MENU

過呼吸発作の正しい対処法|紙袋はもうNG?すぐにできる対応

過呼吸は、突然息苦しさやめまい、手足のしびれなどの不快な症状が現れる発作です。
激しい不安を伴うことも多く、「このまま死んでしまうのでは」という恐怖を感じる方も少なくありません。
しかし、過呼吸の発作は通常、数分から数十分で自然に治まる一過性のものです。
適切な対処法を知っていれば、発作が起きても落ち着いて対応することができます。
この記事では、過呼吸が起きた時の正しい対処法(自分でできる応急処置や周囲のサポート)、発作の原因、そして病院へ行くべき目安について詳しく解説します。
過呼吸に関する正確な知識を身につけ、いざという時に備えましょう。

\当日のオンライン診察も/ \通院対応するなら/
初診料 3,850円〜 無料
診断書
当日発行OK

発行可能
薬代(1ヶ月) 1,100円~ 薬に頼らない治療
診療時間 10:00~24:00 10:00-19:00
お薬お届け 翌日以降
おすすめ
ポイント
初診から診断書を発行可能
完全オンライン
品川駅徒歩1分
様々な診察対応可能
公式 オンライン心療内科メンクリの公式サイトへ サイトから予約する
\即日のご相談ならオンライン診療で/
\対面診察するなら/
目次

過呼吸とは?主な症状とメカニズム

過呼吸は、医学的には過換気症候群(Hyperventilation Syndrome)と呼ばれます。
精神的な不安やストレスなどが引き金となり、呼吸が異常に速く、深くなることで起こる状態です。

過呼吸(過換気症候群)の症状

過呼吸の発作中に現れる症状は多岐にわたりますが、主なものとして以下の症状が挙げられます。
これらの症状は、発作によって体内の二酸化炭素濃度が低下することによって引き起こされます。

  • 呼吸器系の症状
    • 息苦しさ:息を十分に吸えない感じ、呼吸が浅く速くなる
    • 胸部の圧迫感・痛み:胸が締め付けられるような感覚
  • 神経・筋肉系の症状
    • 手足や口の周りのしびれ:ピリピリとした感覚
    • 手足の硬直・つっぱり(テタニー):指や手、足などがこわばり、勝手に曲がってしまう
    • めまい・立ちくらみ:フワフワする、気が遠くなるような感覚
    • 頭痛
  • 循環器系の症状
    • 動悸:心臓がドキドキする、脈が速くなる
  • 消化器系の症状
    • 吐き気
  • 精神的な症状
    • 強い不安感、恐怖感
    • 非現実感:自分が自分ではないような感覚、周囲が遠い世界のように感じる
    • 失神感:意識を失いそうになる感覚

これらの症状は、本人にとっては非常に苦痛で、重篤な病気になったのではないかという強い不安を伴いますが、通常、発作が治まれば症状は消え、後遺症を残すことはありません。
ただし、初めて経験する場合は、これらの症状が他の重い病気によるものと区別がつかないため、医療機関を受診することが推奨されます。

過呼吸が起こる仕組み

過呼吸は、肺を通して体外へ排出される二酸化炭素の量が、体内で作られる量よりも多くなりすぎることで起こります。
これは、精神的な不安やストレスなどが原因で、呼吸が不必要に速く、深くなる(過換気)ためです。

通常、私たちは意識することなく、体が必要とする酸素と二酸化炭素のバランスを保つように呼吸しています。
しかし、強いストレスや不安を感じると、自律神経のバランスが崩れ、呼吸中枢が刺激されて呼吸が速く深くなります。

呼吸が速く深くなると、血液中の酸素濃度はほとんど変わりませんが、二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されてしまいます。
血液中の二酸化炭素濃度が低下すると、血液がアルカリ性に傾きます(呼吸性アルカローシス)。

血液がアルカリ性になると、以下のような体の変化が起こり、過呼吸の様々な症状が現れます。

  1. 脳血管の収縮:血液中の二酸化炭素は脳の血管を拡張させる働きがあります。
    二酸化炭素濃度が低下すると、脳の血管が収縮し、脳への血流が一時的に減少します。
    これにより、めまいや立ちくらみ、ふらつきなどの症状が起こります。
  2. 血液中のイオンバランスの変化:血液がアルカリ性に傾くと、血液中のカルシウムイオンがタンパク質と結合しやすくなり、イオン化カルシウム(利用可能なカルシウム)の濃度が低下します。
    カルシウムイオンは神経や筋肉の働きを調整する重要な役割を担っているため、その濃度低下によって神経が過敏になり、手足や口の周りのしびれ、筋肉の硬直(テタニー)などが引き起こされます。
  3. 息苦しさの感覚:体は血中二酸化炭素濃度が低い状態に慣れていないため、二酸化炭素濃度を上げようとして呼吸を抑制しようとします。
    しかし、呼吸中枢が興奮しているため、呼吸を抑えることができず、「もっと息を吸わなければ」という強い衝動に駆られます。
    これが、過呼吸で感じる息苦しさや「息が吸えない」という感覚の原因となります。
    実際には酸素は十分に取り込めていますが、二酸化炭素が足りない状態なのです。

このように、過呼吸の症状は、呼吸のバランスが崩れたことによって体内で起こる一連の生理的な反応の結果です。
症状自体は不快で苦痛ですが、直接的に命に関わるものではありません。
このメカニズムを理解することは、発作中の不安を和らげる助けになります。

過呼吸の原因と発症しやすいケース

過呼吸は、特定の原因や状況で発症しやすくなります。
主な原因は精神的なものと身体的なものに分けられますが、多くの場合、複数の要因が組み合わさって発生します。

主な原因(精神的・身体的)

過呼吸の最も一般的な原因は、精神的な要因です。

  • 精神的な原因
    • 強いストレスや不安:人間関係の悩み、仕事や学業のプレッシャー、将来への不安、大きな変化(引っ越し、転職など)などが引き金となることがあります。
    • パニックや恐怖:予期せぬ出来事への恐怖、閉所恐怖症、高所恐怖症などの特定の恐怖症、またはパニック障害の症状として現れることもあります。
    • 怒りや興奮:感情的な高ぶりも過呼吸を引き起こす可能性があります。
    • 精神的な緊張:人前での発表、試験、面接など、極度の緊張状態。

精神的な要因に加えて、以下のような身体的な要因や状況も過呼吸を誘発することがあります。

  • 身体的な原因
    • 疲労や睡眠不足:体の疲れや睡眠不足は精神的な不安定さにもつながり、過呼吸のリスクを高めます。
    • 激しい運動:過度の運動による呼吸の乱れや疲労。
    • 風邪や気管支炎:呼吸器系の炎症による一時的な呼吸の変化。
    • 痛み:強い痛みが精神的な不安を伴って過換気を引き起こすことがあります。
    • 環境の変化:人混み、暑い場所、閉鎖された空間なども誘因となり得ます。

これらの要因が単独で、あるいは組み合わさることで、過呼吸の発作が起こりやすくなります。

過呼吸になりやすい人の特徴

過呼吸を起こしやすい人には、いくつかの傾向が見られます。
これらの特徴は、その人の性格やストレスへの反応パターンに関連しています。

  • 真面目で几帳面な性格:責任感が強く、完璧を目指すあまり自分を追い詰めてしまうことがあります。
  • 心配性で不安を感じやすい:些細なことでも深く考え込み、取り越し苦労をしてしまう傾向があります。
  • 感情を内に溜め込みやすい:自分の感情を表現するのが苦手で、ストレスや不満を抑え込んでしまうタイプです。
  • 感受性が高い:外部の刺激や他人の感情に影響されやすく、心身が疲れやすいことがあります。
  • ストレスへの耐性が低い:ストレスを感じた時に、うまく対処したり発散したりすることが苦手な場合があります。
  • 過去に過呼吸の経験がある:一度過呼吸を経験すると、「またなるかもしれない」という不安から、同様の状況で再び発作を起こしやすくなることがあります(予期不安)。
  • パニック障害や不安障害がある:これらの精神疾患を持つ人は、症状の一部として過呼吸を経験しやすいです。

これらの特徴を持つ人が、強いストレスや不安を感じる状況に置かれたときに、過呼吸の発作を起こすリスクが高まると考えられます。
ただし、これらの特徴がない人でも、極度のストレスや特定の身体的要因によって過呼吸になる可能性は十分にあります。

泣くと過呼吸になる原因

感情が高ぶって激しく泣いたときに、過呼吸になることがあります。
これは、泣くという行為に伴う呼吸の変化と、感情的なストレスが複合的に影響するためです。

激しく泣くと、無意識のうちに呼吸が乱れ、速く浅くなりがちです。
また、泣くことは感情的な高まりやストレスを伴います。
このような呼吸の乱れと感情的な興奮が組み合わさることで、前述した過換気のメカニズムが働き、血液中の二酸化炭素濃度が低下して過呼吸の症状が現れます。

特に、感情をうまく表現できない人が我慢して泣いたり、一気に感情が爆発して泣き崩れたりするような場合に起こりやすいとされています。
これは、溜め込んでいた感情エネルギーが一気に解放される際に、心身のバランスが崩れるためと考えられます。
泣いて過呼吸になった場合は、落ち着いてゆっくり呼吸を整えることが重要です。

過呼吸の発作が起きた時の対処法(自分でできること)

過呼吸の発作が起きた時、最も重要なのは「落ち着くこと」と「呼吸をゆっくり整えること」です。
パニックにならず、冷静に対処するための具体的な方法を説明します。

落ち着いてゆっくり呼吸をする

過呼吸の発作中は、息を吸おうと焦ってしまいますが、実際には息を吸いすぎて二酸化炭素が不足している状態です。
そのため、意識的に呼吸をゆっくり、特に息を吐くことに集中するのが効果的です。

具体的な呼吸法のステップ

  1. 安全な場所に移動し、楽な姿勢をとる:可能であれば、人混みから離れ、座るか横になりましょう。
    締め付けの強い衣類(ネクタイや襟元、ベルトなど)があれば緩めます。
  2. ゆっくりと息を吐くことに集中する:吸うことよりも、長く、ゆっくりと息を吐き出すことを意識します。「細く長く」吐き出すイメージです。
  3. 呼吸のペースを意識する:秒数を数えながら呼吸するとペースを掴みやすくなります。
    例えば、「4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて口からゆっくりと吐き出す」といったように、吐く時間を吸う時間の2倍くらいにするのが理想的です。
  4. 呼吸の間に短いポーズを入れる:息を吸い終わった後、そして吐き終わった後に、それぞれ1〜2秒ほど息を止めるのも効果的です。
    これにより、過剰な換気を抑え、二酸化炭素を体内に留める時間を確保できます。
  5. 呼吸のリズムを意識する:慌てず、一定のリズムで呼吸を繰り返します。
    最初は難しくても、意識を呼吸に集中することで、徐々に落ち着きを取り戻せます。

重要なポイント

  • 無理に深く息を吸おうとしない:過呼吸では「息が吸えない」と感じますが、実際には酸素は足りています。
    無理に吸おうとすると、さらに過換気を悪化させてしまいます。
    「息を吐くこと」を最優先しましょう。
  • 呼吸に意識を向ける:パニックになっているときは、体の不調や不安な感情に意識が向きがちです。
    意識を呼吸のリズムや、空気が鼻や口を出入りする感覚に集中させることで、他のことへの注意が逸れ、落ち着きやすくなります。

息を吐くことを意識する呼吸法

なぜ息を吐くことを意識するのが重要なのでしょうか。
過呼吸は、必要以上に多くの二酸化炭素を体外に排出してしまうことで起こります。
息を吸うことばかりに集中すると、さらに二酸化炭素を排出してしまい、症状が悪化します。

息を吐くことを意識する具体的な方法

  • 口をすぼめて(口笛を吹くように)ゆっくりと息を吐き出す:こうすることで、肺から出る空気の流れが緩やかになり、無理なく長く息を吐くことができます。
  • お腹をへこませながら息を吐く:腹式呼吸を意識すると、より効果的に肺の中の空気を出し切ることができます。
  • 「はーーっ」とため息をつくように吐き出す:声に出さなくても構いません。
    力が抜けてリラックス効果も期待できます。

1回の呼吸に時間をかける練習

発作中は呼吸が速くなっています。
意識的に1回の呼吸に時間をかけることで、換気量を減らし、血中二酸化炭素濃度を徐々に正常に戻すことができます。

具体的な練習方法

  • タイマーや時計を見る:発作が起きていない平時でも、普段から「4秒吸って、8秒吐く」といった呼吸の練習をしておくと、いざという時に実践しやすくなります。
  • 数回行うごとに効果を意識する:数回ゆっくり呼吸するごとに、息苦しさやめまい、しびれが少しずつ和らいでいくのを意識すると、安心感につながり、さらに呼吸を落ち着かせやすくなります。

これらの呼吸法を試しても症状が改善しない場合や、別の原因が疑われる場合は、後述する病院受診を検討してください。

ペーパーバッグ法はなぜ非推奨?

かつて、過呼吸の応急処置として、紙袋などを口元に当てて呼吸する「ペーパーバッグ法」が広く行われていました。
これは、吐き出した二酸化炭素を再び吸い込むことで、血中の二酸化炭素濃度を上げることを目的とした方法です。

しかし、現在の医療現場では、ペーパーバッグ法は推奨されていません
その理由は、いくつかの危険性が指摘されているためです。

  • 酸素不足のリスク:紙袋を密着させて呼吸を繰り返すと、袋の中の酸素濃度が低下し、酸素不足(低酸素症)を引き起こす危険性があります。
    特に、心臓や呼吸器に疾患がある人や、発作の原因が過呼吸ではない場合(例:喘息発作など)には、命に関わる状態になる可能性もあります。
  • 二酸化炭素過多のリスク:過呼吸の発作が治まった後も袋を当て続けていると、今度は必要以上に二酸化炭素濃度が高くなりすぎるリスクがあります。
  • 他の重篤な病気の見逃し:過呼吸だと思ってペーパーバッグ法を行っている間に、胸痛や息苦しさが心筋梗塞や肺塞栓症といった別の重篤な病気によるものだった場合、適切な処置が遅れてしまう可能性があります。

これらの理由から、ペーパーバッグ法は行わず、「落ち着いてゆっくり呼吸をすること」に集中する対処法が現在の主流となっています。
周囲の人がサポートする場合も、紙袋を渡すのではなく、声かけや呼吸ペースの誘導などを行うようにしましょう。

発作中の体の症状への対処

過呼吸の発作中に現れる体の症状(手足のしびれや硬直、動悸、めまいなど)は、不快ではありますが、通常は一時的なものであり、体に深刻なダメージを与えるものではありません。
これらの症状が出ている時、どのように対処すれば良いでしょうか。

  • 症状は一時的なものだと理解する:これらの症状は、呼吸の乱れによる生理的な反応の結果であることを思い出しましょう。「命に関わることではない」「呼吸が落ち着けば症状も和らぐ」と自分に言い聞かせることが、不安軽減につながります。
  • 楽な姿勢をとる:めまいや立ちくらみを感じる場合は、転倒しないように座るか横になりましょう。
    手足のしびれや硬直が強い場合は、無理に動かそうとせず、楽な位置で安静にします。
  • 体を締め付けるものを緩める:首元やウエスト周りの締め付けを緩めることで、呼吸が少し楽になることがあります。
  • 深呼吸はしない、息を吐くことに集中:繰り返しになりますが、症状を早く抑えようと深呼吸をするのは逆効果です。
    あくまでゆっくり息を吐くことに集中します。

これらの症状は、発作が治まるにつれて自然に消えていきます。
症状そのものに過剰に注目せず、呼吸を整えることに意識を集中することが、症状の緩和につながります。

過呼吸になりそうな感覚への対処

過呼吸の発作は、突然起こることもありますが、「なんとなく息苦しい」「胸がザワザワする」「落ち着かない」といった予兆を感じることもあります。
このような「なりそうな感覚」の段階で対処することができれば、本格的な発作を防ぐことができます。

  • 早期に気づく:自分がどのような状況や心の状態で過呼吸になりやすいかを知っておくことが重要です。
    予兆を感じたら、「これは過呼吸の始まりかもしれない」と早期に気づけるようにしましょう。
  • 場所を移動する:人混みや閉鎖された空間など、誘因となりそうな場所から離れ、静かで落ち着ける場所に移動します。
  • 座るか、横になる:リラックスできる体勢になりましょう。
  • ゆっくりとした呼吸を意識する:まだ症状が軽いうちから、前述した「ゆっくり息を吐く」呼吸法を始めます。
    発作が本格化する前に呼吸をコントロールすることが目標です。
  • 意識をそらす:不安な気持ちや体の不調に意識を集中させすぎず、外の景色を見たり、音楽を聴いたり、簡単な計算をしたりと、意識を他のことに向けようと試みます。
  • 安心できるものを持つ、考える:お守りや大切な人の写真など、安心できるものを手に持ったり、楽しかった思い出や好きな場所を頭の中で思い描いたりするのも効果的です。
  • 信頼できる人に連絡する:もし可能であれば、家族や友人など、話を聞いてくれる信頼できる人に連絡するだけでも、気持ちが楽になることがあります。

予兆の段階でこれらの対処を試みることで、パニックになるのを防ぎ、発作の重症化や長期化を防ぐことにつながります。

周囲の人が過呼吸の人にできる対処

過呼吸の発作を目撃した時、そばにいる人はどのようにサポートすれば良いでしょうか。
適切な対応は、発作を起こしている本人の不安を和らげ、症状の早期回復を助けます。
逆に、不適切な対応はパニックを悪化させる可能性があります。

冷静に声をかけ安心させる(抱きしめるなど)

発作を起こしている本人は、強い不安と恐怖を感じています。
周囲の人が慌てふためくと、本人のパニックはさらに悪化してしまいます。
まずは、あなた自身が冷静に対応することが最も重要です。

具体的な声かけの例

  • 「大丈夫だよ。ゆっくり息を吐いてごらん。」
  • 「私はここにいるよ。一人じゃないよ。」
  • 「焦らなくて大丈夫。呼吸は自然に落ち着いてくるから。」
  • 「あなたのペースでゆっくりね。」
  • 「(背中をゆっくりさすりながら)一緒にゆっくり息をしよう。」

ポイント

  • 断定的な言葉で安心させる:「心配ない」「すぐに治まるよ」など、安心感を与える言葉を選びます。
  • 否定的な言葉を使わない:「しっかりしろ」「そんなに慌てないで」といった言葉は、本人を責めているように聞こえ、逆効果になる可能性があります。
  • 優しく、落ち着いたトーンで話す:早口になったり、大きな声を出したりせず、穏やかな声で話しかけましょう。
  • 問い詰めない:「どうしたの?」「何かあったの?」と原因を詮索するのは、発作中には適切ではありません。
  • 過度な刺激を与えない:不必要に体を揺すったり、大声で叫んだりするのは避けましょう。

身体的な接触について(抱きしめるなど)

抱きしめることや、背中をさするなど、体に触れる行為は、相手に安心感を与える効果がある一方で、触られることを嫌がる人もいます。
相手との関係性や、相手の様子を見ながら判断しましょう。
もし相手が家族や親しい友人であれば、優しく背中をさすったり、肩に手を置いたりすることで、そばにいる安心感を伝えることができます。
ただし、相手が知らない人であったり、触られることでかえって緊張したりする場合は、無理に触れるのは避け、言葉によるサポートに徹しましょう。
最も大切なのは、本人が安心できるような存在としてそばにいることです。

ゆっくりとした呼吸を促す

本人に呼吸をゆっくりにするように促すのも効果的です。
言葉で伝えるだけでなく、一緒に呼吸をすることでペースを示すこともできます。

具体的な促し方

  • 「私と一緒にゆっくり息をしてみようか。」と言って、あなた自身がゆっくりと呼吸をしてみせる。
  • 「息を吐くことを意識してみて。」「長く、細く、はーっと吐いてごらん。」と具体的に指示する。
  • 指や手を使って、ゆっくりと息を吸う時間と吐く時間を示す(例:指を立てながら「吸って、1、2、3、4」、指を倒しながら「吐いて、1、2、3、4、5、6、7、8」)。
  • 「吐く」「吸う」と、リズムに合わせて声をかける。

ポイント

  • 無理強いしない:本人が呼吸をコントロールできないことにさらに焦りを感じることもあるため、無理強いは禁物です。「できなくても大丈夫だよ」「少しずつでいいからね」といった言葉を添えましょう。
  • 息を吸わせようとしない:前述の通り、息を吸いすぎている状態なので、「吸って!」と促すのは逆効果です。「吐いて」「ゆっくり吐いて」と伝えるのが重要です。

その場を落ち着いた環境にする

発作が起きている場所の環境を整えることも、本人の安心につながります。

  • 人混みから離れる:可能であれば、周囲に人が少ない静かな場所に移動します。
  • 座らせる、横にならせる:本人が楽な姿勢になれるようにサポートします。
    めまいなどがある場合は、横になるのが最も安全です。
  • 締め付けを緩める:本人の許可を得て、襟元やベルトなど、呼吸を妨げそうな衣服の締め付けを緩めます。
  • 換気をする:もし室内にいるなら、窓を開けるなどして新鮮な空気を取り入れます。
  • 刺激になるものを取り除く:まぶしい光、騒音、強い匂いなど、本人の不快感を増す可能性のある刺激を取り除きます。
  • そばを離れない:発作中の本人は非常に心細く感じています。
    落ち着くまで、そばにいて見守ることが大切です。

これらのサポートは、本人に「一人ではない」「助けてくれる人がいる」という安心感を与え、パニックを和らげる上で非常に有効です。

過呼吸の発作時間と病院受診の目安

過呼吸の発作は、どれくらいの時間続くのでしょうか。
また、どのような場合に病院を受診すべきか、救急車を呼ぶべきかについても解説します。

過呼吸はどれくらい続く?

過呼吸の発作時間は、個人差がありますが、通常は数分から長くても数十分で自然に治まることがほとんどです
適切に対処(ゆっくり呼吸するなど)ができれば、より早く落ち着く傾向があります。

発作の最中は非常に長く辛く感じるかもしれませんが、体の仕組み上、血中二酸化炭素濃度が極端に低下した状態が長時間続くことは少なく、徐々に呼吸が落ち着き、それに伴って症状も和らいでいきます。

ただし、原因となっている不安やストレスが解消されない限り、再び発作を起こす可能性はあります。
また、パニック障害などが原因の場合、繰り返すことも少なくありません。

病院に行くべき症状・救急車を呼ぶ基準

過呼吸の症状は、多くの場合、過換気による一過性のものですが、まれに他の重篤な病気の症状と似ていることがあります。
特に以下の場合は、過呼吸以外の原因を考慮し、医療機関を受診することが強く推奨されます。

すぐに病院(救急車)を呼ぶべきケース

  • 意識が朦朧としている、または意識を失った:過呼吸で軽度の意識障害が起こることはありますが、完全に意識を失ったり、呼びかけへの反応が鈍かったりする場合は、脳の病気や他の原因が考えられます。
  • 胸の痛みが強い、または締め付けられるような痛みが続く:心筋梗塞や狭心症など、心臓の病気の可能性があります。
  • 手足の麻痺や脱力感がある:脳卒中など、脳の病気の可能性があります。
  • 呼吸が全くできなくなる、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)がある:喘息発作やアナフィラキシーなど、呼吸器系の緊急性の高い病気が考えられます。
  • 唇や顔色が青紫になっている(チアノーゼ):体内の酸素が不足しているサインです。
  • これまで経験したことのない症状がある、または症状が非常に重い:初めての経験で不安が強い場合や、普段の過呼吸とは明らかに違う症状がある場合。
  • 発作が長時間(数十分以上)続き、落ち着く気配がない
  • 原因が不明確で、他の病気の可能性を否定できない場合

これらの症状がある場合は、迷わず救急車を呼びましょう。

救急車を呼ぶほどではないが、病院で診察を受けるべきケース

  • 過呼吸の発作が初めて起きた:他の病気ではないことを確認するためにも、一度医療機関で診察を受けることをお勧めします。
  • 過呼吸の発作を繰り返す:繰り返す場合は、パニック障害や他の不安障害、または潜在的な身体疾患が原因である可能性があります。
    根本的な原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
  • 発作が起きた後も、強い不安感や体の不調が続く
  • 過呼吸を起こすことへの強い恐怖(予期不安)があり、日常生活に支障が出ている

これらの場合は、緊急性は低いものの、医療機関を受診して医師に相談することをお勧めします。

過呼吸と似た他の病気

過呼吸の症状は、他の様々な病気の症状と似ていることがあります。
特に、初めて発作を経験した場合は、過呼吸であると自己判断せず、医師の診察を受けて他の病気ではないことを確認することが重要です。

過呼吸と間違えやすい、または症状が似ている主な病気には以下のようなものがあります。

病気の種類 過呼吸との共通点(症状) 過呼吸との主な違い 重要なポイント
パニック障害 息苦しさ、動悸、めまい、手足のしびれ、強い不安感、死の恐怖 パニック発作は過呼吸と非常によく似ており、過換気を伴うことが多い。パニック障害は、予期しないパニック発作が繰り返し起こり、また発作が起こるのではないかという強い不安(予期不安)や、発作を避けるための行動(広場恐怖など)を伴う。 パニック障害の診断には、発作のパターンやその後の不安、回避行動なども考慮される。過呼吸を繰り返す場合、パニック障害の可能性を検討する必要がある。
喘息 息苦しさ 喘息では、主に息を「吐く」ことが難しくなり、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴を伴うことが多い。過呼吸は息を「吸う」ことに焦点を当てがちだが、実際には二酸化炭素過剰排出が問題。 気管支の炎症や収縮が原因。適切な治療が必要。
狭心症・心筋梗塞 胸痛、息苦しさ、動悸 狭心症や心筋梗塞の胸痛は、締め付けられるような痛みや圧迫感として現れることが多い。運動時や労作時に起こりやすく、安静にすると改善することがある(狭心症)。心筋梗塞は強い痛みが持続する。 過呼吸による胸痛は、呼吸の乱れに伴う筋肉の緊張などによることが多い。 心臓の血管の病気であり、緊急性の高い状態。特に高齢者や基礎疾患のある人は注意が必要。
不整脈 動悸、息切れ、めまい 心臓の拍動リズムが乱れることが直接の原因。過呼吸も動悸を伴うが、呼吸の乱れが先行し、その結果として動悸が起こる場合が多い。 様々な種類があり、原因や重症度も異なる。心電図などで診断される。
肺塞栓症 息切れ、胸痛、動悸、咳 肺の血管が血栓などで詰まる病気。突然の強い息切れや胸痛を伴うことが多く、非常に緊急性の高い状態。過呼吸と症状が似ていても、原因や重症度が全く異なる。 足のむくみや痛みを伴うこともある。疑われる場合はすぐに救急車を呼ぶ必要がある。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) 動悸、息苦しさ、手の震え、発汗、不安感 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に高まる病気。これらの症状が慢性的に続くことが多い。 血液検査で診断される。適切な治療で症状は改善する。
低血糖 手の震え、動悸、冷や汗、不安感、めまい、意識障害 血糖値が異常に低下することで起こる。糖尿病の治療中の人や、食事を長時間とっていない場合などに起こりやすい。 ブドウ糖を摂取することで急速に改善する。

これらの病気は、過呼吸と似た症状を示すことがありますが、それぞれ原因や治療法が全く異なります。
特に、初めての過呼吸様症状や、上記の「病院に行くべき症状」に当てはまる場合は、自己判断せず、必ず医師の診察を受けて鑑別診断を行うことが重要です。

過呼吸は何科を受診する?

過呼吸の発作を経験し、病院で診察を受けたいと思った場合、何科を受診すれば良いでしょうか。
受診する科は、症状の状況や繰り返しの有無によって異なります。

  • 初めて過呼吸の発作が起きた場合
    • まずは内科を受診するのが一般的です。
      内科では、問診や身体診察、必要に応じて血液検査や心電図、レントゲン検査などを行い、過呼吸以外の身体的な病気が原因ではないかを確認します。
      他の緊急性の高い病気ではないことが確認できれば、過呼吸に対する応急処置や今後の対処法についてアドバイスがもらえます。
  • 過呼吸の発作を繰り返す、または精神的な原因が強く疑われる場合
    • 精神科心療内科を受診するのが適切です。
      これらの科では、過呼吸の原因となっている可能性のある不安障害(パニック障害など)、ストレス、うつ病などの精神的な問題を詳しく診断し、薬物療法や精神療法(カウンセリングなど)による根本的な治療を行います。
  • 特定の身体的な疾患が原因として疑われる場合
    • 例えば、心臓の症状が強い場合は循環器内科、呼吸器の症状が強い場合は呼吸器内科など、疑われる疾患に関連する専門科を受診することも考えられます。
      ただし、まずは内科で全身を診てもらい、必要に応じて専門科を紹介してもらうのがスムーズな場合が多いです。

迷う場合は、かかりつけ医や近くの内科を受診し、そこで相談してみましょう。
症状やこれまでの経過を詳しく伝えることが、適切な診断と治療につながります。

過呼吸の根本的な対応と予防

過呼吸の発作は、発作が起きた時の対処法を知っておくことも重要ですが、発作を起こさないようにするための根本的な対応や予防策に取り組むことも非常に大切です。
特に、繰り返す場合は、その背景にある原因にアプローチする必要があります。

病院での治療法(薬物療法・精神療法)

過呼吸を繰り返す場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関での治療が有効です。
治療法は、原因や症状の程度によって異なりますが、主に薬物療法と精神療法があります。

薬物療法

  • 抗不安薬:過呼吸の発作が起きた時や、強い不安を感じる時に頓服薬として服用することで、不安を和らげ、発作を抑える効果が期待できます。
    即効性があるものが多いですが、眠気やふらつきなどの副作用や依存性のリスクがあるため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
  • 抗うつ薬(SSRIなど):パニック障害や全般性不安障害など、不安障害が原因で過呼吸を繰り返している場合に、これらの精神疾患の治療薬として処方されることがあります。
    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などは、不安や気分の落ち込みを改善し、パニック発作や過呼吸の発症頻度を減らす効果が期待できます。
    効果が出るまでに時間がかかる(通常数週間)ことがあり、継続的な服用が必要です。
  • β遮断薬:動悸や手の震えといった身体的な症状を抑えるために使用されることもあります。

精神療法

  • 認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioral Therapy):過呼吸やそれに伴う不安、恐怖に関する考え方(認知)や行動パターンに働きかけ、修正していく治療法です。「過呼吸で死ぬのではないか」「体のこの症状は危険だ」といった非合理的な思考を特定し、より現実的で建設的な考え方に変えていく練習をします。
    また、軽い過呼吸の症状を意図的に作り出し、それが危険ではないことを体験することで、症状への恐怖心を克服する曝露療法(エクスポージャー)なども行われることがあります。
    過呼吸の根本的な原因である不安にアプローチし、対処スキルを身につける上で非常に効果的な治療法とされています。
  • 自律訓練法:リラクゼーションを目的とした訓練法です。「手足が重い」「手足が温かい」といった暗示を自分にかけ、体の緊張をほぐし、心身をリラックスさせることで、ストレスや不安を軽減します。

これらの治療法は、単独で行われることもありますが、多くの場合、患者さんの状態に合わせて組み合わせて行われます。
医師や心理士と協力しながら、自分に合った治療計画を進めることが重要です。

日常で取り組める予防策

過呼吸の発作を防ぐためには、日常生活の中でストレスを管理し、心身の状態を整えることが大切です。
すぐに実践できる予防策をいくつか紹介します。

  • ストレス管理
    • ストレスの原因を特定し、可能であれば避けるか、対処方法を考える:何が自分にとってストレスになっているかを把握し、それを避ける工夫をしたり、受け止め方を変えたり、具体的な解決策を考えたりします。
    • リラクゼーションを取り入れる:趣味や好きなことに時間を使う、音楽を聴く、入浴する、アロマテラピー、マッサージなど、自分がリラックスできる方法を見つけて、日常的に実践します。
    • マインドフルネスや瞑想:現在の瞬間に意識を集中し、雑念を払い心のざわつきを鎮める練習をします。
      不安な気持ちに気づきつつも、それに囚われすぎないスキルを養うことができます。
    • 腹式呼吸の練習:普段からゆっくりと深い腹式呼吸を練習しておくと、リラックス効果が得られるだけでなく、過呼吸になりそうな時にも呼吸をコントロールしやすくなります。
  • 規則正しい生活
    • 十分な睡眠をとる:睡眠不足は心身のバランスを崩し、ストレス耐性を低下させます。
      毎日同じ時間に寝起きするなど、質の良い睡眠を確保しましょう。
    • バランスの取れた食事:栄養バランスの偏りは体調不良につながります。
      規則正しく、健康的な食事を心がけましょう。
    • 適度な運動:ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、体を動かすことはストレス解消になり、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。
      ただし、過度な運動は逆に負担になることもあるため、無理のない範囲で行いましょう。
  • 不安の軽減
    • 過呼吸に関する正しい知識を持つ:過呼吸のメカニズムや症状は一時的なものであることを理解することで、「死ぬかもしれない」といった過剰な恐怖心を和らげることができます。
    • 予期不安への対処:「また発作が起きたらどうしよう」という不安が強い場合は、不安を感じる場所や状況に少しずつ慣れていく練習(曝露療法)も有効です。
      専門家(精神科医や心理士)の指導のもとで行うのが安全です。
    • 自分の感情を表現する:信頼できる家族や友人、パートナーなどに自分の気持ちや悩みを話してみましょう。
      人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。

これらの予防策は、過呼吸だけでなく、様々な心身の不調を予防するためにも有効です。
すぐに全てを取り入れるのが難しければ、できることから少しずつ始めてみましょう。

過呼吸に関するよくある疑問

過呼吸について、多くの方が抱く疑問にお答えします。

過呼吸は癖になる?

過呼吸は、一度経験すると「癖になる」と感じる人がいますが、医学的に「癖になる」というよりは、同じような状況や精神状態に置かれたときに、再び発作を起こしやすくなるという性質があります。

これは、過呼吸を経験したことによる予期不安(「また発作が起きたらどうしよう」という不安)が大きく影響しています。
発作の苦痛や恐怖が強かった場合、似たような状況(例:人混み、ストレスフルな状況)になると、「ここでまた過呼吸になるのではないか」という不安が強まり、それが引き金となって実際に過換気が起こりやすくなる、という悪循環が生じやすいのです。

また、過呼吸の根本的な原因(ストレス耐性の低さ、特定の不安障害など)が解決されていない場合、原因となる状況に再び遭遇すれば、当然発作のリスクは高まります。

したがって、「癖になる」というよりは、「特定の条件下で繰り返しやすい」と理解するのが適切です。
繰り返さないようにするためには、発作時の対処法を身につけることに加え、根本的な原因である不安やストレスに対処し、予期不安を軽減するための取り組み(治療や予防策)が重要になります。

過呼吸で死亡することはある?

過呼吸(過換気症候群)自体が直接の原因となって死亡することは、極めて稀です

過呼吸の発作中に感じる「息ができない」「死ぬのではないか」という強い恐怖は、血中の二酸化炭素濃度低下による体の変化によるものですが、実際に呼吸が停止したり、体に深刻なダメージが残ったりすることは通常ありません。
一時的な低酸素状態になるペーパーバッグ法のような不適切な対処を行った場合のリスクは別として、適切な対処(ゆっくり呼吸する)を行えば、発作は自然に治まります。

ただし、注意が必要なのは、過呼吸だと思っていた症状が、実際には心筋梗塞や脳卒中、肺塞栓症など、命に関わる別の重篤な病気によるものだった場合です。
これらの病気は、過呼吸と似た息苦しさや胸の痛み、手足のしびれといった症状を伴うことがあるため、自己判断は危険です。

特に、初めて過呼吸のような症状が出た場合や、前述の「病院に行くべき症状・救急車を呼ぶ基準」に当てはまる症状(強い胸痛、意識障害、麻痺など)がある場合は、「これは過呼吸だから大丈夫」と自己判断せず、必ず医療機関を受診し、他の病気ではないことを確認することが非常に重要です。

過呼吸自体は命に関わる病気ではありませんが、その背後に別の病気が隠れていないか、また繰り返すことで日常生活に大きな支障が出ていないかを確認するためにも、不安な場合は医療機関に相談しましょう。

【まとめ】過呼吸への正しい対処法と予防策

過呼吸は、突然の発作によって強い不安と体の不調をもたらしますが、その多くは精神的な要因やストレスが引き金となる一過性の症状です。
過呼吸自体で命を落とすことは極めて稀であり、適切な対処法を知っていれば、発作が起きても落ち着いて対応することができます。

過呼吸が起きた時の自分でできる応急処置の最重要ポイントは、「落ち着いて、ゆっくり息を吐くこと」です。
息を吸うことではなく、吐く時間を長くする意識的な呼吸法を実践しましょう。
ペーパーバッグ法は酸素不足のリスクがあるため、現在では推奨されていません。
手足のしびれなどの身体症状は一時的なものであり、呼吸が落ち着けば自然に和らぐことを理解しておきましょう。

周囲の人ができるサポートとしては、本人のそばにいて冷静に「大丈夫だよ」「ゆっくり息を吐いてごらん」と声をかけ、安心させることが最も大切です。
一緒にゆっくり呼吸してみせるなど、具体的な呼吸ペースを示すのも有効です。
人混みから離れるなど、落ち着いた環境を整えることも助けになります。

病院受診の目安としては、初めて過呼吸のような症状が出た場合や、強い胸痛、意識障害、手足の麻痺など、他の重篤な病気が疑われる症状がある場合は、迷わず救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。
繰り返す場合や、強い不安によって日常生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科で相談し、薬物療法や精神療法を含む根本的な治療を検討することが、発作の予防につながります。

過呼吸を繰り返さないためには、日頃からストレス管理を心がけ、リラクゼーションや規則正しい生活を取り入れることも重要です。
過呼吸に関する正しい知識を身につけ、「これは危険な状態ではない」と理解することが、発作時の不安を軽減し、冷静な対処につながります。

もし過呼吸の症状や繰り返しのことでお悩みであれば、一人で抱え込まず、医療機関に相談してみましょう。
適切な診断とサポートを受けることで、過呼吸と上手に付き合っていくことができるようになります。

【免責事項】
本記事は過呼吸に関する一般的な情報提供を目的としており、医療的なアドバイスや診断に代わるものではありません。
個々の症状や状況に関しては、必ず医療機関で専門家の診断を受けてください。
本記事の情報に基づいて行われたいかなる行為に関しても、当社は責任を負いかねます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次