何をするにも「めんどくさい」ときが多くなってきていませんか?

「めんどくさい」気分ってなぜ起こるのか?

「めんどくさい」気分って
なぜ起こるのか?

日常生活を送るなかで、「めんどくさい」といった感覚は誰しも経験があると思います。
「めんどくさい」と何をするにも腰が重くなり、やるべきことが後回しになると、仕事であれば業績や能力の低下、勉強であれば授業についていけなくなったりと悪循環になったりもします。
また、“意欲の低下=怠けている”など周りからの評価も良くない傾向になりえます。
では、なぜ面倒くさくなるのか?
単純なケースとしては、仕事で苦手なことを強いられたり、不慣れな作業を求められたりしたときに、人の脳は「めんどくさい」とメッセージを発するそうです。
また、脳には「脳番地」といった8つの分類があり、その「脳番地」の何が優れているかによって、得意・不得意があるそうです。

『8つの脳番地』
  • 記憶系…覚えたり、覚えていたりすることに関係する脳番地
  • 感情系…感性や社会性に関係する脳番地
  • 思考系…考えることや判断に関係する脳番地
  • 伝達系…話したり伝えることに関係する脳番地
  • 理解系…言葉や物事を理解することに関係する脳番地
  • 聴覚系…耳で聞くことに関係する脳番地
  • 視覚系…目で見ることに関係する脳番地
  • 運動系…体を動かすことに関係する脳番地

これらの脳番地によって、優れた能力や苦手な能力が決まってくるそうです。
「めんどくさい」は苦手な能力が関係しているようです。
例えば、スポーツ万能な人は運動系が優れていて、「走ってこい」と言われれば苦に感じません。一方、スポーツが苦手な人は別の能力に優れているため億劫に感じられ、「めんどくさい」となってしまいます。
こうした、脳の働きにより育った環境などの変化で人それぞれの「めんどくさい」が感じられるそうです。
また、仕事のケースだと、記憶系から「またあの大変な作業をやらなくてはいけないのか」と、ブレーキをかけてしまいます。
苦手番地により人は「めんどくさい」という感情が湧きでて、それが脳からのメッセージでもあるようです。

睡眠不足も
「めんどくさい」の原因に!?

睡眠不足も「めんどくさい」の原因に!?
睡眠不足も「めんどくさい」の原因に!?

脳番地によって、苦手番地が分かるのはいいけど、1日中だるくて、めんどくさい…などの意欲の低下が見られる場合は睡眠不足も関係しているといわれます。
睡眠不足により、脳の酸素不足や低覚醒を生み出します。6時間以下の睡眠は昼の脳が覚醒しにくいときなどに「めんどくさい」を発動しやすくさせるそうです。
寝ないと脳は衰えていきます。思考能力が低下し、意欲もなくなり、何をするにも億劫になりやすくなります。
さらに深刻な不眠症などに陥ると、うつ病などの精神新疾患にかかりやすくなる可能性もあります。

*うつ病になると9割近くの人が何らかの不眠症状を伴い、中でも睡眠による休養感の欠如は、最も特徴的な症状と考えられています。
また、不眠の症状がある人は、うつ病にかかりやすいということも知られるようになりました。

(*厚生労働省 『平成26年睡眠対策』より抜粋)

睡眠時間が6時間以下で、日中の作業に支障が出て、物事に対する意欲や興味が湧かなくなり、なにもかも「めんどくさい」、そんな状態に陥ったらまずは睡眠改善から意識していきましょう。
それでも、症状が緩和しない場合は、何かしらの原因があります。それが不眠症からうつ病を発症するなど深刻化する可能性もあります。
まずは、「めんどくさい」がどの程度で出てくるのか、脳番地の理解を深めるとともに、ご心配であればうつ病の自己診断(セルフチェック)を活用してみるのもおすすめします。
是非この機会にチェックしてみてください。

初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

最近、だるいな、疲れたな、何もおもしろくないな…と感じる状況が続いているようでしたら、品川メンタルクリニックへお気軽にご相談ください。

精神科・心療内科情報トップへ