現します。
グラフ化されたデータを元に医師が専門的な診察を行いますので、これまでの医師の主観のみの診察よりも的確に診断することが可能です。
医師による判断で検査が必要となることもありますが、検査希望の場合は事前に予約をお取りいただいています。

状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

新型コロナウイルス対策にご理解・ご協力いただいた上で、通院は必要な外出ですので、既に通院されている患者さんは治療を継続することをおすすめします。 うつ病の再発や長引く不調の防止に役立ちます。
うつ病やストレスについて不安に思うことやお困りのことなどございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

参考:

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニックの統括院長・本院院長兼務。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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