デパス(成分名:エチゾラム)は、不安や緊張を和らげたり、眠りを促したりするために処方されることの多いお薬です。速効性があり、比較的少量でも効果を感じやすいため、多くの患者さんに利用されています。しかし、その効果の裏側には、長期間使用することによる「依存症」のリスクが潜んでいます。
デパス依存症は、ご自身の意思だけではコントロールが難しくなる深刻な問題です。もしあなたが「デパスが手放せない」「減らそうとすると体調が悪くなる」といった悩みをお持ちなら、それは依存症のサインかもしれません。この記事では、デパス依存症のメカニズム、具体的な症状、そして最も重要な「安全な克服方法」について、精神科医の知見を交えながら詳しく解説します。デパスからの卒業を目指す方、依存が不安な方は、ぜひ最後までお読みください。
デパス(エチゾラム)は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬という種類の薬剤に分類されます。脳内のGABAという神経伝達物質の働きを強めることで、不安を抑えたり、筋肉の緊張を和らげたり、眠気を誘発したりといった作用を発揮します。このGABA神経系は、脳の活動を抑制するブレーキのような役割を担っています。
デパスを服用すると、このブレーキ作用が強まり、脳の興奮が鎮静化されます。一時的な不安や不眠に対しては非常に有効ですが、繰り返し使用することで、脳が薬剤によるGABA作用の増強があることが当たり前だと認識するようになり、薬剤なしでは正常なバランスを保てなくなってしまいます。これが依存性のメカニズムです。
デパス(エチゾラム)に依存性はあるのか
結論から言うと、デパス(エチゾラム)には依存性があります。 特に、比較的短時間で効果が現れ、効果の持続時間も中程度であるという特性から、頓服薬として頻繁に使用したり、毎日継続して服用したりすることで、依存が形成されやすいとされています。
デパスの依存性は、精神的依存と身体的依存の二つの側面を持ちます。
- 精神的依存: 「薬がないと不安だ」「薬がないと眠れない」といったように、精神的に薬剤に頼ってしまう状態です。効果を実感すると「またすぐにでも使いたい」という衝動に駆られやすくなります。
- 身体的依存: 薬剤が体内にあることが前提となり、薬を減らしたり中止したりすると、脳や身体がその変化に対応できずに不調をきたす状態です。これが「離脱症状」として現れます。
「乱用等のおそれのある医薬品」への指定
デパス(エチゾラム)は、その依存性や乱用リスクが認識されているため、厚生労働省によって「乱用等のおそれのある医薬品」に指定されています。 これは、医師が必要と判断した場合に限り、適切な量を処方し、長期にわたる漫然とした処方を避けるべきであることを示すものです。
この指定により、医療機関ではデパスの処方期間に上限が設けられるなどの制限が行われる場合があります。これは、患者さんが依存症に陥るリスクを減らし、安全に薬を使用してもらうための重要な措置と言えます。
\当日のオンライン診察も/![]() |
\通院対応するなら/![]() |
|
---|---|---|
クリニック | オンライン心療内科『メンクリ』-即日休職診断書対応 | 品川メンタル クリニック |
初診料 | 3,850円〜 | 無料 |
診断書 | ◎ 当日発行OK |
◎ 発行可能 |
薬代(1ヶ月) | 1,100円~ | 薬に頼らない治療 |
診療時間 | 10:00~24:00 | 10:00-19:00 |
お薬お届け | 翌日以降 | ー |
おすすめ ポイント |
初診から診断書を発行可能 完全オンライン |
品川駅徒歩1分 様々な診察対応可能 |
公式 | オンライン心療内科メンクリの公式サイトへ | サイトから予約する |
\即日のご相談ならオンライン診療で/![]() |
---|
|
\対面診察するなら/![]() |
---|
|
デパス依存症で起こる症状
デパス依存症になると、薬剤を継続して使用すること自体に問題が生じるだけでなく、薬を減らしたりやめたりしようとした際に様々な不快な症状が現れます。これが依存症の辛さの大きな要因となります。
精神的依存の症状
精神的依存は、薬が手元にないと強い不安を感じたり、「薬さえ飲めば大丈夫だ」という考えにとらわれたりする状態です。具体的な症状としては以下のようなものがあります。
- 薬がないことへの強い不安や恐怖: 薬が切れるのが怖い、予期不安が強まる。
- 思考の偏り: 「薬がないと何もできない」「薬が私を救ってくれる」といった考えにとらわれる。
- 薬の確保への固執: 常に薬の残量を気にする、医師に必要以上の量を求めようとする、複数の医療機関を受診して薬を集めようとする(ドクターショッピング)。
- 気分の不安定さ: 薬の効果が切れてくると、イライラしたり、落ち込んだりする。
- 集中力や判断力の低下: 薬の効果が切れることへの不安で、他のことに集中できなくなる。
身体的依存(離脱症状)の症状
身体的依存によって引き起こされるのが離脱症状です。デパスの服用量や期間、個人の体質によって症状の種類や程度は異なりますが、非常に辛いものとなることがあります。薬を減らしたり、飲むタイミングが遅れたりしただけでも症状が現れることがあります。
離脱症状の具体的な例(不安、不眠、震え、頭痛など)
デパスの離脱症状は多岐にわたり、身体的なものと精神的なものがあります。
- 精神的な離脱症状:
- 強い不安感、焦燥感: デパスを飲み始める前よりも強い不安を感じることが多い。
- 不眠、悪夢: 寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚める、怖い夢を見る。
- イライラ、攻撃性: 些細なことで怒りやすくなる、感情のコントロールが難しくなる。
- 抑うつ気分: 気分が落ち込み、何もする気が起きなくなる。
- 集中力・記憶力の低下: 物事に集中できない、忘れっぽくなる。
- 感覚過敏: 光や音、匂いなどに過敏になる。
- 現実感の喪失、離人感: 自分が自分ではないような感覚、周囲が現実ではないように感じる。
- 幻覚、妄想: 実際にはないものが見えたり聞こえたりする、現実とは異なる考えにとらわれる(稀)。
- 身体的な離脱症状:
- 発汗: 理由もなく汗をかく、寝汗がひどい。
- 震え、体のぴくつき: 手足や全身が震える、筋肉が勝手にぴくつく。
- 吐き気、嘔吐: 胃腸の不調を感じる。
- 頭痛: 締め付けられるような頭痛や、ズキズキとした頭痛。
- めまい、ふらつき: 立ちくらみや、歩いているときにふらつく。
- 動悸: 心臓がドキドキする、脈が速くなる。
- 筋肉の痛み、こり: 首や肩、背中などの筋肉が痛んだり、硬くなったりする。
- 知覚異常: 手足がピリピリする、皮膚に虫が這っているような感覚。
- 食欲不振: ご飯が食べられなくなる。
- 耳鳴り: キーンという音や、ザーザーという音が聞こえる。
- 痙攣(けいれん): 重症の場合に起こる可能性があり、非常に危険です。
これらの離脱症状は、最後にデパスを服用してから数時間〜数日後に現れ、症状のピークは数日〜数週間後となることが多いです。ただし、症状が完全に消失するまでには数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。
デパス依存症になりやすい使い方・原因
デパスの依存性は、薬剤そのものの特性によるものですが、その使用方法や背景にある状況によって、依存症に陥るリスクは大きく変わってきます。
長期・大量服用によるリスク
デパス依存症の最も大きな原因は、長期にわたる継続的な服用です。特に、数ヶ月以上の服用期間になると、身体的依存が形成されやすくなります。また、処方された量よりも多く飲んでしまったり、効果を感じなくなって自己判断で増量したりする「大量服用」も、依存の形成を加速させ、離脱症状を重くする原因となります。
脳は薬剤による強い作用に慣れてしまい、「耐性」ができてきます。すると、同じ効果を得るためにはより多くの量が必要になり、さらに服用量が増えるという悪循環に陥ります。
自己判断での増量や中断の危険性
医師の指示なく、自己判断でデパスの量を増やしたり、あるいは急に服用を中止したりすることは、非常に危険です。
- 自己判断での増量: 効果が薄れたと感じて勝手に量を増やすことは、依存を進行させる直接的な行為です。
- 自己判断での中断: 離脱症状の出現や悪化を招き、痙攣などの重篤な症状につながる可能性もあります。
あまりの辛さにすぐに再服用してしまい、結局やめられない、というパターンに陥りやすいです。
デパスの減薬・断薬は、必ず医師の指導のもと、計画的に行う必要があります。
寝る前だけの服用でも依存する可能性
「寝る前だけに飲んでいるから大丈夫だろう」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、たとえ寝る前に1日1回だけの服用であっても、毎日続けていると依存性は形成される可能性があります。
特にデパスのような短時間作用型~中間作用型の薬剤は、体から比較的早く抜けるため、毎日服用していると、次の服用時間までに軽い離脱症状(ソワソワ感、不安など)が現れることがあります。これを「離脱」と認識せずに、「やっぱり薬がないと調子が悪い」と感じてしまい、服用を継続してしまうケースが多く見られます。
普通の人が飲むとどうなる?
不安や不眠などの症状がない人がデパスを服用した場合、以下のような影響が出やすいです。
- 強い眠気: 日中の活動に支障が出るほどの眠気に襲われることがあります。
- ふらつき、転倒: 運動機能が抑制され、バランス感覚が鈍り、転倒のリスクが高まります。特に高齢者では危険です。
- 集中力・判断力の低下: 注意散漫になり、思考力が低下します。運転や機械操作などは非常に危険です。
- 脱抑制: 普段よりも気が大きくなり、衝動的な行動を取りやすくなることがあります。
デパスは治療に必要な人に処方されるべき薬であり、安易な気分転換やストレス解消目的での使用は、依存リスクだけでなく、これらの副作用のリスクも伴います。
デパス依存症を克服しやめるには(減薬・断薬)
デパス依存症からの回復は、ご自身の努力だけでなく、医療的なサポートが不可欠です。
適切に治療を進めれば、依存から抜け出し、デパスなしで日常生活を送ることが十分に可能です。
依存症からの回復は可能か
はい、デパス依存症からの回復は可能です。 依存の期間や服用量、個人の体質によって回復までの道のりは異なりますが、諦める必要はありません。
重要なのは、「一人で抱え込まないこと」そして「専門家のサポートを得ること」です。
回復の過程では、離脱症状に苦しむこともありますが、適切な対処法を知り、医師とともに乗り越えることで、デパスに頼らない生活を取り戻すことができます。
安全な減薬・断薬は医師の指導のもとで
デパス依存症からの回復において、最も重要な原則は「安全な減薬・断薬は必ず医師の指導のもとで行う」ことです。
自己判断での急な中断は、重篤な離脱症状を引き起こすリスクがあるため絶対に避けるべきです。
医師は、患者さんの服用量、服用期間、現在の症状、生活状況などを総合的に判断し、最も安全で効果的な減薬スケジュールを立ててくれます。また、減薬中に現れる離脱症状への対処法についてもアドバイスや処方を行います。
主な減薬方法(漸減法、隔日法、置換法)
医師の指導のもとで行われる減薬方法にはいくつかの種類があります。
患者さんの状態に合わせて最適な方法が選択されます。
減薬方法 | 概要 | メリット | デメリット | 適しているケース |
---|---|---|---|---|
漸減法 | 服用量を少しずつ、段階的に減らしていく方法。例えば、1日の総量を数週間〜数ヶ月かけてゆっくり減らします。 | 最も一般的で、比較的安全性が高い。離脱症状を最小限に抑えやすい。 | 減薬に時間がかかることがある。減量のペースを見誤ると離脱症状が出やすい。 | ほとんどのケースで適用可能。特に軽度〜中等度の依存。 |
隔日法 | 毎日服用していたものを、1日おきに服用するようにするなど、服用間隔を空けていく方法。漸減法と組み合わせて行われることも。 | 服用頻度を減らすことで、薬剤への依存から心理的に離れやすくなる場合がある。 | 身体が薬剤の「ある/なし」の変化に慣れにくく、離脱症状が出やすいことがある。服用間隔の調整が難しい場合がある。 | 服用量が比較的少ない場合や、薬剤の種類による。 |
置換法 | 現在服用しているデパスを、半減期が長く効果の切れにくい別のベンゾジアゼピン系薬剤(例:ジアゼパム)に置き換えてから、その薬剤を漸減していく方法。 | 半減期の長い薬剤に置き換えることで、血中濃度が安定し、デパスの急な血中濃度低下による離脱症状を和らげやすい。痙攣などの重篤な離脱症状のリスクを減らせる。 | デパスから別の薬へ切り替える際に一時的に調整が必要。置き換える薬にも依存性はあるため、その後の減薬が必須。医師の専門的な知識が必要。 | デパスの服用量が多い場合、服用期間が長い場合、離脱症状が重い場合。 |
どの方法を選択するかは、医師が慎重に判断します。
自己判断でこれらの方法を試すのは危険ですので、必ず医師に相談しましょう。
離脱症状への対処法・和らげる方法
減薬を進める過程で離脱症状が現れることは少なくありません。
辛い症状が出た場合も、決して一人で耐えようとせず、主治医に必ず相談してください。
- 医師への相談: 離脱症状の種類や程度を具体的に伝えましょう。
医師は必要に応じて、減薬ペースの調整や、離脱症状を和らげるための他の薬(抗不安薬、睡眠導入剤、漢方薬など)を処方する場合があります。 - 対症療法: 頭痛には鎮痛剤、吐き気には制吐剤など、それぞれの症状に対する薬を使用することも有効です。
- 心理療法: 認知行動療法などの心理療法は、不安や不眠といった精神的な離脱症状や、薬剤への精神的依存に対処するのに役立ちます。薬に頼らない coping(対処)スキルを身につけることができます。
- 生活習慣の改善:
- 十分な睡眠: 規則正しい生活を心がけ、睡眠環境を整えましょう。
- バランスの取れた食事: 栄養不足は心身の不調を招きます。
- 適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは、心身のリラックスや睡眠の質改善につながります。
- カフェイン・アルコールの制限: これらは不安や不眠を悪化させる可能性があります。減薬中はできるだけ控えましょう。
- リラクゼーション: 入浴、アロマセラピー、音楽鑑賞、マインドフルネス瞑想など、ご自身に合ったリラックス方法を見つけましょう。
- サポートグループ: 同じような経験を持つ人たちの集まりに参加することは、孤独感を和らげ、回復へのモチベーションを保つ助けになります。
離脱症状は必ず終わりがくる一時的なものです。辛い時期も、回復へのプロセスであると理解し、周囲や専門家のサポートを得ながら乗り越えることが大切です。
減薬・断薬にかかる期間
デパスの減薬・断薬にかかる期間は、個人差が非常に大きいです。
服用量、服用期間、離脱症状の出やすさ、年齢、体質、他の病気の有無など、様々な要因によって異なります。
一般的には、数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。
急ぎすぎると離脱症状が強く出て挫折しやすいため、焦らず、ゆっくりと、確実に進めることが成功の鍵となります。
医師とよく相談し、ご自身にとって無理のないペースで取り組んでください。
デパスの代替薬・治療法
デパス依存症を克服する過程や、デパスの代わりに不安や不眠の症状をコントロールするために、依存性の低い他の薬や治療法が用いられることがあります。
- 依存性の低い抗不安薬: セロトニン系の働きかけたりするタイプ(例:タンドスピロン)など、ベンゾジアゼピン系以外の抗不安薬が検討されることがあります。
- 抗うつ薬(SSRI/SNRIなど): 不安障害やパニック障害、うつ病などが背景にある場合、これらの疾患の治療薬として抗うつ薬が有効なことがあります。これらは依存性がほとんどありません。
- 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z-drugs): ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロンなど。これらも依存性のリスクはゼロではありませんが、デパスなどのベンゾジアゼピン系よりは低いとされています。ただし、漫然とした使用は避けるべきです。
- メラトニン受容体作動薬: 自然な眠気を誘うホルモンであるメラトニンに作用する薬。依存性がほとんどなく、入眠困難に有効な場合があります。
- オレキシン受容体拮抗薬: 脳を覚醒させる物質であるオレキシンの働きを抑える薬。依存性が低く、入眠困難・中途覚醒の両方に効果が期待できます。
- 漢方薬: 体全体のバランスを整えることで、不安や不眠を改善する効果が期待できます。個人に合わせた処方が可能です。
- 心理療法: 認知行動療法(CBT)、森田療法、内観療法など。薬剤に頼らずに不安や不眠の症状に対処するスキルを身につけたり、根本的な原因を探ったりします。依存症そのものへの治療としても有効です。
- TMS治療(磁気刺激治療): 特定の脳領域に磁気刺激を与えることで、うつ病や不安障害の症状を改善する治療法。薬物療法が難しい場合などに選択肢となり得ます。
これらの代替療法は、患者さんの症状や状態によって最適なものが異なります。
必ず主治医と相談し、ご自身に合った治療法を選択してください。
デパス依存症に関するその他の疑問
デパス(エチゾラム)に関する疑問は他にも多くあります。
ここでは、特に気になる点について解説します。
デパスと認知症の関係性
近年、ベンゾジアゼピン系薬剤の長期使用と認知症リスク増加の関連性を示唆する研究報告が複数出ています。
ただし、現時点では「長期使用が認知症の原因である」と断定できるほどの強いエビデンスは確立されていません。「関連があるかもしれない」という段階です。
しかし、長期にわたるデパスの使用は、日中の眠気やふらつき、注意力の低下を引き起こし、認知機能が低下しているかのように見える症状(偽性認知症)を招く可能性があります。また、高齢者が服用した場合、転倒による骨折リスクが高まり、それが寝たきりや認知症の進行につながる間接的な要因となることも考えられます。
こうしたリスクを踏まえ、特に高齢者へのデパスの長期処方には慎重であるべきだと考えられています。
もし長期服用されていて不安がある場合は、医師に相談してみましょう。
エチゾラムとデパスの違いは?
エチゾラムは成分名(一般名)、デパスはその成分を含むお薬の商品名です。
つまり、エチゾラムとデパスは全く同じお薬を指しています。
デパスは日本で開発されたお薬ですが、エチゾラムを成分とするジェネリック医薬品も多数販売されています。
「エチゾラム錠0.5mg『〇〇』」といった名前で処方されることがありますが、これらはデパス錠0.5mgと同じ有効成分、同じ効果が期待できるお薬です。
デパス依存症の相談先
「デパスをやめたい」「依存しているかもしれない」と感じたら、一人で悩まず、必ず専門機関に相談してください。
適切なサポートを受けることが、回復への第一歩です。
専門医療機関での治療
デパス依存症からの回復を目指す場合、最も適切な相談先は精神科や心療内科などの専門医療機関です。
- かかりつけ医: 現在デパスを処方してもらっている医師に、まずは依存について相談してみましょう。
依存の問題に詳しい医師であれば、適切な減薬計画を立ててくれるはずです。もし相談しにくいと感じる場合や、依存治療に積極的でないようであれば、別の医療機関を探すことも検討しましょう。 - 精神科・心療内科: 精神疾患や依存症の専門的な知識を持つ医師が在籍しています。依存症専門外来を設けている医療機関もあります。
- 依存症専門医療機関: より重度の依存症に対して、集中的な治療プログラムを提供している医療機関もあります。入院治療が必要な場合も対応しています。
近年は、精神科や心療内科でもオンライン診療を提供しているクリニックが増えています。
対面での受診が難しい場合や、まずは気軽に相談したいという場合に選択肢となり得ます。
ただし、デパスのような依存性リスクのある薬剤の処方や減薬については、対面診療の方が適しているケースも多いため、事前にクリニックに相談内容を伝えて確認することをおすすめします。
医療機関を受診する際は、現在服用しているデパスの量や期間、飲んでいる他の薬、これまでの経過などを正直に医師に伝えてください。
正確な情報提供が、適切な治療計画につながります。
まとめ:デパス依存症でお悩みの方へ
デパス(エチゾラム)は、適切に使用すれば不安や不眠の辛い症状を和らげてくれる有用な薬です。
しかし、長期にわたる使用によって依存症に陥るリスクがあることを理解しておく必要があります。
デパス依存症になると、薬が手放せなくなるだけでなく、減薬・断薬しようとした際に様々な離脱症状に苦しむことがあります。
これらの症状は非常に辛いものですが、決してあなた一人だけが経験していることではありません。そして、最も重要なのは、デパス依存症から回復することは十分に可能であるということです。
もしあなたがデパス依存症かもしれないと悩んでいるなら、あるいは将来の依存が不安な場合は、勇気を出して精神科や心療内科の専門医に相談してください。医師はあなたの状況を理解し、最も安全で効果的な減薬スケジュールを一緒に考えてくれます。離脱症状が出た場合も、それを和らげるためのサポートを提供してくれます。
デパスからの卒業は、決して簡単な道のりではないかもしれません。
しかし、適切な医療的なサポートを受け、焦らず、ご自身のペースで一歩ずつ進んでいけば、必ずデパスに頼らない穏やかな生活を取り戻すことができます。
一人で抱え込まず、まずは専門家への相談から始めてみましょう。
あなたの回復を心から応援しています。
免責事項
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。
デパスの服用、減薬、断薬については、必ず医師の指導のもとで行ってください。
記事によって生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。