うつで学校や仕事(会社)にどうしても行きたくない人へ

学校や会社にどうしても行きたくない人へ
学校や会社にどうしても行きたくない人へ

「会社に行くのが億劫だな・・・」
「学校に行きたくない・・・」
そんな思いのまま、学校や会社に行く人は少なくはないはずです。むしろ、そのような気持ちを持ってしまうことは誰にだってあるでしょう。
文部科学省の調査によりますと、年間30日以上欠席した不登校の生徒は、14万人を超えていることが分かっています(参考:文部科学省 平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)。
不登校生徒や会社に行けない人の割合はどんどん増えている状況ですから、何も珍しいことではありません。
ただ、不登校になったり会社に行けなくなったりする人のなかには、うつ病などが原因だったりすることもありますから注意が必要です。
今、学校や会社に行きたくないと思っている人や、実際に行けずに悩んでいる人、友人や家族が行けずに悩んでいる人などに、注意してほしい点をお伝えしていきます。

学校や仕事(会社)に行きたくない理由の種類

理由の種類は、一時的なものと慢性的なものの大きく分けて二つあります。

  • 学校や仕事(会社)は楽しいけど、今日は行きたくない ⇒ 一時的
  • 学校や仕事(会社)が合わず、毎日苦痛を感じている ⇒ 慢性的

どうしても「今日1日だけは、学校や仕事(会社)に行きたくない…」ということは誰にでも経験はあるでしょう。
体調不良だったり、昨日気まずいことがあったり、行くことが面倒に感じたりなど、多くの理由が考えられます。
しかし、これは一時的なものなので、このような気持ちは継続的に起こりません。
一方、「ずっと学校や仕事(会社)に行きたくない…」という場合は、人間関係だったり、仕事や勉強の悩みだったりなど、毎日ストレスを感じるような状況が続いていると考えられます。このような場合は、何もしなければストレスが溜まり続け、うつ病を発症する可能性が高まります。

学校や仕事(会社)に行きたくない理由

学校編

  • 友達や先輩・後輩との関係がうまくいっていない
  • 苦手な科目がある
  • 集団生活が苦手である
  • 学校で恥ずかしい思いをしてしまった
  • いじめにあっている
  • 学校に行かないで遊んでいたい
  • 受験勉強のストレスや焦り

仕事編

  • 職場の人間関係がうまくいっていない
  • 自分の性格・適正に合わない仕事をさせられている
  • 自分の気持ちを抑え込んでいる
  • 仕事でミスをしてしまった
  • 長時間労働・過重労働による疲労が蓄積している
  • パワハラやセクハラにあっている
  • 私生活の変化によりうつっぽい

「学校や会社に行きたくない」と感じることは、何も不思議なことではありませんし、ダメなことでもありません。自分一人だけがそのように悩んでいる訳ではないのです。
決して甘えや怠けていることが原因ではなく、背景には複雑な要因が重なり合っていることが多くあります。そのため原因を特定して、対処することはなかなか難しいといえるのです。
ただ、そのように学校や会社がストレスに感じ、実際に学校や会社に行けなくなる人のなかには、心身の具合が悪い人も少なくありません。
そのような症状に気付いたのであれば、まずは「不調を認める」ことからスタートしなければなりません。

憂うつ感が続いている場合は要注意

憂うつ感が続いている場合は要注意
憂うつ感が続いている場合は要注意

「何となく学校に行きたくない」
「働く意欲が沸かない」
と、どうしても学校や会社に行きたくない、行くことができないという人がいます。
この記事を読んでいる人のなかにも、そのような人、あるいは周りにそのような人がいるかもしれません。
周りからみれば、
「学校に行くのは当たり前だろう」
「仕事に行かないなんて甘えだ」
という意見があるかもしれません。
もちろん、学校や会社に行きたくない人や行けない人にとっては、学校や会社に行くことが大事なことくらい理解しているはずです。
その大事な学校や会社に行けないのですから、やはり単なる甘えや怠けではないと理解しておかねばならないのです。
学校や会社に行けなくなる前段階として、「行きたくない」という感情が沸き起こります。
「行きたくない」という感情は誰しもが考えることではありますが、もし「行きたくない」と言っている人に「憂うつ感」が続いている場合には注意が必要です。
その憂うつ感が学校や会社に行きたくないと考える、最大の原因であることもあるのです。

原因を知り、不調を認めることの大切さ

学校や会社に行けなくなる人が増えている人は確かですが、だからといって自分がそのような状態になるとは考えてもみなかったという人が少なくありません。
自分と同じように「行きたくない」「休みたい」と思いながらも我慢している人は多いですから、自分だけ休むのではなく「自分も我慢して行かなきゃ」と無理をしているのです。
我慢することが当たり前、我慢できない自分は甘えていると考えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
会社や学校に行きたくないと考える人には、さまざな原因が重なっていることが珍しくありません。
会社や学校になじめなかったり、勉強や仕事についていけなかったり、ということもあるかもしれません。何かに失敗してしまったかもしれませんし、人間関係がうまくいっていないかもしれません。
もし、そのような原因があって、憂うつな気分が続いているということであれば、黙って我慢するのではなく、不調な自分自身を受け入れることが大事になってきます。
それは決してあなたが弱いからではなく、ストレスが積み重なって、あなたの心がいっぱいいっぱいになっているから。
だから憂うつになり、学校や会社に行けなくなってしまうのです。
まずは、そんな自分を受け入れることから始めましょう。

学校や仕事(会社)に行きたくない時の対処法

学校や会社に行きたくないと考えることは誰でもありますが、さまざまなストレスから憂うつな気分になって行きたくないのであれば、原因となっているストレスを解消しなければなりません。
「行きたくない」と考えて憂うつになってしまうのであれば、元気がなくなって自分に自信が持てない状態であると受け入れることから始めます。決して甘えや怠けとして捉える必要はありません。
自分を受け入れていくには、その状態を認めてくれる存在も必要になります。
自分の親や兄弟、仲の良い友人にそのつらい気持ちを打ち明けてみてはいかがでしょう。
「理解されないのでは?」
と勇気が必要かもしれませんが、本当にあなたのことを思ってくれている人であればそんなことはありません。
辛い状況を打ち明けて、そんな自分を受け止めてもらうことができれば、心はずっと軽くなるはずです。
どうしても打ち明けることができないという人であれば、お住まいの地域にある相談窓口や支援団体を頼ることも一つです。
どの都道府県や地域にもメンタルに関する相談を受けている相談機関はありますし、学校や会社に行けない人を支援している団体もたくさんあります。
いずれにしても憂うつになっているのであれば、なかなか自分だけの力ではそこから抜け出すことは難しいでしょう。精神科や心療内科のクリニックに相談するのも1つの方法です。
安心して過ごす場所があり、安心できる仲間がいることがとても大事なのです。

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心身の危険信号を
見逃さないために

会社や学校にどうしても行きたくない、行けないという状態が長引いている場合であれば、なかなか自分自身の力で対処することは難しいでしょう。
憂うつな状態が続いているのであれば、うつ病の可能性もあるからです。
うつ病は誰もが発症する可能性のある病気です。
「自分だけは絶対にならない」と考えていても、何かのきっかけによって発症することは珍しくありません。
うつ病になると適切な治療をしないと改善は期待できません。うつ病には特有の心身に対する危険信号がありますから、気になる人はぜひチェックしてみてください。

うつ病セルフチェックの大切さ

もしもあなたが「会社や学校にどうしても行きたくない」という気持ちだけではなく、何かしら心身に変化が起きているのならば、「うつ病」の可能性があります。
次の症状がないか、チェックしてみてください。

  • 体がとてもだるくて休んでも疲れが取れない
  • 楽しんでいたことが楽しめなくなった
  • 眠れなかったり朝早く起きてしまったりする
  • 学校や会社に行きたいという意欲が全く湧かない
  • 気が沈んでどんより重い
  • 食事をする気にもなれない
  • 自分自身はとても几帳面な性格である
  • 頭痛や肩こりなどがひどい
  • 人生つまらなくって生きている意味を感じられない

いかがでしょうか。
これらの症状が、2週間以上続いているようであれば、精神科・心療内科への受診をお勧めします。
このような症状に悩まされているのであれば、なかなか自分の力では改善させることをが難しい状況になっています。
適切にうつ病に対する治療を行っていく必要があると考えられます。

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ストレスが身体に及ぼす影響とは

ストレスは悪いもののように考えられがちですが、そのストレスによって学校や会社で成績や結果を残す原動力にすることができるものでもあります。
ただし、そのストレスがとても大きいものになり、自分自身の心や体に大きな負担となってしまった状態が続くと、さまざまな反応が出てくるようになります。
ストレスと感じるかどうかについては個人差がありますので、他の人は特にストレスに感じないようなことであっても、自分自身が大きなストレスに感じてしまうこともあります。
ストレスそのものの要因のことを「ストレッサー」と呼ばれることがあり、ストレッサーによる反応のことを「ストレス反応」と呼んでいます。
ストレスがとても大きなものになり、長期にわたってしまうと健康に影響を与える次のようなストレス反応が現れます。
「不安」「憂うつ」「動悸」「腹痛」「下痢」「イライラ 」「不眠」など。
これらの症状は、個人差がありますので、必ず全て現れる症状ではありませんし、いくつかの症状が重なっていることも珍しくありません。
これらの症状が長引いて、悩まされているのであれば、うつ病の可能性がありますので、専門医に相談することをおすすめします。

うつ病やストレスは早期治療により、
早期回復が可能です!

うつ病の原因は1つではない!?

うつ病の原因は、さまざまな要因が重なって引き起こされていると考えられています。
ただ、まだまだ社会的には理解されているとはいえず、「気の持ちよう」「単なる甘え」「ゆっくり休めば治る」などと軽く見られがちです。
どのような要因によってうつ病が発症してしまうのか、またうつ病が発症してしまったときにはどのように過ごすことが大事なのかお伝えします。

さまざまな要因から発症するうつ病

うつ病の原因はストレスがきっかけとなって発症することが多いですが、 うつ病の要因となっているものにはそれだけではありません。
うつ病は「環境的要因」「身体的要因」「遺伝的要因」が複雑に絡み合っています。
「環境的要因」とは、心理的なストレスを受ける要因となっているものをいいます。学校や会社はストレスの要因になりますが、もう少し深く見れば、人間関係、成績へのプレッシャー、先生や上司の対応などが挙げられるでしょう。
「身体的要因」とは、脳の変化のことを指しています。うつ病は心の病気であると理解されがちですが、心理的なストレスがきっかけとなって脳の働きが悪くなることによって発症します。つまり、うつ病は心の病気ではなく脳の病気と言い換えることもできます。
「遺伝的要因」とは、もともと備わっている体質といえます。うつ病の発症が全て遺伝するかについては、今のところはっきりと解明されていません。ただし親や兄弟にうつ病がいる場合、発症する確率が高くなる傾向にあります。
このように考えてみると、うつ病は単純に甘えや怠けではないことが分かるでしょう。適切に治療しなければ、改善させることはとても難しいのです。

精神面の休養は悪いことではない

周りの人たちが学校や会社に行くなかで、自分だけが休んでしまうようなことになるといけないと考え、無理して状態を悪化させてしまうことがあります。
しかし、うつ病は冒頭から申し上げている通り、甘えている訳でも怠けている訳でもなく、ストレスによって引き起こされた脳の病気なのです。
脳がとても疲れている状態ですので、まず一番大事なことは「休養すること」なのです。
うつ病になりやすい性格に「几帳面」「生真面目」「曲ったことが嫌い」などが挙げられます。とても真面目に頑張ろうとする性格ですから、休養することで自分を責めてしまう人がいます。
休むことは悪いことではありません。「学校や会社に行かないと」と焦る必要もありません。
まずは専門の医療機関に受診し、主治医の指示のもとゆっくりと休んで治療に取り組むことが大事です。

うつ病やストレスは早期治療により、
早期回復が可能です!

学校や仕事(会社)が原因の不調が重症化する前に
専門の医療機関へ

うつ病には、できるだけ早く治療に取り組む必要があります。心身の不調が長引いてしまうと、うつ病が重症化してしまい、治療に取り組んでもなかなか改善できないからです。
特に生真面目で几帳面の人であれば、無理して頑張ろうとする傾向にあります。
自分の症状を隠して、どんどん症状が悪化し、どうしても学校や会社に行けなくなったときには、すでに重症化しているということがあるのです。
うつ病特有の心身への症状が現れている場合であれば、すぐに専門の医療機関に受診することをおすすめします。
また、家族や友人にそのような症状の人がいる場合であれば、受診に付き添ってあげることがいいでしょう。

品川メンタルクリニックで
ストレス・うつ病の新しい治療を

現在、「学校や会社にどうしても行きたくない」と悩んでいるのであれば、ぜひ品川メンタルクリニックにご相談ください。
品川メンタルクリニックは年中無休で診察を行っています。
土日祝日でも治療することができますので、学校や会社の休みを利用して通院することができます。
また、夜8時まで(梅田院は夜7時まで)診療していますので、無理に学校や会社を休むことなく、帰りに治療に取り組むことができますから、心理的な負担を軽減させることが可能です。
品川メンタルクリニックでは、的確な検査方法とうつ病・ストレスの新しい治療方法を導入しています。

光トポグラフィー検査

脳の血流量から、うつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症・健常を客観的なグラフデータで、現在の状況を理解することができるようになりました。
また、従来の医師の問診のみでの診断が、光トポグラフィー検査導入により、医師の問診とあわせて、より的確な診断が可能になりました。

状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

磁気刺激治療(TMS)

品川メンタルクリニックは、磁気刺激治療(TMS)の専門クリニックです。
磁気により、脳の機能を改善する治療方法です。
一般的なうつ病治療は、抗うつ薬が多く用いられますが、副作用が伴います。しかし、磁気刺激治療(TMS)の場合は、副作用がほとんどなく、治療時間も約20分程です。入院の必要もなく、約1ヶ月半~6ヶ月の短い治療期間で早期回復が可能です。
薬による副作用で困っていた方や、薬に抵抗がある方も多く治療を受けられています。実際に薬の服用をゼロにされた方もいらっしゃいます。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

うつ病の改善は、早めの発見・治療がより早い解決方法です。
「磁気刺激治療(TMS)」であれば、12歳以上(中学生)から治療が可能です。うつ病の辛い症状で悩んでいるのであれば、ぜひ品川メンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
※診察は10歳以上から受けられますが、TMS治療が対象かどうかは医師の判断になりますのでご了承ください。

初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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