精神科・心療内科に行く基準は? 行くべきか迷ったときの判断ポイント

「これくらいの症状で受診してもいいの?」
「受診すべきかどうかわからない」
「これくらい我慢すればよい」
「自分は病気ではない」
「他人に知られたくない」
「どうせ治らない」

メンタル不調を感じたときに、精神科や心療内科を受診しようとすぐに行動できる人ばかりではありません。メンタル不調が判断力を弱らせることもよくあることですし、初めてのことに尻込みしてしまうことも珍しいことではありません。
《うつ病》などの精神疾患も、身体の疾患と同じように早期発見・早期治療が重要です。受診を避けるなど、対処せずに放っておくことは、回復どころか重症化や慢性化のリスクを増加させることにつながります。
精神科・心療内科を受診する基準は、「日常生活に支障が出ているか」が大きな目安になります。

この記事では、どういうときに精神科や心療内科を受診したほうがよいか、症状の目安や基準、その理由などを解説します。

精神科・心療内科の受診をためらう人は多い

メンタルに不調を感じていても、なかなか精神科や心療内科に足が向かないという人は大勢います。
受診するかどうか迷うのは、とても自然なことです。たとえばこのような不安があるのではないでしょうか?

  • 「何を話せばいいんだろう?」
  • 「病気と診断されたらどうしよう」
  • 「周囲に知られたくない……」

しかし、大丈夫です。あなたの話にしっかりと耳を傾け、診断や治療を押し付けることはありません。気になることがあれば、医師に直接質問することも可能です。

また、誤解も受診をためらわせる要因となります。
たとえば、「精神科や心療内科に行ってはいけない人はいますか?」というような質問があります。
その答えはとてもシンプルで、「精神科や心療内科に行ってはいけない人」はいません。気になる症状がある場合は、内科や皮膚科などと同じように受診してください。
このような誤解については、以下の記事で詳しく解説しています。

精神科・心療内科を受診する目安や基準

精神科・心療内科受診の大きな基準や目安は、日常生活に支障が出ているかどうかです。
気分の落ち込みを感じたり、趣味や活動への興味を失ったりし、仕事や学業など日常生活に支障が出ている場合は、受診の検討が必要な兆候です。
自分自身の感情や体調の変化に気付いたり、不安やストレスを強く感じたりする場合は、一人で抱え込まずに、精神科・心療内科に相談してみてください。
まずはあなたが自分自身の心の声に耳を傾け、必要なサポートを受けることが大切です。

具体的な受診の目安や基準としては、以下のような症状があります。
このような症状が2週間以上続いている場合は、受診することがすすめられます。

精神面で見る基準

メンタルの不調時には、以下のような症状がよく見られます。

  • 気分が落ち込む
  • 好きなことや趣味が楽しめない
  • 情緒不安定になる(不機嫌、怒り、突然涙が出るなど)
  • 頭にこびりついた不安や心配、イライラ感
  • 判断力・記憶力の低下
  • 何をするのもおっくうに感じる
  • 死ぬことを考えたり、死にたいという考えが浮かんだりしてしまう

身体面で見る基準

メンタルの不調は、精神だけではなく、身体にも現れることが多いです。
以下のような症状が現れることがあります。特に不眠うつ病との併存がよくみられる症状です。

  • なかなか寝付けない、途中で目が覚めてしまう、日中の強い眠気
  • 食欲がない、食事がおいしくない
  • 身体の痛み(頭痛、肩こり、背中の痛みなど)
  • 胃腸の不調(下痢・便秘・吐き気など)
  • 動悸・息切れ、めまい
  • 疲労感・倦怠感

行動面で見る基準

メンタルの不調は、行動にも変化をもたらします。
以下のような行動が現れることがあります。

  • 飲酒・喫煙、薬物の乱用
  • 暴飲暴食、食事を取らない
  • ギャンブル
  • 衝動的な行為をする(散財など)
  • 危険な行為をする(乱暴な運転など)
  • ひきこもり、人付き合いを避ける

セルフチェックも一助になります

それでもやはり決心がつかない場合は、まずはうつ病のセルフチェックを活用し、ご自身の状態を客観視するとよいでしょう。

また、どうしても医療機関の受診に抵抗がある場合は厚生労働省の相談窓口もありますので、まずはそちらで相談してもよいと思います。

ひとまず話を聞いてもらう場所として利用できると思います。

悩むくらいなら受診した方が良い

前述の通り、受診の目安は、基本的には日常生活に支障があるかどうかになりますが、受診するかどうかを悩むほどに「つらい」「苦しい」と感じているのなら、その苦痛から解放されるためにも精神科や心療内科を受診してください。

「この程度で病院に行ってもよいの?」
「どれくらいなら受診してよいのかわからない」

少なくない人が抱くもっともな疑問ですが、医師は日々そういった悩みに耳を傾け続けているので、「この程度」と遠慮する必要はありません。病気かどうかわからないという不安を含めて、治療が必要な状態かどうかを医師が判断します。受診の結果、治療が不要だとわかれば、それはそれ以上心配しなくてもよいということですから、決して無駄足にはなりません。

どんな病気でもそうですが、うつ病も早期発見・早期治療が大切ですので、悩み続けるよりは早めに受診しましょう。ご自身で「病気だ」と確信を持てるまでわざわざ待つメリットも必要もありません。
悩み続けるくらいなら、遠慮せずにご相談ください。

早期受診・早期治療が早期回復のカギ

いざ受診しようと決心したものの、その後どうすればよいのかわからない場合もあるでしょう。
精神科や心療内科は予約制の場合も少なくないため、受診前に事前に確認した方がよいでしょう。
今では多くの医療機関がインターネット上に問い合わせ先や受診方法などを掲載していますので、まずはそちらで確認するとよいと思います。
なお、当院の場合は、「初めての方へ」に予約方法などをまとめてあります。

初診当日は、内科や皮膚科などと同じように、状態確認→診断という流れになります。問診表、診察、検査などで情報収集し、これらを総合的に分析して治療の必要性や治療内容を判断します。診察ではいくつか質問されると思いますが、わかる範囲で答えれば問題ありません。

現代はストレス社会といわれるように、職場・学校・家庭と、どこにいても常にストレスに心身がむしばまれるリスクを抱えています。うつ病は早期発見・早期治療が非常に大切です。受診の遅れが重症化や慢性化につながりますので、不調を感じているなら、早めに精神科・心療内科を受診してください。

まとめ:迷うほどつらいなら、それは受診してよいサイン

メンタルに不調を感じていても、精神科や心療内科の受診をためらう人は少なくありませんが、うつ病などの精神疾患も、身体の病気と同様に早期発見・早期治療が早期の回復につながります。「この程度で受診して良いの?」と悩み続けるよりも受診しましょう。
受診の結果、もし治療が不要だとわかったとしても、それは疑いが晴れ、それ以上心配しなくてよいということですから、決して無駄足ではありません。

よくある質問

  1. 精神科や心療内科に行ってはいけない人はいますか?
  2. つらくても我慢すればいいですよね?
  3. 精神科や心療内科に行くきっかけは?
  4. 精神科や心療内科に行ったほうがよいサインは?
  5. 中学生や高校生も精神科や心療内科を受診しますか?
  6. 精神科と心療内科の違いは?
精神科や心療内科に行ってはいけない人はいますか?

いいえ。「精神科や心療内科に行ってはいけない人」はいません。気になる症状がある場合は、内科などと同じように受診しましょう。なお、精神科や心療内科は予約制の場合も少なくないため、事前に確認した方がよいでしょう。

つらくても我慢すればいいですよね?

多くの場合、そのように悩む時点で、すでに我慢では対応できない状況になっている可能性があります。心身の異常を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。

精神科や心療内科に行くきっかけは?

「うつ病のセルフチェック」などの結果を参考にしたり、心配した周囲の人から促されたりなどが来院のきっかけとなる方が多いようです。
当院もセルフチェックを用意していますので、必要に応じてご活用ください。

精神科や心療内科に行ったほうがよいサインは?

気分が落ち込み、日常生活に支障がでていたら、それが受診の目安です。自分自身の感情や体調の変化に気付いたり、不安やストレスが強く感じられたりするときは医療機関を受診するとよいでしょう。うつ病は早期発見・早期治療が大切です。

精神科と心療内科の違いは?

精神科は《うつ病》《双極性障害(躁うつ病)》《統合失調症》などの精神的な疾患が主な対象です。主に薬物療法や心理療法を行います。最近では当院のように《TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)》を行っている医療機関もあります。
心療内科は心理的な要因から身体に症状が現れる《心身症》が主な対象です。主に、薬物療法や心理療法、専門的なカウンセリングなどを行います。

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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