ギャンブル依存症とは?なりやすい人の特徴とうつ病の関係

ギャンブル依存症とうつ病の関係について
ギャンブル依存症とうつ病の関係について

ギャンブルは大金を手にできるチャンスと大金を失うリスクを併せ持っています。
パチンコや競馬など、最初は遊びのはずがお金をつぎ込むうちに気づけば離れられなくなる人が後を絶ちません。ギャンブルには麻薬のような依存性があり、いずれ治療の必要な依存症となる危険性をはらんでいます。
ギャンブル依存症の原因や主な症状について解説します。

パチンコやパチスロへの依存が多い
ギャンブル依存症

ギャンブル依存症とは「ギャンブルをしたい」という欲求が我慢できず、その欲求が暴走してしまう病気です。
ギャンブルをすることで脳内のドーパミンが分泌され、快感を覚える報酬系回路が異常なほど活性化されてしまうのです。ギャンブルをすればするほど症状が重くなるものの、特効薬はなく、不治の病といっても過言ではない自然治癒が難しい病気だといえます。
厚生労働省の2017年の発表によると、国内のギャンブル依存症の疑いのある人は約320万人。パチンコやパチスロへの依存が大半を占め、本人や家族を苦しめています。

ギャンブル依存症の原因

ギャンブルには、触れるだけで簡単に快感を得られる要素がたくさんあります。「自分が何をしたいのかわからない」「未来に夢を持てない」と虚無感を持ちやすい現代人にとって、ギャンブルはその心の空洞を埋めるツールになっているのです。
しかし、ギャンブルで得た快感はつかの間の幸福感を与えてくれますが、本当の意味で欠けた心を埋めてはくれません。ギャンブルをしていないときの空しさが余計に浮き彫りにされ、さらにギャンブルへのめり込んでいく悪循環に陥っていきます。
ギャンブル依存症になりやすい人は、意外にも毎日会社に行って、会社では周囲の人から信頼されている、仕事のできる人であることが多いにあります。人からの信頼や期待に応えようとする真面目な性格から人に相談したり、こまめに発散したりすることができず、人知れずひっそりストレスを解消しようとしてギャンブルにはまってしまうのです。
また、真面目で自分をコントロールできる人は、自己否定をしやすい傾向もあります。依存症という言葉が持つ、「依存症=意思の弱い人間」「依存症=ダメ人間」といったマイナスイメージもまた、ギャンブルに依存している自分を否定する材料になり、ますます依存性を高めてしまう原因になっていきます。

ギャンブル依存症の主な症状

ギャンブル依存症とうつ病の関係について

依存症はまず自分の状態を自覚し、認めることが大切です。
パチンコやパチスロ、競馬などに対し、以下のような状態にある場合は、「遊び」の域を超えてギャンブルに依存している可能性があります。

  • ストレスやイライラのはけ口としてギャンブルをしている
  • 四六時中ギャンブルのことが頭を離れない
  • 稼いだお金はほとんどギャンブルに使っている
  • 「負けた分を取り返すまでは」と理由(言い訳)をつけてギャンブルに通っている
  • ギャンブル資金を確保するため、生活費をつぎ込んだり、キャッシングなどでお金を借りたりしている
  • 家族にバレないようギャンブルに使った金額を隠している、またはウソをついている
  • 違法行為によってギャンブル用の資金を調達する
  • 友達や職場の人からお金を借りるなどの金銭トラブルで、人間関係を壊した
  • 「やめる」と決心しても、すぐにギャンブルに手を出してしまう
ギャンブル依存症とうつ病の関係について
初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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