うつ病と食事の関係は?食生活の改善でうつ病治療をサポートしよう!

春はうつ病になりやすい?食生活の改善でうつ病治療をサポートしよう!
春はうつ病になりやすい?食生活の改善でうつ病治療をサポートしよう!

ライフステージに変化が起こる春は、ストレスを溜め込みやすい季節です。
ストレスと上手に付き合い、健康的な生活を送るためには、生活習慣を整えることがとても大切です。
最近の研究では、食生活の改善がうつ病の予防や治療のサポートになることも注目されています。
今回は、そんな食事とうつ病の関係を紐解いていきます。栄養豊富な春の食材で、疲れやすい季節を乗り切っていきましょう。

うつ病と食事の関係

うつ病と食事の関係
うつ病と食事の関係

乱れた食生活はうつ病の原因になる

日本ではこれまで、うつ病などの精神疾患の治療に対して、食事や栄養からのアプローチはされてきませんでした。 しかし、近年になって精神疾患に栄養が大きく関わっていることが明らかになり、さまざまな研究機関で精神疾患の栄養学的な面に注目した臨床研究が進められています。

平成29年に行われた厚生労働省の患者調査によると、うつ病で医療機関を受診する人は約127万人。過去20年で約2倍ほどの数に増加しました。
ストレス社会と呼ばれる現代環境が主な要因といえますが、近年の急激な増加には「隠れストレス」の存在が注目されています。

隠れストレスとは、簡単にいうと生活習慣によるストレスの蓄積のことです。 車社会による運動不足、夜型生活の増加と生活リズムの乱れ、ゲームやSNSの普及によるバーチャルリアリティへの依存、そして飽食や食の西洋化などが、着実に現代人のストレスを増幅させています。 それらのストレスが絡み合って、うつ病などの精神疾患を増やしているという見方が強まっているのです。

そのメカニズムがわかると、「うつ病を防ぐには、生活リズムを整えればいい」ということもわかってきます。
ワシントン大学の研究では、朝食をしっかり摂る、睡眠を十分にとるなどの健康的な生活を送っている人は、うつ症状が少ないことが明らかになりました。
また、インドで学生を対象に行った研究では、朝食を摂る人は摂らない人に比べて、運動量や活動量が多く、うつ症状も少ないことが報告されています。
食事とうつ病の関係は、ただ漠然と「健康にいい」というだけでなく、科学的にも証明されてきているのです。
ここからは、うつ病予防になるといわれている、具体的な栄養や食材について見ていきましょう。

うつ病予防になる食生活とは

うつ病予防になるといわれている食事は、「地中海式料理」と「和食」です。
地中海式料理は野菜、果物、種実類、豆類、魚介類、穀類などを中心とした食事で、欧米で行われている研究により、うつ病の発症率が低くなることがわかっています。
和食は、ご存じの通り野菜、果物、大豆製品、きのこ、緑茶などをメインとする食事です。国立国際医療研究センターの研究により、「日本食中心の食生活を送っている人は、うつ病が少ない」ということが明らかになりました。

うつ病は多くの人がかかる病気ですが、その原因やメカニズムは、まだ解明されていないことが多くあります。
そのため、食事から摂った栄養が、どのようにうつ病へ働いているのかも、明確にわかっているわけではありません。
ですが、近年の研究成果により、「うつ病を予防できた」といえる栄養素が存在することは証明されています。
うつ病治療をしていく上でも、次のような栄養素が含まれた食事を心がけることで、症状改善の助けになるでしょう。

うつ病治療サポートに最適な栄養素
うつ病治療サポートに最適な栄養素

特にたっぷり食べるといいといわれるのは、葉酸を含む食品です。
葉酸は、遺伝子の材料となる核酸や身体をつくる土台となるタンパク質、気分を左右するホルモン類をつくるためにも欠かせない栄養素。
葉物の野菜にはビタミンB群、葉酸などが多く含まれており、中でも春野菜にはビタミンが豊富です。たっぷり摂取しましょう。

~春の食材~
~春の食材~

この他、旬ではありませんが、葉酸の宝庫といわれる枝豆やほうれん草、玄米ごはん、緑茶などを取り入れた食事は、うつ病の予防・改善が期待できるといわれています。

食事のバリエーションとして、積極的に取り入れていきましょう。

葉酸を効率よくとるためのポイント

葉酸は熱に弱いため、調理の方法などによって、含有量の半分以上が失われてしまうことがあります。

食材から効率よく体内に取り込むためには、ちょっとしたコツが必要です。

  • 1. 生で食べる

    葉酸は水や熱に弱いので、生で食べるのがベスト!
    また、鮮度が落ちると葉酸も減るので、食材は新鮮なものをその日のうちに食べましょう。

  • 2. 水にさらす時間は少なめに

    水溶性の葉酸は、水洗いしすぎると溶け出してしまいます。
    煮浸しなど汁ごと食べられる料理にすると、溶け出した栄養素もまるごと食べられますが、熱に弱いのでスープなどに入れるときは最後に入れましょう。

  • 3. 加熱は極力短く

    加熱はしないほうがいいですが、野菜炒めなどに入れるなら、強火でサッと炒めるのがおすすめ。ソースや出汁にとろみをつければ、流れ出た葉酸も野菜と絡めて食べられます。

  • 4. 加熱するなら「蒸す」か「油炒め」

    ゆでるより「蒸す」、蒸すよりは「炒める」ほうが、栄養素が減りません。油を使うと、流れ出た葉酸を油が包みこんでくれるため、ロスが少なくなります。

  • 5. 食品は冷暗所で保存すること

    葉酸は陽に当たると徐々に減っていきます。冷暗所での保存が必須です。

葉酸は、レバーや魚に含まれるビタミンB12と一緒に食べると、働きがよくなります。
一方で、オレンジジュースとバナナには、体内で葉酸を活性化させる酵素の働きを阻害する成分が含まれているので、一緒に食べるのはNG。注意しましょう。
ただし、オレンジやバナナにも葉酸は含まれています。特にバナナには、うつ病予防や改善に必要な幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを生成する材料となる成分・トリプトファンも含まれていて、うつ病には欠かせない食材です。 葉酸は夕食、バナナは朝食に食べるなどして、さまざまな食材から必要な栄養素を摂る工夫をしていきましょう。

また、葉酸は長期間にわたって大量摂取すると亜鉛の吸収が阻害されてしまうため、「摂りすぎもよくない」といわれます。
しかし、食事から摂るぶんには、1日あたり上限900~1000㎍に達することはまずありません。サプリ利用の場合は適量を守る必要がありますが、食材から摂る場合は、積極的に葉酸の多い食材を選んで大丈夫です。

栄養をしっかり摂ることは、着実に人間の身体を健康に導いてくれます。
身の回りのストレスに負けない未来のためにも、食事から見直してみましょう。
但し、食生活を改善したからといって、すぐにうつ病が良くなるわけではありません。
うつ病には専門的な治療が必要です。食事の改善だけで治せませんし、「いずれ良くなるのでは」と様子見する時間が長くなるほど症状は悪化してしまいます。
うつ病の症状がある場合は、早めに精神科・心療内科へ相談しましょう。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

うつ病のセルフチェック

うつ病は初期症状のとき自覚するのが難しく、病院に行くタイミングがわかりにくい傾向があります。
体調不良が続くときは、食事の改善など生活習慣の見直しは大切ですが、やる気が起きないなどメンタルの不調を感じたら、まずはうつ病の自己診断を行ってみましょう。
品川メンタルクリニックの公式サイトでは、簡単な質問に答えるだけで、ご自分の状態を客観的にチェックできます。

このセルフチェックは、医師による的確な診断をお伝えするものではありません。 ですから、うつ病であると結果が出たとしても、「自分はうつ病なんだ…」「今日からどうすればいいのか分からない」とあまり深く思い悩まないことが大切です。

しかし、「うつ病の可能性がある」、または「うつ病である」という結果は、実際にうつ病を発症している可能性も否定できません。
うつ病は、きちんと治療すれば治る病気です。一度、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

うつ病の新しい治療を
品川メンタルクリニックで

品川メンタルクリニックは、うつ病・ストレス専門のクリニックです。「最近ストレスが溜まっている」「うつ病かもしれない」と思ったら、まずはご相談ください。
当院では、客観的にうつ病かどうかを診断できる検査と薬に頼らないうつ病の新しい治療をご用意しています。

うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」

品川メンタルクリニックでは、近赤外光を用いて脳の血流を測定し、うつ病かどうかを診断サポートする「光トポグラフィー検査」を導入しています。
光トポグラフィー検査は、うつ病の人はもちろんのこと、うつ病かもしれないと疑いがある人、セカンド・オピニオンを希望する人にも有効な手段です。

検査方法は簡単で、専用の装置を頭につけるだけです。
脳の血流が数値となってグラフ化されたものを医師がチェックし、問診を行った上でうつ病か否かの診断を総合的に行います。心身への負担はありません。

問診と合わせて光トポグラフィー検査を行うことで、治療の必要性や今後の対策について、より客観的で的確な答えを得られます。
光トポグラフィー検査をご希望の方は、ご相談ください。

状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

薬に頼らない治療法「磁気刺激治療(TMS)」

「磁気刺激治療(TMS)」は、磁気を当てることで脳の機能を回復させていく、うつ病の新しい治療法です。

うつ病が「心の病気」ではなく「脳の病気」をいわれるようになったのは、うつ病の人の多くが、脳の血流や働きに問題があるとわかってきたため。 さらに、その血流の悪くなった脳の機能を回復させることによって、うつ病も改善していくことが明らかになり、磁気刺激治療(TMS)が注目されるようになりました。

磁気刺激治療(TMS)は、ほとんど副作用がなく、治療後すぐに帰宅できるところも大きなメリットです。治療期間は平均約1ヶ月半~6ヶ月と短く、症状の早期改善にも期待が寄せられています。

また、磁気刺激治療(TMS)は、うつ病治療だけではなく、脳にかかったストレスを解消する「ストレス治療」にも適しています。 脳のストレスを解消すると、身体も心も軽くなりやすく、うつ病を予防することにもつながります。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

参考:

初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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