周期性四肢運動障害(PLMD)

周期性四肢運動障害(PLMD)
周期性四肢運動障害(PLMD)

最近、夜ぐっすり眠れていますか。
もし、原因もよく分からず夜中に何度も起きてしまい、昼間に眠気が襲ってきて悩んでいる場合、周期性四肢運動障害(しゅうきせいししうんどうしょうがい)(PLMD)やうつ病を発症していることがあります。特に中高年の方に多い症状と言われていますので、心当たりのある方はぜひこちらを参考にしてみてください。

周期性四肢運動障害(PLMD)とはどんな病気?

周期性四肢運動障害(PLMD)とは、睡眠中に脚や腕がピクピク繰り返し動いたり、跳ねたりすることによって睡眠を妨げられる障害を指しています。
通常では20秒から40秒ごとにこのような運動が見られますが、患者は運動に気付いていないことがほとんどです。
そのためぐっすりと眠ることができず、夜間に何度も目が覚めてしまうことによって睡眠不足に陥ってしまい、昼間に強い眠気に襲われてしまうようになります。
ピクピクと繰り返す運動には自覚がありませんから、眠気や倦怠感によって「睡眠時無呼吸症候群」であると考えて受診されることも少なくありません。またうつ病を引き起こしてしまうことも多く報告されています。
脚や腕の検査をしても異常はなく、現在のところはっきりとした原因は解明されていません。
中高年の人に多く、睡眠覚醒障害を指摘される人にこの周期性四肢運動障害の割合が多くなっています。
特にレストレスレッグス症候群(RLS)の人の多くに周期性四肢運動障害の割合が多いことが指摘されており、その割合は約8割以上であるというデータも存在します。
レストレスレッグス症候群とは「むずむず脚症候群」と呼ばれることもあり、じっと座っているときや眠ろうとベッドに入ったときなどにムズムズしたり、そわそわしたりなど不快感を感じる症状を持つものです。

周期性四肢運動障害(PLMD)の
症状と徴候について

脚や腕がピクピク動く

周期性四肢運動障害(PLMD)では、脚や腕がピクピク動いたり、跳ねたりといった特徴的な症状が一定の周期を持って現れます。
これらの症状は夜間の睡眠中に現れるもので、本人がその症状に気付いていないということもあります。
この症状は脚に生じることが多く、20~60秒ごとに0.5秒~5秒程度繰り返し引き起こされます。具体的には脚の親指や足首を甲の方向へ反らせる背屈や、膝関節を曲げる屈曲動作が主体となっています。

夜間の不眠と昼間の眠気

周期性四肢運動障害(PLMD)の症状は睡眠中に引き起こされるもので、睡眠の妨げになるため、ぐっすりと眠れなくなって不眠気味になったり、昼間の眠気を誘発したりしてしまいます。
しかしこれらの症状は自分自身ではまったく気づいていないということが珍しくありません。一緒に眠っている家族が異常な動きに気付いたり、蹴られたりして受診につながるということが多くなっています。
そのため本人ではなく、ご家族からの情報がとても大切になることも少なくありません。
また周期性四肢運動障害(PLMD)の症状による不眠や昼間の強い眠気だと思わずに、「無呼吸症候群」の疑いを持って病院へ受診することも少なくありません。

抑うつ症状

周期性四肢運動障害(PLMD)の症状によって不眠傾向になると、日中の活動に妨げが見られるようになり、精神的な疲労やストレスが蓄積し、抑うつ症状が現れることも珍しくありません。
そのためうつ病を発症して精神科やメンタルクリニックを受診して、検査を繰り返すなかで周期性四肢運動障害(PLMD)が見つかることも増えています。
もし、抑うつ症状がみられた場合、早めに精神科や心療内科の専門医に診察してもらうことをお勧めします。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

レストレスレッグス症候群(RLS)との関係

レストレスレッグス症候群(RLS)との関係
レストレスレッグス症候群(RLS)との関係

周期性四肢運動障害(PLMD)とレストレスレッグス症候群(RLS)には密接な関係があると考えられています。
レストレスレッグス症候群(RLS)を発症している人の約8割以上は周期性四肢運動障害(PLMD)であるということが指摘されています。ただし周期性四肢運動障害(PLMD)を発症する人を調べてみると、レストレスレッグス症候群(RLS)を発症している人は多くありません。
レストレスレッグス症候群(RLS)とは「むずむず脚症候群」と呼ばれることもあり、脚を中心に「ムズムズ」「そわそわ」「モゾモゾ」といった感覚が起こるものです。
とても不快で耐えがたい感覚であり、じっと座っているときや眠ろうとベッドに入ったときなどに脚や腕を動かしたいという衝動にかられるために、ゆっくりとリラックスや睡眠を取ることができなくなってしまいます。
アメリカの調査研究においては、人口の約1割がレストレスレッグス症候群(RLS)であるというデータも存在し、特に中高年に多いことが知られています。
このレストレスレッグス症候群(RLS)においても治療法が解明されておらず、パーキンソン病の治療薬などを用いて症状をコントロールすることが一般的な治療法となっています。

周期性四肢運動障害(PLMD)の
治療方法

薬物療法

周期性四肢運動障害(PLMD)はその原因が解明されているわけではなく、治療法についてもしっかりと整っているものがありません。
現在、レストレスレッグス症候群(RLS)への治療法が役立つと考えられており、薬物療法によって治療が行われることが一般的です。
薬物療法においては、パーキンソン病の治療薬であるプラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン(パッチ剤)が周期性四肢運動障害(PLMD)の症状には有効だとされています。脳内神経伝達物質であるドーパミンの働きを活発にさせる効果があります。
また抗不安薬であるベンゾジアゼピン系薬剤によって不安を抑え、睡眠を助けることによって、睡眠の質を改善させていきます。
そのほかにも坑けいれん薬やオピオイドが処方されることもあります。
ただし長期的な内服が必要であることが多く、副作用も見られますから、主治医の指示が大事になってきます。

日常生活の改善

周期性四肢運動障害(PLMD)の治療においては、薬物治療と並行して日常の生活習慣や食生活などにおいても改善が必要になります。
座っている時間が長かったり、あまり体を動かさない生活習慣をしていたりすることで症状を引き起こすことがあります。日常生活において座位時間を短くすることや適度な運動を取り入れることが大事になってきます。
また喫煙習慣も症状を引き起こす原因と考えられていますので、禁煙指導などが行われることもあります。
また肥満が症状のきっかけになることもありますから、食生活の見直しや栄養指導などが行われることもあります。カフェインが症状を悪化させる原因になることも知られており、コーヒーなどカフェインが含まれている飲み物を飲みすぎないようにすることも大事です。

周期性四肢運動障害(PLMD)は
うつ病を誘発する?

周期性四肢運動障害(PLMD)はうつ病を誘発する?
周期性四肢運動障害(PLMD)はうつ病を誘発する?

周期性四肢運動障害(PLMD)は、本人がその病気に気付かずに、うつ病を誘発し発症させてしまうことがあります。
睡眠中に脚や腕がピクピクしたり、素早く跳ね上がったりしてしまう症状が現れるために、どうしても睡眠の妨げになってしまい、ぐっすりと眠れなくなってしまいます。
そのため睡眠不足となり、昼間の眠気を誘発するほどになってしまいますが、睡眠不足で疲れているとしてもまた症状が起きてしまいます。
しかし、それでも本人には症状の自覚がまったくないことが多く、慢性的な不眠に悩んでしまうことになり、抑うつ状態になってしまうことがあります。
そのような状態を改善させずに放置していると、精神的な疲弊や消耗をきっかけとしてうつ病を発症させてしまうことになるのです。
もし、うつ病かもしれないと思うことがありましたら、まずはご自身でセルフチェックをしてみましょう。

また、不眠がうつ病によるものだと思って、精神科やメンタルクリニックを受診し、うつ病の治療をしながら検査をすることで周期性四肢運動障害(PLMD)であることが判明することもあります。
そのため不眠や昼間の強い眠気を感じるのであれば、家族などの第三者に様子を伺うことも大事になってきます。場合によっては一緒に眠っている家族が、寝ている間に蹴られたり、手が当たったりして様子がおかしいと感じ、受診に至るケースも少なくありません。
もし、ご家族が異変を感じている場合は、ご本人とご一緒に一度精神科や心療内科を受診してみることをおすすめします。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

抑うつ症状や意欲の低下など、うつ病の症状が強く表れているようであれば、周期性四肢運動障害(PLMD)の治療とともにうつ病の治療にも取り組む必要があります。
ただしうつ病治療においては一般的には薬物治療が行われ、長期間に渡って服用し続けていく必要があります。
薬の効果を実感するまでに少なくとも数週間から数か月要することもあり、場合によっては薬が合わずに変更となり、再度薬の調整が必要となることもあります。長期間の服用になると、副作用のリスクが高まってしまうことが、うつ病治療の問題点として考えられています。

心身に負担が少ないうつ病治療を
品川メンタルクリニックで

周期性四肢運動障害(PLMD)は中高年の人に多く、睡眠覚醒障害を指摘される人にはうつ病を併発している人が多いことも知られています。
しかし、うつ病治療においては問診だけで服薬治療がはじまり、なかなか症状に改善が見られず、副作用を引き起こしてしまうことも珍しくありません。
品川メンタルクリニックでは、「光トポグラフィー検査」によって適切にうつ病に対する診断を行い、「磁気刺激治療(TMS)」によって心身に負担の少ない治療に取り組んでいます。

うつ病かな?と思ったら
光トポグラフィー検査を

一般のメンタルクリニックなどでは、問診によってうつ病など新心疾患の診断を行っていますが、品川メンタルクリニックにおいては、脳内の血流量によって診断する『光トポグラフィー検査』を導入しています。
うつ病の人は脳の血流量が健康な人よりも悪くなっていることが知られていますが、光トポグラフィー検査においては脳計測装置を用いて脳内の血流量を的確に測定することが可能です。
そのためうつ病診断に多い誤診を防ぐことができ、適切な治療に取り組むことができるのです。

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心身に負担が少ない磁気刺激治療(TMS)

品川メンタルクリニックにおいては、磁気刺激治療(TMS)を行うことによって脳の働きを活発にし、うつ病を改善させることができます。
うつ病は心の病気ではなく脳の病気です。光トポグラフィー検査によって脳の血流量を的確に測定し、脳の働きが弱まっている部分に磁気刺激治療(TMS)を行うのです。
一般にうつ病治療においてはSSRIなどの薬剤を用いて治療に取り組みますが、薬の効果が思うように現れず、副作用で苦しむということも珍しくありません。
磁気刺激治療(TMS)は今まで薬剤で効果が出なかった人が一週間程度で効果を実感するということもあり、また薬剤のように副作用に悩まされることもありません。
またすでに、周期性四肢運動障害(PLMD)に対する薬物治療が始まっている場合においても、磁気刺激治療(TMS)を併用することが可能です。
12歳以上の中学生であれば受けることができる安全な治療法なのです。
品川メンタルクリニックは「光トポグラフィー検査」「磁気刺激治療(TMS)」を専門に行なっているクリニックです。ぜひお気軽にご相談ください。
※診察は10歳以上から受けられますが、光トポグラフィー検査・TMS治療が対象かどうかは医師の判断になりますのでご了承ください。

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薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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