広汎性発達障害(PDD:Pervasive Developmental Disorders)は、かつて使用されていた発達障害の診断カテゴリーです。この概念は、社会性、コミュニケーション、想像力(または限定された興味やこだわり)といった領域に質的な偏りが見られる一群の障害を指していました。現在、国際的な診断基準であるDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では、「自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)」として統合されています。これは、これらの特性が程度の差こそあれ連続的なものである、というスペクトラム(連続体)の考え方に基づいています。この記事では、広汎性発達障害の概念、その特徴、現在の診断基準であるASDとの関係、他の発達障害との違い、診断プロセス、そして適切な支援について解説します。
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広汎性発達障害とは
広汎性発達障害(PDD)は、主に乳幼児期から幼児期にかけて明らかになる、特定の領域における発達の偏りを特徴とする神経発達症群の一つです。社会性の発達、コミュニケーション能力、および行動や興味のパターンに質的な違いが見られます。この診断名は、DSM-IV(第4版)やICD-10(国際疾病分類第10版)といった以前の診断基準で広く用いられていました。
PDDという名称が使われなくなった背景には、これらの特性が個々の診断カテゴリに明確に分けられるよりも、連続体(スペクトラム)として捉えるべきであるという理解の深化があります。特性の現れ方は一人ひとり異なり、その重さや組み合わせも多様です。
概念の変遷とASDへの統合
発達障害の理解は、科学的な研究や臨床経験の積み重ねによって常に進化しています。かつては、自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害など、個別の診断名に分けられていました。しかし、これらの間に明確な境界線を引くことが難しく、同じ診断名でも特性の現れ方が大きく異なるケースが多く見られました。
そこで、DSM-5(2013年改訂)では、「広汎性発達障害」というカテゴリーを廃止し、「自閉スペクトラム症(ASD)」として統合されました。これは、診断名に関わらず、これらの人々が持つ核となる困難さ(社会的なコミュニケーションと相互作用の障害、限定された反復的な行動・興味・活動)に注目し、その重症度や特性の組み合わせによって、スペクトラム上のどこに位置するかで理解しようとする考え方です。
この変更により、以前の「広汎性発達障害」に含まれていた様々な診断名が、現在はすべて「自閉スペクトラム症」という一つの診断名の下に包括されることになりました。この統合は、診断の信頼性を高め、個々の特性に応じたより適切な支援を提供することを目的としています。
含まれていた診断名
DSM-IVにおいて、「広汎性発達障害」のカテゴリーに含まれていた主な診断名は以下の通りです。
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自閉性障害(Autistic Disorder):
最も典型的とされるPDDの診断名でした。社会性の困難、コミュニケーションの困難(言葉の遅れや会話の難しさを含む)、限定された興味やこだわりといった中核的な3つの特性が比較的顕著に見られる場合に診断されました。多くの場合、知的発達の遅れを伴うとされていました。 -
アスペルガー障害(Asperger’s Disorder):
自閉性障害と同様に、社会性の困難と限定された興味やこだわりを特徴としますが、言葉の発達の遅れは通常見られず、多くの場合、知的発達の遅れも伴わないとされていました。特定の興味関心に非常に深く没頭する傾向や、話し言葉は流暢でも会話のキャッチボールが苦手といった特徴が見られることがありました。 -
特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS:Pervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specified):
自閉性障害やアスペルガー障害の基準を完全に満たさないものの、PDDの中核的な特性の一部が見られる場合に診断されました。特性の現れ方は非常に多様で、「非定型自閉症」と呼ばれることもありました。 -
レット障害(Rett’s Disorder):
主に女児に見られる進行性の神経疾患で、生後しばらくは正常に発達しますが、その後、それまでに獲得した能力(特に手の機能や言語能力)が失われ、特徴的な手の常同運動や社会性の後退などが現れます。遺伝子変異が原因であることが分かっています。 -
小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder):
生後少なくとも2年間は正常に発達した後、それまでに獲得した能力が複数領域(言語、社会性、排泄のコントロール、運動能力など)で著しく失われる、稀な発達障害です。
DSM-5では、レット障害は独立した診断名となり、小児期崩壊性障害、自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害は、すべて「自閉スペクトラム症(ASD)」として統合されました。これは、これらの診断名が示す特性が、スペクトラム上で連続していると考えられたためです。
広汎性発達障害の主な特徴
広汎性発達障害、あるいは現在の自閉スペクトラム症(ASD)の核となる特徴は、大きく分けて以下の3つの領域に現れます。これらの特性は、診断基準の改訂によってDSM-5では「社会的なコミュニケーションおよび相互作用における持続的な困難」と「限定された、反復的な様式の行動、興味、活動」という2つの主要な領域に整理されましたが、ここでは旧来の区分も含め、より具体的に掘り下げて解説します。
社会性の困難
広汎性発達障害を持つ人々は、他者との関わり方において質的な違いを経験することがよくあります。これは単に「内気」であるとか「人付き合いが苦手」といったレベルではなく、他者の意図や感情を読み取る、場の雰囲気を理解する、状況に応じた対人関係のルールを学ぶといったことが、定型発達の人々とは異なる方法で行われたり、困難を伴ったりすることを意味します。
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対人関係の相互性の困難:
自分から積極的に他者に関わろうとしない、あるいは関わろうとしても一方的になってしまうことがあります。例えば、遊びの輪に入れない、誘われてもどう参加すれば良いか分からない、自分の興味のあることだけを延々と話し続けてしまう、といった様子が見られることがあります。 -
非言語コミュニケーションの理解・使用の困難:
表情、声のトーン、ジェスチャー、視線といった非言語的なサインを読み取るのが苦手な場合があります。相手の表情から感情を察したり、冗談を理解したりすることが難しいことがあります。また、自分自身の感情を表情や声のトーンで適切に表現することも苦手な場合があります。空気が読めないと言われたり、誤解されやすかったりすることがあります。 -
対人関係のルールや暗黙の了解の理解の困難:
社会的な場面での適切な振る舞いや、言葉にならない暗黙のルールを自然に学ぶことが難しい場合があります。例えば、相手の話を遮ってしまう、距離感が適切でない、冗談を真に受けてしまう、といったことが起こり得ます。これにより、悪気はなくても相手を不快にさせてしまうことがあります。 -
集団行動の難しさ:
集団の中で自分の役割を理解し、他のメンバーと協力して物事を進めることが難しい場合があります。自分のやり方に固執したり、指示されたこと以外の変化に対応できなかったりすることがあります。
これらの困難さは、子供の頃は友達との遊びや学校生活で、大人になると職場での人間関係や地域社会での交流で、それぞれ異なる形で現れることがあります。
コミュニケーションの困難
言葉やコミュニケーション全般に関わる困難も、広汎性発達障害の重要な特徴です。これは単に言葉が遅れるというだけでなく、言葉の使い方や会話のやり取り、言葉の裏にある意味の理解といった、より複雑なコミュニケーションの側面に関連します。
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言葉の発達の遅れ、または言葉を使うことの苦手さ:
自閉性障害と診断された子供の多くは、言葉の発達に遅れが見られました。言葉が出てきても、オウム返しをしたり、代名詞をうまく使えなかったりすることがあります。アスペルガー障害では言葉の遅れは通常見られませんが、言葉を文字通りに捉えすぎて比喩や皮肉が理解できない、一方的に話し続けてしまう、といったコミュニケーションの難しさが見られます。 -
会話のキャッチボールの難しさ:
相手の話に耳を傾け、それに対して適切に応答するといった、自然な会話のやり取りが苦手な場合があります。自分の興味のあることについては饒舌に話せますが、相手の興味に合わせた話題選びや、会話のペース調整が難しいことがあります。 -
非言語コミュニケーションの理解・使用の困難(再掲):
前述の社会性の困難とも関連しますが、言葉以外のコミュニケーション(表情、声のトーン、ジェスチャーなど)を理解し、適切に使うことが苦手です。これにより、意図がうまく伝わらなかったり、相手の感情を読み取れなかったりすることがあります。 -
言葉の表面的な意味しか理解できない:
比喩、皮肉、冗談、慣用句などを文字通りに受け取ってしまう傾向があります。「猫の額ほど狭い庭」と言われると、本物の猫の額を想像してしまうなど、言葉の裏に隠された意味や文脈を理解するのが難しいことがあります。 -
抽象的な概念の理解の難しさ:
「友達」「優しさ」「未来」といった抽象的な言葉や概念を理解するのが難しい場合があります。具体的で視覚的な情報の方が理解しやすい傾向があります。
これらのコミュニケーションの困難さは、学業や社会生活、人間関係の構築において様々な障壁となることがあります。しかし、視覚的なツールを使ったり、具体的で明確な言葉で伝えたりするなどの工夫によって、コミュニケーションがスムーズになることも多くあります。
限定された興味とこだわり
特定の興味関心に強く没頭したり、特定の行動パターンや手順に強くこだわることも、広汎性発達障害の重要な特徴です。この「こだわり」は、本人にとっては安心感や predictability(予測可能性)をもたらす重要な要素である一方、周囲との摩擦の原因となることもあります。
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限定された、あるいは異常に intensa(強い)興味の対象:
特定の分野(例えば、電車、恐竜、天気、特定のキャラクターなど)に異常なほど強い興味を持ち、それ以外のことにほとんど関心を示さないことがあります。その興味の対象に関する知識は非常に深く、時には専門家顔負けの知識を持っていることもあります。 -
特定の非機能的な日課や儀式的な行動へのこだわり:
特定の順番で物事を進めなければ気が済まない、毎日同じ道を通らなければならない、特定の時間に特定の行動をしなければ不安になる、といった特定のルーチンや手順に強くこだわる傾向があります。これらのルーチンが崩れると、強い不安や混乱を示すことがあります。 -
常同的・反復的な体の動き(常同行動):
手をひらひらさせる、体を揺らす、指をいじる、特定の音を出す、といった反復的な体の動きが見られることがあります。これは、不安を鎮めたり、感覚的な刺激を求めたり、自己刺激として行われたりすると考えられています。 -
物事の一部分や特定の性質への強いこだわり:
おもちゃ全体で遊ぶよりも、車輪だけを回し続ける、ミニカーをひたすら並べる、といったように、物事の一部分や特定の性質に強くこだわる傾向があります。機能的な遊びや、他の子供たちとのごっこ遊びに参加するのが難しい場合があります。 -
変化への強い抵抗:
慣れ親しんだ環境やルーチンが変化することに対して、強い不安や抵抗を示すことがあります。例えば、部屋の模様替え、時間の変更、いつもと違う道を通ることなどが苦手な場合があります。 -
感覚過敏・鈍麻:
特定の音や光に過敏に反応する(例:大きな音や特定の周波数の音が苦手)、特定の感触の服が着られない、特定の食べ物の食感が苦手、といった感覚過敏が見られることがあります。逆に、痛みや温度に対する感覚が鈍麻であったり、特定の感覚刺激(例:ぐるぐる回る、強い圧迫感)を強く求めたりする感覚鈍麻が見られることもあります。これは、周囲の環境からの情報処理の仕方の違いによるものと考えられています。
これらの限定された興味やこだわりは、特定の分野での才能や専門知識に繋がることもありますが、日常生活や社会生活における柔軟性を阻害する要因となることもあります。
その他の特性
広汎性発達障害を持つ人々には、上記の中核的な特徴以外にも、以下のような様々な特性が見られることがあります。これらの特性は必須ではなく、個人によって現れ方は大きく異なります。
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運動の不器用さ:
ボールを投げたり捕ったりするのが苦手、スキップができない、箸をうまく使えない、ボタンを留めるのが難しい、といった細かい運動や協調運動に不器用さが見られることがあります。 -
睡眠や食事の問題:
寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ます、偏食が激しい、特定の食感のものを嫌がる、といった睡眠や食事に関する問題が見られることがあります。 -
感情のコントロールの難しさ:
感情を言葉で表現したり、適切にコントロールしたりするのが苦手な場合があります。パニックになったり、かんしゃくを起こしたりすることがあります。 -
衝動性:
時に衝動的な行動が見られることがあります。これは、後述するADHDの特性と重なる部分もあります。 -
不安やうつ:
社会生活での困難や、自分の特性に対する理解不足などから、二次的に不安障害やうつ病を併発するリスクが高いと言われています。 -
ADHDやLDなどの併存:
広汎性発達障害(ASD)は、ADHD(注意欠如・多動性障害)やLD(限局性学習症)などの他の発達障害と併存することが少なくありません。
これらの特性は、広汎性発達障害を持つ人々の生活の質に影響を与える可能性がありますが、適切な理解と支援によって、困難さを軽減し、 strengths(強み)を活かすことが可能です。
広汎性発達障害の診断プロセスと基準
広汎性発達障害、現在の自閉スペクトラム症(ASD)の診断は、専門の医師(児童精神科医、精神科医、小児科医、神経科医など)が行います。単一の検査や血液検査で診断できるものではなく、本人の生育歴、現在の行動観察、保護者や学校関係者からの情報、心理検査などを総合的に評価して行われます。
診断は、国際的に広く用いられている診断基準に基づいて行われます。かつてはDSM-IVやICD-10が用いられていましたが、現在はDSM-5やICD-11(国際疾病分類第11版)が主流となっています。
診断基準(DSM-5など)
DSM-5における自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準は、以下の2つの主要な領域の特性に基づいています。
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基準A:社会的なコミュニケーションおよび相互作用における持続的な困難:
以下の3つの項目すべてに当てはまること。- 相互の社会的・情緒的交流の欠如(例:会話のキャッチボールができない、感情や関心の共有が困難、適切な対人行動がとれない)
- 社会的交流における非言語コミュニケーション行動の欠如(例:アイコンタクトが少ない、表情や身振りの使用・理解が困難、声のトーンが不適切)
- 対人関係の構築、維持、理解の困難(例:他の人々との関わりに関心がない、年齢相応の友情を築くことが難しい、社会的な状況を理解できない)
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基準B:限定された、反復的な様式の行動、興味、活動:
以下の4つの項目のうち、少なくとも2つに当てはまること。- 常同的または反復的な体の動き、物の使用、あるいは話し方(例:常同行動、おもちゃを機能と異なる方法で使用、エコラリア(オウム返し))
- 同一性への固執、非機能的な日課や儀式に対する譲れないこだわり(例:変化への強い抵抗、ルーチンからの逸脱に対する強い不安)
- きわめて限定され、偏狭で、異常な強さまたは集中力をもつ興味(例:特定の対象への強い執着、専門家のような知識)
- 感覚刺激に対する過敏性または鈍麻、あるいは環境に対する異常な関心(例:特定の音や感触への過敏、痛みや温度への鈍麻、光や動きへの異常な関心)
これらの基準に加え、以下の項目も診断に必要です。
- 基準C: 症状は発達の早期段階で明らかになる(ただし、社会的、教育的、職業的、または他の重要な機能が困難になるまで、完全に顕在化しない場合もある)。
- 基準D: これらの症状は、社会的、教育的、職業的、または他の重要な機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。
- 基準E: これらの障害は、知的発達障害(知的障害)または全般的発達遅延ではうまく説明されない(知的発達障害と自閉スペクトラム症はしばしば併存するが、診断はそれぞれ別々に行われる)。
DSM-5では、診断に加えて、社会的なコミュニケーションの困難と、限定された反復的な行動・興味・活動のそれぞれについて、重症度(レベル1:支援が必要、レベル2:かなり重大な支援が必要、レベル3:非常に重大な支援が必要)が示されます。また、言語能力や知的発達の状況、他の併存疾患(ADHDなど)の有無についても併記されます。
子供のチェックリストと注意点
インターネットや書籍などで、子供の広汎性発達障害(ASD)に関するチェックリストを見かけることがあります。これらのチェックリストは、保護者が子供の発達について気づきを得るための参考としては有用です。例えば、「アイコンタクトが少ない」「言葉の遅れがある」「特定の物や事に強いこだわりを見せる」「変化を嫌がる」「集団遊びになじみにくい」といった項目が並んでいます。
しかし、これらのチェックリストはあくまで「目安」であり、チェックリストにいくつか当てはまったからといって、それが診断となるわけでは決してありません。子供の発達は非常に個人差が大きく、一時的に特定の特性が見られることは珍しくありません。また、チェックリストだけで障害の有無を判断することは不可能です。
重要な注意点:
-
チェックリストは診断ではない:
チェックリストの結果だけで自己判断することは避けましょう。不安を感じる場合は、必ず専門機関に相談してください。 -
専門医の診察が必要:
発達障害の診断は、専門の医師が行う医療行為です。生育歴、行動観察、心理検査など、多角的な視点からの慎重な評価が必要です。 -
早期相談の重要性:
もしお子さんの発達について気になる点があれば、一人で悩まず、早めに専門機関(自治体の保健センター、発達相談支援センター、児童精神科など)に相談することが重要です。早期に専門家のアドバイスを得ることで、適切な対応や支援に繋がりやすくなります。
子供の発達の偏りや困難に早期に気づき、適切な支援に繋げることは、子供の成長にとって非常に大切です。チェックリストはその気づきの一歩となるかもしれませんが、最終的な判断は専門家に委ねることが不可欠です。
広汎性発達障害と他の発達障害の違い
広汎性発達障害(現在のASD)は、様々な発達障害の一つですが、他の発達障害と混同されることや、併存することが少なくありません。ここでは、ASDと他の主な発達障害との違いについて解説します。
ASD(自閉スペクトラム症)との違い
これは、「広汎性発達障害」という旧称と「自閉スペクトラム症(ASD)」という現行名称の関係性の問題です。
-
結論:
現在、「広汎性発達障害」と呼ばれていたもののほとんどは、「自閉スペクトラム症(ASD)」という診断名に含まれています。DSM-5以降、PDDはASDに統合されました。 -
違いというよりは、名称と概念の変遷:
PDDはDSM-IVで使われていたカテゴリー名であり、その中に自閉性障害やアスペルガー障害などが含まれていました。ASDはDSM-5で導入された診断名であり、これらの障害をスペクトラム(連続体)として捉え直し、一つの診断名の下に包括したものです。 -
実質的な対象:
PDDもASDも、社会性の困難、コミュニケーションの困難、限定された興味やこだわりといった核となる特性を持つ人々を対象としています。ただし、DSM-5のASD診断基準は、以前のPDDの定義よりも、社会的なコミュニケーションと反復行動・興味の2つの領域に焦点を当て、より明確化されたと言えます。
したがって、「ASDとの違い」というよりは、「広汎性発達障害は現在のASDに含まれる概念である」と理解するのが正確です。
ADHDとの違い
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、「不注意」「多動性」「衝動性」を中核的な特性とする発達障害です。広汎性発達障害(ASD)とは異なる特性が中心ですが、実際にはASDとADHDはしばしば併存することが知られています。
特性 | 広汎性発達障害(ASD) | ADHD(注意欠如・多動性障害) |
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中核的な困難 | 社会的なコミュニケーションと相互作用、限定された反復的な行動・興味・活動 | 不注意、多動性、衝動性 |
対人関係 | 相互的な関わりが苦手、相手の意図や感情の理解が難しい、非言語コミュニケーションの苦手さ | 衝動的な発言や行動でトラブルになりやすい、人の話を最後まで聞けない、落ち着きなく相手をいらつかせることがあるが、相互的な関わりそのものに困難があるわけではない |
コミュニケーション | 言葉の遅れ、言葉を文字通りに捉える、会話のキャッチボールが苦手、一方的な話し方 | 話を最後まで聞けない、さえぎる、衝動的な発言が多い |
興味・行動 | 限定された特定の興味に強く没頭、ルーチンへの強いこだわり、常同行動 | 飽きっぽい、興味が次々と移る、落ち着きがなくそわそわしている、じっとしているのが苦手 |
学習・仕事 | 特定の分野で驚異的な能力を発揮することも、抽象的な概念や臨機応変な対応が苦手、マルチタスクが苦手 | 集中力が続かない、ケアレスミスが多い、計画的に物事を進めるのが苦手、整理整頓が苦手 |
特性の現れ方 | 乳幼児期から社会性やコミュニケーションの質的な違いとして現れることが多い | 幼児期から多動性・衝動性が目立つことが多い(不注意は学童期以降に顕著になることも) |
併存 | ASDとADHDはしばしば併存する | ADHDとASDはしばしば併存する |
ASDは「質的な偏り」が特徴であるのに対し、ADHDは「機能不全」に近いと表現されることもあります。しかし、両方の特性を併せ持つ人も多いため、診断や支援においては個々の特性を詳細に評価することが重要です。例えば、ASDの特性として「会話のキャッチボールが苦手」な人と、ADHDの特性として「人の話を最後まで聞かずに衝動的に発言してしまう」人では、表面的な行動は似ていても、その背景にあるメカニズムや必要な支援は異なります。
LDとの違い
LD(限局性学習症:Specific Learning Disorder)は、全般的な知的発達に遅れはないものの、読み、書き、計算といった特定の学習能力に著しい困難がある発達障害です。
特性 | 広汎性発達障害(ASD) | LD(限局性学習症) |
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中核的な困難 | 社会的なコミュニケーションと相互作用、限定された反復的な行動・興味・活動 | 特定の学習能力(読み、書き、計算、推論など) |
社会性・対人 | 相互的な関わりが苦手、非言語コミュニケーションの苦手さなど | 基本的には社会性やコミュニケーション能力に問題はない(学習困難から二次的に自尊心の低下や対人関係の問題が生じることはある) |
コミュニケーション | 言葉の遅れ、会話の難しさ、言葉の裏の意図の理解困難など | 学習に関連する言語理解や表現に困難が生じることがある(例:文章を読むのが苦手) |
興味・行動 | 限定された特定の興味に強く没頭、こだわり、常同行動 | 通常、学習能力以外の興味や行動パターンにASDのような特徴的な偏りはない |
学習の困難さ | 抽象的な概念理解や臨機応変な対応が苦手なことはあるが、特定の学習能力そのものに特化して困難があるわけではない | 特定の学習領域(読み、書き、計算など)において、年齢や知的能力に比して著しい困難がある |
ASDを持つ人の中には、二次的に特定の学習に困難を抱える人もいますし、LDを持つ人の中にも、ASDの特性を併せ持っている人がいます。それぞれの診断が示す困難の領域を理解し、個別のニーズに応じた支援を行うことが重要です。
知的障害との関連性
知的障害(Intellectual Disability)は、知的機能と適応機能の両方に発達期に制限がある状態を指します。かつては、自閉性障害の多くが知的障害を伴うとされていましたが、アスペルガー障害は知的障害を伴わないとされていました。
DSM-5のASD診断基準では、知的発達の状況は診断基準の一部ではなく、併記される項目となりました。これは、ASDは知的障害を伴う場合も、伴わない場合もあるというスペクトラムの考え方を反映しています。
-
ASDと知的障害の併存:
ASDを持つ人の中には、知的障害を伴う人もいれば、平均的な知的能力を持つ人、あるいは特定の分野で非常に高い知的能力(サヴァン症候群など)を持つ人もいます。知的障害を伴うASDの場合、コミュニケーションの困難さがより顕著であったり、日常生活上の支援がより多く必要であったりすることがあります。 -
知的能力とASD特性の関連:
知的能力が高いからといって、ASDの特性(社会性やコミュニケーションの困難、こだわりなど)が軽いとは限りません。知的に高いASDの人(いわゆる高機能自閉症やアスペルガー障害と呼ばれていた人々)は、言葉で自分の困難さを説明できたり、工夫して社会に適応しようとしたりしますが、内面的な苦労や困難さは大きい場合があります。
したがって、ASDと知的障害は、それぞれ独立した概念ですが、しばしば併存します。診断においては、知的機能とASDの特性の両面を評価し、個々の状況に応じた支援計画を立てることが重要です。
広汎性発達障害の原因
広汎性発達障害(ASD)の原因については、長年の研究が進められていますが、現時点では「これ一つが原因である」という明確な原因は特定されていません。現在の科学的な知見では、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡み合って発症するという考え方が最も有力です。
原因に関する現在の知見
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遺伝的な要因:
ASDを持つ人のきょうだいや親戚に、ASDや他の発達障害の人がいる割合が、そうでない家族よりも高いことが知られています。これは、遺伝的な要因がASDの発症に関わっている可能性を示唆しています。これまでの研究で、ASDに関連する可能性のある多くの遺伝子が見つかっていますが、単一の遺伝子が原因でASDになるわけではなく、複数の遺伝子の組み合わせや、遺伝子の小さな変異などが影響すると考えられています。遺伝子の個人差が、特性の多様性にも繋がっていると考えられます。 -
環境的な要因:
妊娠中の特定の要因や、出産前後の環境も原因の一つとして研究されています。例えば、妊娠中の特定の感染症(風疹など)、特定の薬剤の服用、出産時の低酸素状態、早産や低出生体重といったリスク要因が指摘されることがありますが、これらが直接的な原因であると断定されているわけではありません。あくまでリスクを高める可能性のある要因として研究されています。 -
脳機能・構造の違い:
ASDを持つ人の脳は、定型発達の人々の脳と比べて、構造や機能に違いが見られることが報告されています。例えば、特定の脳領域の大きさの違いや、脳領域間の情報伝達の仕方の違いなどです。これらの脳の特性が、社会性やコミュニケーション、こだわりのといった行動特性に繋がっていると考えられています。しかし、これらの脳の特性がASDの「原因」なのか、あるいはASDの結果として生じた「違い」なのかについては、まだ研究段階です。 -
ワクチン説の否定:
過去に、MMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合ワクチン)がASDの原因であるという説が提唱され、広く流布した時期がありました。しかし、その後の大規模な疫学研究によって、ワクチンとASDの発症との間に因果関係は認められないことが科学的に証明されており、この説は完全に否定されています。 現在、多くの専門機関や世界保健機関(WHO)も、ワクチンとASDに因果関係がないことを明確に否定しています。
現在のところ、ASDは単一の原因で引き起こされるものではなく、個人の遺伝的な素因に、様々な環境要因が複雑に影響し合い、脳の発達に違いが生じることで発症すると考えられています。今後の研究によって、さらに詳しいメカニズムが解明されることが期待されています。
広汎性発達障害:子供期と成人期の特徴
広汎性発達障害(ASD)の特性は、生涯にわたって見られますが、発達段階によってその現れ方や、生活の中で直面する困難さが変化します。
子供期の特徴
広汎性発達障害は、多くの場合、乳幼児期から幼児期にかけてその兆候が観察されます。早期に気づかれる主な特徴としては以下のようなものがあります。
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乳幼児期:
- 目が合いにくい、目を合わせようとしない
- 名前を呼んでも振り向かない
- 抱っこされるのを嫌がる、抱っこされても体に沿わない
- 人見知りがない、あるいは激しい
- 他の子供に関心を示さない、一緒に遊ぼうとしない
- 特定の音や物に異常に反応する(過敏・鈍麻)
- 指差しをしない、要求を伝えにくい
- 言葉の発達が遅い、オウム返しが多い
- ミニカーを並べる、特定の音を繰り返すなどの常同行動
-
幼児期:
- ごっこ遊びや、友達との共同遊びに参加しない、やり方が分からない
- 他の子供の気持ちを理解するのが難しい
- 言葉で気持ちをうまく伝えられない、会話のキャッチボールが苦手
- 特定の興味に強く没頭し、他のことに関心を示さない
- 日課や手順が変わると強く抵抗する、パニックになる
- 特定の感覚刺激を極端に嫌がる、あるいは求める
- 運動が不器用
これらの特徴は、集団生活が始まる幼稚園や保育園に入園してからより顕著になることがあります。友達との関係構築、先生の指示理解、集団でのルール遵守などで困難を経験し、不適応や問題行動として現れることがあります。
成人期(大人)の特徴
広汎性発達障害の特性は、大人になっても持続します。しかし、子供の頃から様々な経験を積み、自分なりの工夫や対処法を身につけることで、特性が目立たなくなる人もいます。一方で、子供の頃には気づかれなかった、あるいは軽度に見えた特性が、社会人になってから人間関係や仕事上の困難として顕在化することもあります(いわゆる「大人の発達障害」として診断されるケース)。
成人期に現れやすい特徴や困難としては以下のようなものがあります。
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人間関係の困難:
- 職場の同僚や上司との間で適切な距離感や関係性を築くのが難しい
- 世間話や雑談が苦手、会話が一方的になりやすい
- 相手の表情や言葉の裏にある意図が読み取れず、誤解が生じやすい
- 場の空気を読むのが苦手で、不適切な発言をしてしまう
- 暗黙のルールや場の雰囲気に合わせることが難しい
- 友達を作ったり維持したりすることが難しい
-
仕事上の困難:
- 指示を文字通りに受け取りすぎてしまい、融通が利かない
- 複数のタスクを同時にこなすマルチタスクが苦手
- 計画を立てて効率的に仕事を進めるのが難しい
- 予期せぬ変化やトラブルに対応するのが苦手
- 興味のない仕事やルーチンワークに集中力が続かない
- 特定の興味関心に没頭しすぎてしまい、他の業務がおろそかになる
- 聴覚過敏などで職場の騒音や特定の音に集中力を乱される
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日常生活の困難:
- 特定のルーチンや手順に強くこだわり、変更できないと混乱する
- 感覚過敏で、特定の衣服や食べ物が苦手
- 部屋の整理整頓が苦手、物の置き場所にこだわりがある
- 抽象的な概念(時間管理など)を理解して行動するのが難しい
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精神的な問題の併発:
- 社会生活での困難や失敗経験から、不安、うつ、自己肯定感の低下などを抱えやすい
- 自分の特性が理解されず、孤立感や生きづらさを感じやすい
大人になってからASDと診断される場合、それまでの人生で経験してきた「なぜかうまくいかない」「自分は他の人と違う」といった漠然とした生きづらさの原因が明らかになり、安心感に繋がることもあります。診断を受けることで、自分の特性を理解し、適切な対処法を学んだり、周囲の理解を得たり、利用できる支援に繋がったりすることが可能です。
広汎性発達障害に対する支援と療育
広汎性発達障害(ASD)に対する支援や療育は、子供から大人まで、個々の特性や年齢、困りごとに応じて様々な方法があります。重要なのは、画一的な支援ではなく、その人に合った tailored(調整された)なアプローチを行うことです。
子供への支援・療育
子供の発達段階に合わせて、主に以下のような支援や療育が行われます。早期に開始するほど、子供の将来の適応に良い影響を与える可能性が高いと言われています。
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応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis):
特定の行動(コミュニケーション、社会性、学習など)を小さなステップに分解し、望ましい行動を reinforcement(強化)することで、スキル獲得を目指すアプローチです。個別セッションで行われることが多いです。 -
ソーシャルスキルトレーニング(SST:Social Skills Training):
集団や個別で、対人関係に必要なスキル(挨拶、会話の始め方・終わり方、相手の気持ちの理解、自己主張の仕方など)を練習するトレーニングです。ロールプレイングなどを行い、実際の場面で使えるように学びます。 -
TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children)プログラム:
ASDの特性を理解し、視覚的な構造化(スケジュール、場所、活動内容などを視覚的に分かりやすく示す)や、個別の学習プランを作成することで、本人が見通しを持って安心して活動できるように環境を調整するアプローチです。自立を促すことを目的とします。 -
ペアレントトレーニング:
ASD特性を持つ子供との関わり方について、保護者が学ぶプログラムです。子供の行動の理由を理解し、肯定的な関わり方や問題行動への対処法などを身につけることで、家庭での子育ての負担を軽減し、親子関係を良好にすることを目的とします。 -
コミュニケーション支援:
言葉でのコミュニケーションが苦手な子供に対して、絵カード交換システム(PECS)、文字盤、音声出力装置などの代替・補助コミュニケーション(AAC:Augmentative and Alternative Communication)手段を導入し、自分の意思や要求を伝えられるように支援します。 -
感覚統合療法:
感覚過敏や鈍麻といった感覚の問題に対して、ブランコ、トランポリン、バランスボールなどを使った遊びや運動を通して、感覚情報の入り方を調整し、適切に処理できるように促す療法です。 -
学校での支援:
特別支援学級や通級指導教室の利用、個別の教育支援計画の作成、授業での配慮(席順、指示の出し方、視覚的なサポートなど)といった、学校生活における様々な支援があります。 -
相談機関の活用:
自治体の保健センター、子育て支援センター、発達相談支援センター、児童相談所などで相談が可能です。専門家による発達の評価や、利用できる支援サービスの紹介を受けることができます。
大人への支援
大人になってから診断を受けた方や、子供の頃から特性があったものの改めて支援が必要になった方に対しては、以下のような支援があります。
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カウンセリング・心理療法:
自身の特性を理解し、それによって生じる困難(不安、うつ、生きづらさなど)に対処するためのカウンセリングや認知行動療法などが行われます。 -
ソーシャルスキルトレーニング(SST):
子供向けと同様に、大人向けのSSTもあります。職場や地域社会での人間関係、適切なコミュニケーションの取り方、問題解決スキルなどを学びます。 -
ジョブコーチ・就労移行支援:
仕事を探したり、職場で働き続けたりするための支援です。個人の特性や希望に合った仕事探し、履歴書・面接対策、職場での人間関係の調整や業務遂行上の工夫、企業への働きかけなどが行われます。 -
生活訓練・自立訓練:
日常生活(金銭管理、掃除、食事、健康管理など)や社会生活(公共交通機関の利用、手続きなど)を送る上で必要なスキルを身につけるための訓練です。 -
相談窓口の活用:
発達障害者支援センター、精神保健福祉センター、障害者就業・生活支援センターなどで相談が可能です。診断や医療機関の紹介、福祉サービスの利用に関する情報提供、日常生活や就労に関する相談などに応じてもらえます。 -
当事者会・家族会:
同じような特性を持つ人やその家族が集まる場で、情報交換をしたり、悩みや経験を共有したりすることで、精神的なサポートを得ることができます。
支援や療育は、ASDを持つ人が、自身の特性を理解し、 strengths(強み)を活かしながら、社会の中でより生きやすく、well-being(幸福度)を高めていくことを目指します。診断の有無に関わらず、困りごとがある場合は、専門機関に相談することが解決への第一歩となります。
まとめ
広汎性発達障害(PDD)は、かつて自閉性障害やアスペルガー障害などを含む診断カテゴリーとして用いられていましたが、現在の国際的な診断基準であるDSM-5では、これらの概念は自閉スペクトラム症(ASD)として統合されています。これは、社会性、コミュニケーション、限定された興味やこだわりといった特性が、一人ひとり異なる程度の偏りとして現れる連続体(スペクトラム)であるという理解に基づいています。
ASDの核となる特徴は、「社会的なコミュニケーションおよび相互作用における持続的な困難」と「限定された、反復的な様式の行動、興味、活動」の2つの領域に集約されます。これらの特性は、子供の頃から現れ、生涯にわたって影響を与えますが、発達段階や個人の経験、環境によってその現れ方や困りごとは変化します。
診断は、専門の医師が、生育歴や行動観察、心理検査などを総合的に評価して行います。チェックリストはあくまで気づきのきっかけであり、自己判断せず専門機関に相談することが重要です。
ASDはADHDやLD、知的障害といった他の発達障害と混同されたり、併存したりすることがあります。それぞれの発達障害は異なる特性が中心ですが、個々の特性を詳細に評価し、その人に合った支援を行うことが不可欠です。
ASDの明確な単一原因は特定されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が複雑に影響し合うと考えられています。ワクチンが原因であるという説は科学的に否定されています。
広汎性発達障害(ASD)を持つ人々が、自身の特性を理解し、 strengths(強み)を活かしながら、社会の中で自分らしく生きていくためには、周囲の理解と適切な支援が不可欠です。子供に対するABAやSST、TEACCHなどの療育、大人に対する就労支援や生活訓練、そして年齢を問わず利用できる専門機関での相談など、様々な支援があります。困りごとがある場合は、一人で抱え込まず、まずは専門機関に相談してみましょう。適切な理解と支援は、本人だけでなく、家族や周囲の人々にとっても、より良い関係を築く上で大きな力となります。
免責事項:
本記事は、広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)に関する一般的な情報提供を目的としています。医学的な診断や治療方針の決定は、必ず専門の医療機関にご相談ください。記事の情報は、最新の研究や臨床知見に基づき作成していますが、個々の状況に合わせたアドバイスを提供するものではありません。