TMS治療の長所と短所~おすすめしたい3つの理由~


「薬の副作用で眠い……」
「薬を家に忘れてきた」
「1年も飲み続けているのによくなる気配がない」
こうした悩みは、うつ病治療を続ける多くの方が抱えるものです。
うつ病治療には、《薬物療法》《精神療法》や《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》など、いくつもの選択肢がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。治療効果には個人差があるため、一人ひとりにあった治療法を見つけることが大切です。
この記事では、うつ病に対するTMS治療の長所と短所を整理し、どんな人に向いている治療なのかを分かりやすく解説します。
TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)とは
《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》とは、磁気刺激を介して脳の機能異常の正常化をはかる治療法です。ほとんど副作用が無いうえ、治療期間が短く、再発率も低いというメリットがあります。
すでにうつ病治療として確立しているほか、さまざまな精神疾患への適応が研究されています。
TMS治療の科学的根拠については、以下の記事で詳しく解説しています。
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TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)の基本原理~なぜ磁気を使うのか?~
《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》は、「ファラデーの電磁誘導の法則」を利用したうつ病の治療方法です。なぜ治療に磁気を用いるのか、どのように脳を刺激しているのか、刺激するとどうなるのかなど、TMS治療の基本原理について解説します。

TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)の基本原理~なぜ磁気を使うのか?~
《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》は、「ファラデーの電磁誘導の法則」を利用したうつ病の治療方法です。なぜ治療に磁気を用いるのか、どのように脳を刺激しているのか、刺激するとどうなるのかなど、TMS治療の基本原理について解説します。
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TMSはなぜうつ病に効くのか?
うつ病の《TMS治療》では、脳の特定部位への刺激が、脳の機能異常を正常化していると考えられています。うつ病が脳のどの領域やネットワークに影響し、TMS治療がその領域にどのように影響するのか、最新の知見をふまえて解説します。

TMSはなぜうつ病に効くのか?
うつ病の《TMS治療》では、脳の特定部位への刺激が、脳の機能異常を正常化していると考えられています。うつ病が脳のどの領域やネットワークに影響し、TMS治療がその領域にどのように影響するのか、最新の知見をふまえて解説します。
TMS治療をおすすめする3つの理由
TMS治療には「副作用がほとんど無い」「治療期間が短い」「再発率が低い」という長所があります。
1.ほとんど副作用が無い
TMS治療では治療部位(脳の特定箇所)に直接的に作用するため、全身性の副作用はほとんどありません。TMS治療後でも、いつもと変わらない生活を送ることができます。
一方、抗うつ薬などの薬物は、血流にのって全身を巡り、脳に限らず全身に薬が作用するため、眠気・だるさ・ふるえ・吐き気のようなさまざまな副作用を起こします。これらの副作用のため、多くの抗うつ薬は、車の運転などの危険を伴う行為について、禁止もしくは十分な注意が必要とされています。
2.治療期間が短い
個人差はありますが、TMS治療は数週間~半年程度が標準的な治療期間です。
一方で薬物療法の場合は、最初に処方された抗うつ薬がしっかり効いた場合でも、減薬期間を含めて通常1~2年は服用し続けることが必要とされています。最初の処方で良くならない場合は他の抗うつ薬への切り替えや追加などが必要になり、治療がさらに長期化します。
抗うつ薬治療に関して米国国立精神衛研究所(NIMH)が資金提供した《STAR * D》研究では、最初の12週間で寛解できた人が約3分の1、全体の3分の1は薬を切り替えながら1年以上治療を続けても寛解できないという報告をしています[1]。
3.再発率が低い
うつ病は再発しやすい病気であるといわれています。
最初のうつ病から回復しても6割が再発し、再発経験者の7割が3回目を再発、さらに3回の発症者の9割が4回目を再発と、発症を繰り返すたびに悪化します[2]。回復時に症状が残っている場合は、再発する可能性がさらに高まります。
TMS治療の再発率は、日本精神神経学会で、「rTMS療法が有効であった患者さんの6~12ヶ月における再発率は1~3割と推定
」と報告されています[3]。
TMS治療の限界
他の治療と同様、TMS治療にも短所はあります。短所としては「日本国内ではあまり普及していない」ことと、「短期的な治療費用が高い」ことがあげられます。
日本国内ではあまり普及していない
最初の抗うつ薬は、1950年代にスイスの精神科医によって発見報告がありました。それ以降、研究開発が続けられ、現在では日本を含め全世界で使用されています。
一方でTMS治療は、うつ病への最初の応用例が1993年です。2003年にカナダなどでうつ病の治療として認可され、それ以来、海外では順調に普及しています。
日本国内におけるうつ病へのTMS治療に関しては、2000年代前半から臨床研究が進められ、2019年6月から保険適用されるようになりました。しかし、保険の適用条件が厳しく、適用される施設も限られていることから、現在のところあまり普及できていません。自由診療で行われているTMS治療を含めても十分に普及しているとはいえず、治療機会は非常に限定されているのが現状です。
なお、当院は2013年の開院時からTMS治療を行っており、12年以上の臨床経験からの豊富な知見と、国内外で更新され続けるさまざまな科学的根拠に基づき、より良い医療の提供に努めています。
短期的な治療費用が高い
保険診療によるうつ病へのTMS治療は条件がかなり厳格で、多くの場合は大学病院などへの入院が前提です。そのため、国内での通院によるTMS治療は自由診療が主流です(当院も自由診療です)。自由診療は健康保険による給付が無く全額患者負担になるため、1回あたりの治療費用は高額になりがちです。
一方で社会復帰が早くなることで、総合的に負担が小さくなるというケースも考えられます。
どんな人に特におすすめですか?
これらのメリットとデメリットを考慮すると、次のような方はTMS治療を試してみる価値が特に大きいと考えられます。
- 薬物治療が長引いている:抗うつ薬の効果は早ければ二週間くらいで感じます。薬を変更しても数カ月、数年と効果を感じない場合は、TMS治療を検討する意義が大きいと考えられます。TMS治療は薬物治療とは治療のメカニズムが異なるため、薬物治療が有効ではなくても、TMS治療は効果を発揮するというケースは少なくありません。
- 薬の副作用がつらい:耐えがたいほどの副作用は、生活に大きな支障をきたしかねません。つらい副作用を苦にして自己判断で服薬を中断、その結果悪化するということはよくあることです。副作用がつらく治療継続が困難な方には、副作用がほとんど無いTMS治療の恩恵は大きいといえるでしょう。
- 状況的に薬が使いにくい:妊婦や受験生など、ライフステージの関係で薬物治療を選択しづらい状況があります。もちろん、生死に関係するほど重症の場合は、ライフステージよりも治療を優先すべきですが、そうではない場合、日常生活と調和させながら治療するという選択肢もありえるでしょう。
逆に、抗うつ薬がしっかりと効き、生活に支障もなく順調に治療できている場合は、改めてTMS治療を開始するメリットはあまり大きくないと考えられます。
品川メンタルクリニックのTMS治療
品川メンタルクリニックではTMS治療を行っています。
当院のTMS治療では5~6割の人が寛解(症状がほとんどなくなること)し、全体の8割程度の人の症状が軽くなっています。
TMS治療は副作用もほとんど無く、仕事や勉強への影響を最小限に抑えることが期待できます。うつ病やうつ病治療でお困りの場合は、ご予約の上ご相談ください。
まとめ
《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》は、磁気刺激を介して脳の機能異常の正常化をはかる治療法です。うつ病治療として確立しているほか、さまざまな精神疾患への適応が研究されています。
TMS治療には「日本国内ではあまり普及していない」「短期的な治療費用が高い」というデメリットがある一方で、「ほとんど副作用が無い」「治療期間が短い」「再発率が低い」という、大きなメリットがあります。
薬物治療が長引いている場合、薬の副作用に困っている場合、状況的に薬が使いにくい場合(妊婦や受験生)などは、TMS治療を検討する価値が特に大きいといえるでしょう。
品川メンタルクリニックではTMS治療を行っています。うつ病やうつ病治療でお困りの場合は、ご予約の上ご相談ください。


品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。









