「リスカ」の意味・原因~つらい気持ちに気付いてほしいメッセージ~

「リスカ」とは「リストカット」の略称で、自分自身の手首をカッターナイフなどで傷つける自傷行為のことです。近年、思春期の中高生で増えているといわれています。
自傷行為には、「リスカ」以外に、腕を傷つける「アムカ(アームカット)」、顔を傷つける「フェイスカット」などが存在します。
やめられなくなってつらい思いをしている人がいるかもしれません。家族や周りの人が気付いても、なぜそんな危険なことをしてしまうのか、理解することができないかもしれません。

リストカットには隠されたメッセージがあります。その隠されたメッセージに対して、家族や周りの人がどのようにサポートしていけばよいのかをご紹介いたします。その本当の意味を理解することが、自傷行為をなくすきっかけになるのです。

なぜそのような行動をするのか~隠されたメッセージ~

リストカットは一般的に10代の女性に多い行為であり、近年では多く発生していることから、社会問題として注目されています。
他人の目に触れない1人きりの部屋などで行われ、周りの人に告白することもない傾向にあることから、明るみに出ないことがしばしばあります。家族など大人が早く気付くことが大事ですが、そのために友人たちからの情報など注視しておくことも大事です。

リストカットに気付いたときには、その行為自体に驚いてしまい、理由も聞かずに止めようとしてしまいます。自傷行為は何度も繰り返して行うために、混乱してしまうことは仕方のないことかもしれません。
しかし自傷行為をしてしまうことは、自分自身で抱え込んでしまい、自分で解決しようとした結果です。周りに助けを求められず、追い詰められた末での行動ですから、その隠されたメッセージを掴むことが大事です。

1.人間関係のトラブルなどつらい悩みがある

リストカットをしてしまう人の大多数は人間関係の悩みを持つ人です。人間関係が苦手な人は、うまく学校になじめなくて1人で悩むようになると、不安になり感情をコントロールできなくなることがあります。

2.我慢できない悔しい思いなどがあった

もともと生真面目で努力家な人は、学校生活などがうまくいかないときに、必要以上に自責の念に駆られてしまうことがあります。すると我慢できないほどの悔しい思いを持ってしまい、自分の存在を否定してしまうことがあるのです。

3.自分は価値のない人間だと考えてしまう

学校でいじめにあった場合、「自分なんて必要ない」と自分を価値のない人間であると考えてしまうことがあります。
家庭環境の中で大切にされなかった子供の中には、常に良い子でなければならないと考えることが多くあります。そのような子供たちが、成績が悪くなったり、迷惑をかけたりしてしまうことで、「価値がない」と考えてしまうことがあるのです。

4.周りに助けを求めることができない

リストカットは1人で部屋に閉じこもって、悩みを抱えすぎてパンパンに膨らんだ心のガス抜きです。うまく人に相談することができませんし、なぜそのような自傷行為をするのかもうまく説明できないことがあります。

リスカをしてしまう~どうしたらいいの~

リストカットをしてしまう人の中には、自傷行為をやめたいと感じているのに、うまく自分の感情をコントロールできないため、やめられず、悩んでいる人が多くいます。
とても大きな精神的ショックに、その原因はあるようです。そのつらい感情から逃れるために、「死にたい」と考えてしまうのです。
リストカットは自分自身の感情をコントロールするための一つの手段ではありますが、自分を傷つけてしまうことは良いものでないと考える方も少なくはありません。
うまく解決するためには、次の2つの方法を考えてみてください。

1.家族や友人など、一番信頼できる人に助けてもらう

あなたのつらい感情を、理解してくれる家族や友人が必ずいるはずです。リストカットしている自分なんて理解されないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。あなたが大事に思う人は、あなたと一緒に悩みを解決していきたいと願っています。

2.信頼できる人と一緒に解決方法を探っていく

家族や友人と一緒に、悩みの根本になっているものを取り除いていくようにします。その中で「つらい」「死にたい」と考えてしまう場合もあるかもしれませんが、自分らしい解決方法が必ずあるはずです。簡単に解決するものではないかもしれませんが、信頼する人と一緒に一歩一歩進んでいくことが大事です。

家族や周りの人がリスカに気付いたとき

もしも自分の子供や仲の良い友人がリストカットしていることを知ってしまった場合に、怒ったり、責めたりすることは適切ではありません。
もちろん驚きや不安は隠せないとは思いますが、本当に不安なのはリストカットしている本人であり、サポートを必要としているのです。中にはリストカットに対して、抵抗がないように感じることもあるかもしれませんが、繰り返し行うことによって後悔の気持ちが薄らいでいると考えられます。

本人にとって信頼できる人が、根本の悩みの解決のためにサポートしていくことで、少しずつ前進させることができます。その中で本人が自分らしさを取り戻し、自ら自傷行為をやめると選択することが大事なのです。
また死にたいという気持ちが強く、周りの人たちに大きな影響を与えているような場合には、必ず専門機関に相談しましょう。

家族や周りの人は、「やめさせる」よりも、まず「悩みを聞く」ことから

家族や周りの人、あるいは専門機関を頼り話すことで、現在の環境が変化し、リスカする本人の内面にある負担も軽くなるかもしれません。

リスカは周りに理解されづらいかもしれません。しかし、自傷行為を行うことは何らかの不安やストレスを抱えていることも多いはずです。その不安やストレスが進行すると、うつ病になる場合もあります。
家族や周りの人は、まず、行為そのものを責めるのではなく、悩みとその原因をしっかり聞いていきましょう。当院では、行き場のない不安やストレスの解消方法を一緒に考え、リスカする本人の人生をサポートします。ご家族がご本人に付き添ってのご相談も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。

リスカとうつ病の関係

リスカをする人は、実はうつ病になってしまっているケースが多く見られます。
「つらいことから逃げ出したい」「生きている価値がない」「死んでしまっていなくなりたい」といった強いストレスがある場合は、うつ病の可能性が高いです。もし、うつ病を発症している場合には、なるべく早く専門的なケアを受けることが大切です。心療内科や精神科の専門医の診察を受けることをおすすめします。いきなりの受診がためらわれる場合は、セルフチェックもご利用ください。

品川メンタルクリニックでは、行き場のない不安やストレス解消方法を一緒に考え、うつ病治療をしたり、アドバイスしたりすることで、リスカする本人の精神的なダメージを改善していきます。当院では、行き場のない不安やストレスの解消方法を一緒に考え、リスカする本人の人生をサポートします。ご家族がご本人に付き添ってのご相談も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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