TMSの歴史
History of TMS
1985年に英国のアンソニー・バーカーらが、
頭部への磁気刺激の記録に初めて成功しました。
1985年、英国のAnthony T. Barkerらが、頭部への磁気刺激に反応した手指の筋肉の動きを記録することに初めて成功しました。当初、TMS装置は神経生理学の研究で検査機器として使用されました。
1993年、うつ病治療への最初の応用例として、薬物治療に反応しない2名のうつ病患者に対してTMS治療が行われました。当時はドーナツ型の円形コイルを用いた単発刺激による治療で、現在のような8の字コイルで高頻度の反復刺激(rTMS)が行われるようになったのは1996年ごろのことです。
2003年にはカナダ・ドイツ・フランス・オーストラリアでrTMS治療が認可され、2008年には米国のFDA(アメリカ食品医薬品局:日本の厚労省に似た米国の政府機関)がNeuronetics社のrTMS装置を認可しています。
一方、日本でも1987年には日本製のTMS装置が開発され、海外製品と併せて研究分野で利用されてきました。
日本国内におけるうつ病のTMS治療に関しては、2000年代前半から臨床研究が進められ、2017年9月に「薬物治療に反応しないうつ病への治療法」として承認、2019年6月には保険適用されるようになりました。