各駅停車症候群って何?

各駅停車症候群って何?

急に電車に乗れなくなったら
うつ病の前兆!?

うつ病は、意欲の低下や物事に対する興味、喜びが失われているなどの状態が、概ね2週間以上続いている場合に専門機関への相談が必要になると言われています。
一方で日常生活における支障の内、会社で働いている人の場合は遅刻や欠席などが目立ち始めたころにうつ病が疑われたりもします。
この場合はただ甘えているだけなのか、うつ病なのかは区別が難しいかもしれませんが、うつ病の場合は、行きたいのに行けない「各駅停車症候群」という状態に陥ることもしばしばあるそうです。
甘えとうつ病の違いとしては、うつ病の場合は本人の気持ちがコントロールできない状況がポイントになるといえます。

各駅停車症候群とは

各駅停車症候群って何?
各駅停車症候群って何?

毎朝の通勤や日々の移動で電車を利用する快速や特急を多くの人が利用すると思います。
少しでも早く会社へ向かいたい場合や待ち合わせ場所に着きたいときにとても便利な移動手段です。
しかし、時にうつ病や他の精神疾患などの影響で乗車ができない症状があるのを、ご存じでしょうか?「各駅停車症候群」という、別名「過敏性腸症候群(IBS)」とも呼ばれ、強いストレスが原因で発症する場合がある症状です。
いつもの通勤電車に乗ろうとしたら足が動かなくなった、電車に乗ることが不安であり恐怖を感じる、電車のドアが閉まると不安感で押しつぶされるなど、さまざまな不安な思いが巡って、ついには電車に乗れなくなってしまい、乗れたとしても途中下車できる各駅停車に乗ることが特徴です。
そしてこの状態は、精神的な病の自覚症状ともいえるようです。
また過敏性腸症候群(IBS)は、お腹が痛くなり、トイレに行きたくなります。しかし、電車は急には止まれませんので日常的にそれが続くと、電車に乗ること自体が困難になり、すぐに止まる各駅停車の電車しか乗れなくなってしまうのです。これが「各駅停車症候群」の呼び名の意味ともいえます。

「各駅停車症候群」は
行動によるうつ病の自覚症状

うつ病は意欲の低下や興味の喪失などの精神症状のみから判断するのではなく、ふとしたときに突然これまでにない自覚症状が出ることがあるようです。
それが普段の動作と違うと感じたら心身がSOSを上げているサインともいえるでしょう。
電車という閉ざされた空間は、うつ病の他に急に強い不安に襲われるときに発生するパニック障害も起きやすい状況であり、無理に乗るとパニック障害の発作を起こしかねません。

健常者から見ると普通のことであっても、うつ病患者さんなどにとっては相当なストレスがかかる行動なのです。
さらに、その状態が続くとついには朝起きられなくなり、出かけられたとしても途中で帰ってきてしまうなどという行動が徐々に起こり始めます。
このような行動から電車が無理と感じられた場合は、何かしらの疾患を患っている可能性が高いといえます。
もし、「電車が怖い…」、「快速、特急なんて無理」と感じてしまったら早めに専門機関へ受診することをおすすめします。早期発見・治療がうつ病の重症化を防ぎます。

初村 英逸

監修

初村 英逸(はつむら ひではや)

2009年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック梅田院院長。精神保健指定医。

自覚症状を感じたら

行動によってうつ状態が疑われる場合は、外出できる状態のときにご相談ください。
品川メンタルクリニックは各院、駅から徒歩5分圏内にあり、品川(東京)、梅田(大阪)にて展開していますので、お近くのクリニックにご相談が可能です。
また、品川メンタルクリニックは磁気刺激治療(TMS)の専門クリニックです。
ストレスとうつ病の新しい治療方法です。薬による治療ではありませんので、副作用の心配もほとんどありません。ご状況に合わせた治療方針を提案します。
まずは、お気軽にご相談ください。

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