夜中、何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けない――。そんな経験はありませんか?これは「中途覚醒」と呼ばれる睡眠障害の一つで、多くの人が一度は経験する一般的な悩みです。朝までぐっすり眠れた日がいつだったか思い出せないほど、毎晩のように目が覚めてしまう状態が続くと、日中の活動にも影響が出たり、心身の不調につながることもあります。
この記事では、「夜中何度も目が覚める」原因として考えられる生理的な要因、環境、心理的な問題、さらには隠れた病気の可能性まで、様々な角度から解説します。年齢別や目が覚める時間帯別の特徴にも触れ、今すぐ試せる対処法や予防策、そして医療機関を受診すべき目安についてもご紹介します。質の良い睡眠を取り戻し、健やかな毎日を送るためのヒントを見つけていきましょう。
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夜中何度も目が覚める「中途覚醒」とは?
「中途覚醒(ちゅうとかくせい)」とは、睡眠中に何度も目が覚めてしまい、その後再び眠りにつくことが難しくなる状態を指します。布団に入って眠りについても、夜中に一度ならず二度、三度と目が覚めてしまい、そのまま朝を迎えてしまう、というパターンが多いです。
睡眠は、浅い眠りである「レム睡眠」と、深い眠りである「ノンレム睡眠」が約90分周期で繰り返されています。健康な人でも、一晩に数回、睡眠の周期の切り替わりなどで短い覚醒(数百ミリ秒程度)があることが知られています。これは生理的なもので、ほとんどの場合、本人は目が覚めたことに気づかず、そのまま再び眠りに入ります。しかし、中途覚醒に悩む人は、この覚醒が長くなり、完全に意識が覚醒してしまうため、睡眠が分断されてしまいます。
中途覚醒が続くと、睡眠時間としては十分でも、「眠りが浅い」「熟睡感がない」と感じやすくなります。これにより、日中に強い眠気を感じたり、集中力が低下したり、イライラしやすくなったりと、心身の様々な不調につながる可能性があります。
夜中何度も目が覚める主な原因
夜中何度も目が覚める原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いです。主な原因をカテゴリー別に見ていきましょう。
生理的な要因
私たちの体は、年齢や性別、ホルモンバランスによって睡眠パターンが変化します。
特に加齢は、中途覚醒の大きな要因の一つです。年を重ねると、睡眠全体が浅くなり、特に深いノンレム睡眠の割合が減少します。これにより、物音や光、体温の変化など、わずかな刺激でも目が覚めやすくなります。また、若い頃に比べてトイレが近くなることも、夜中に目が覚める頻度を増やす原因となります。
女性の場合、更年期を迎えると、ホルモンバランス(エストロゲン)の変化によって、寝汗や体のほてり(ホットフラッシュ)などが起こりやすくなります。これらの不快な症状が睡眠を妨げ、中途覚醒を引き起こすことがあります。
環境的な要因
睡眠の質は、寝室の環境に大きく左右されます。
寝室の温度や湿度が適切でない場合、快適な睡眠が得られず目が覚めやすくなります。一般的に、寝室の温度は20℃前後、湿度は50%前後が理想的とされています。夏場の暑さや冬場の寒さ、乾燥は、特に中途覚醒を招きやすい環境です。
また、寝室の光や騒音も睡眠を妨げます。外からの光や、部屋の照明、スマートフォンなどの電子機器から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させてしまいます。パートナーのいびきや車の音、近所の騒音なども、睡眠を中断させる原因となります。
さらに、体に合わない寝具(硬すぎるマットレス、高すぎる枕など)も、体の不快感から目が覚めることにつながります。
心理的な要因
ストレスや不安、悩み事は、睡眠の質を著しく低下させます。
脳が興奮状態にあると、なかなか寝付けないだけでなく、眠っている間も脳の一部が覚醒に近い状態になりやすく、中途覚醒が起こりやすくなります。
ストレスと中途覚醒の関係
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安、病気のことなど、様々なストレスは私たちの心身に影響を与えます。ストレスを感じると、「コルチゾール」のようなストレスホルモンの分泌が増加します。これらのホルモンは、体が危険な状況に対応するためのものであり、覚醒レベルを高める働きがあります。
本来、夜間はコルチゾールの分泌は低下し、体が休息モードに入ります。しかし、慢性的なストレスがあると、夜間のコルチゾールレベルが高いまま維持されてしまい、睡眠が浅くなったり、夜中に何度も目が覚めたりといった症状が現れます。
適応障害の可能性
長期にわたるストレスや、環境の変化(引っ越し、部署異動、人間関係の変化など)が原因で、心身のバランスを崩してしまう状態を「適応障害」と呼びます。適応障害の症状は多岐にわたりますが、その一つとして睡眠障害が現れることがあります。特に、中途覚醒や早朝覚醒(予定より早く目が覚めてしまい、その後眠れない)はよく見られる症状です。
環境の変化に適応しようとする中で生じるストレスが、脳の覚醒レベルを高め、睡眠を妨害してしまうと考えられます。もし、特定の環境や状況の変化と同時期に中途覚醒が始まった、あるいは中途覚醒以外にも気分の落ち込みや意欲低下、身体症状(頭痛、腹痛など)が見られる場合は、適応障害の可能性も視野に入れ、専門家に相談することが重要です。ただし、適応障害の診断は医師によって行われるべきであり、自己判断は避けましょう。
病気や疾患によるもの
中途覚醒は、何らかの病気や体の不調が原因で起こることもあります。睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群といった睡眠に関する病気のほか、様々な全身疾患の症状として現れることがあります。
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS): 睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。呼吸が止まるたびに脳が覚醒し、呼吸を再開させようとしますが、本人はそのたびに目が覚めている自覚がないことも多いです。しかし、睡眠が分断されることで睡眠の質が著しく低下し、日中の強い眠気や倦怠感、夜間頻尿、そして中途覚醒の原因となります。いびきが大きい、日中に強い眠気がある、といった症状がある場合は、この病気の可能性を疑う必要があります[^1]。
- むずむず脚症候群(RLS): 寝る前や安静にしている時に、脚に不快な感覚(むずむずする、虫が這うような感覚、かゆみなど)が生じ、脚を動かさずにはいられなくなる病気です。この不快感や衝動のために、寝付けなかったり、眠っていても不快感で目が覚めてしまったりします。
- 周期性四肢運動障害(PLMD): 睡眠中に、無意識のうちに手足がぴくつく、あるいは周期的に動く病気です。この動きは本人の意識がない場合が多いですが、一緒に寝ている家族に指摘されて気づくこともあります。手足の動きによって睡眠が妨げられ、中途覚醒の原因となります。
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、胸焼けや胃もたれ、のどの不快感などを引き起こす病気です。特に夜間、横になることで胃酸が逆流しやすくなり、不快な症状で目が覚めることがあります。
- 頻尿: 夜間に何度もトイレに行く必要がある状態です。加齢による膀胱機能の低下、前立腺肥大症(男性)、過活動膀胱、糖尿病などが原因となります。トイレのために目が覚めることが習慣化すると、トイレに行かなくても目が覚めやすくなることもあります。
- うつ病・不安障害: これらの精神疾患の症状として、不眠(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒)はよく見られます。中途覚醒だけでなく、気分の落ち込み、何もする気にならない、不安感が強い、といった症状を伴う場合は、精神的な問題を抱えている可能性があります。
- 疼痛: 腰痛、肩こり、関節痛、頭痛など、体のどこかに痛みがある場合、痛みが気になって寝付けなかったり、寝ている間に痛みが強くなって目が覚めたりすることがあります。
ADHDと睡眠障害
注意欠如・多動症(ADHD)のある人の中には、睡眠に関する問題を抱えている人が少なくありません。ADHDそのものが直接的に中途覚醒を引き起こすわけではありませんが、ADHDの特性(衝動性、不注意、多動性、時間管理の苦手さなど)が、睡眠習慣の乱れや寝る前の脳の興奮につながり、睡眠障害を引き起こす可能性があります。
例えば、興味のあることに没頭してしまい夜更かしをしてしまったり、締め切り直前にならないと行動できず夜中に作業をしたりと、不規則な生活リズムになりやすい傾向があります。また、考えが次々と浮かんで脳が休まらず、入眠困難や中途覚醒につながることもあります。さらに、ADHDの治療薬の種類によっては、覚醒作用があり、不眠の原因となることもあります。
ADHDと診断されている、あるいはその傾向がある方で中途覚醒に悩んでいる場合は、ADHDの特性が睡眠にどう影響しているのかを理解し、必要であれば主治医に相談して睡眠への対処法を検討することが大切です。
年齢別の原因と特徴
中途覚醒の原因は、年齢によって傾向が異なります。
- 小児期: 夜泣きや怖い夢、おねしょなどが原因で目が覚めることが多いですが、成長とともに自然に改善することがほとんどです。ただし、日中の活動量不足や寝る前の刺激(テレビ、ゲームなど)も影響します。
- 思春期〜青年期: 受験勉強や友人関係、恋愛などによる心理的なストレス、スマートフォンの長時間使用や夜更かしによる生活リズムの乱れが主な原因となりやすいです。
- 成人期(20代・30代・40代)のケース:
この年代は、キャリア形成や子育て、結婚など、ライフステージの変化が大きい時期です。仕事の責任が増えたり、残業が続いたり、子育てによる睡眠不足などがストレスとなり、中途覚醒を引き起こしやすいです。
また、この年代から睡眠時無呼吸症候群を発症する人も増えてきます。いびきや日中の強い眠気、夜中の頻尿などを伴う場合は注意が必要です。
生活習慣病(高血圧、糖尿病など)が始まり、夜間の頻尿や体の不調から目が覚めることもあります。
さらに、スマートフォンやパソコンの使用時間が長く、寝る直前まで画面を見ている人も多いため、ブルーライトの影響で睡眠が浅くなり、中途覚醒につながるケースも増えています。
中年期(40代以降)になると、加齢による生理的な睡眠の変化も影響し始め、深い睡眠が減少し、中途覚醒が増える傾向が見られます。女性の場合は、更年期による症状(ホットフラッシュなど)も大きな要因となります。 - 高齢期: 加齢による睡眠構造の変化(深い睡眠の減少)、頻尿、体の痛み(関節痛、腰痛など)、様々な慢性疾患(心臓病、呼吸器疾患、神経疾患など)とその治療薬の影響、概日リズム睡眠障害などが複雑に絡み合い、中途覚醒の頻度が高くなります。
同じ時間帯に目が覚める理由
「いつも夜中の2時頃に目が覚める」「明け方3時に目が覚めてしまう」など、特定の時間帯に目が覚めることが多い、と感じる人もいるかもしれません。これにはいくつかの理由が考えられます。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを繰り返しています。このサイクルの切り替わりのタイミングでは、睡眠が浅くなるため、目が覚めやすくなります。特定の時間帯に目が覚めやすいと感じるのは、その時間帯がちょうど睡眠サイクルの浅い部分に当たっているからかもしれません。
また、体内時計(概日リズム)の乱れも影響します。体内時計は、起床時間や就寝時間、食事の時間など、日々の生活習慣によって調整されています。この体内時計が狂うと、本来眠っているべき時間帯に覚醒しやすくなることがあります。
東洋医学的な考え方では、特定の時間帯に目が覚めるのは体の臓器の働きと関連がある、といった見方もあります(例:深夜1時〜3時は肝臓、3時〜5時は肺など)。これは科学的に証明されたものではありませんが、一つの考え方として参考になるかもしれません。
心理的な要因も大きいです。「どうせまた〇時に目が覚めるだろう」という予期不安があると、実際にその時間帯が近づくと緊張が高まり、目が覚めてしまう、という悪循環に陥ることがあります。
深夜2時頃に目が覚める場合
深夜2時頃は、最初の深いノンレム睡眠のピークを過ぎ、睡眠が少し浅くなる時間帯にあたることがあります。また、肝臓の働きが活発になる時間帯とも言われています(東洋医学的な考え方)。ストレスや怒り、あるいはアルコールの分解など、肝臓に関連する活動が睡眠を妨げている可能性も考えられます。
未明3時頃に目が覚める場合
未明3時頃は、睡眠の後半にあたり、レム睡眠の割合が増えてくる時間帯です。レム睡眠中は脳がある程度活動しているため、物音や体の不快感などで目が覚めやすくなります。また、膀胱に尿が溜まってくる時間帯でもあり、トイレに行きたくなることで目が覚めるケースも多いです。うつ病の場合、早朝覚醒(本来起きる時間よりも早く目が覚めてしまい、その後眠れない)が見られることがあり、未明3時頃の覚醒もこれに近い形で現れることがあります。
夜中に目が覚めてしまった時の対処法
夜中に目が覚めてしまい、眠れない時にどうすれば良いかを知っておくことは、不要な焦りを減らし、再び眠りにつく助けとなります。
眠れない時のNG行動
夜中に目が覚めてしまった時、ついやってしまいがちだけど、実は眠りを妨げてしまうNG行動があります。
- スマートフォンの使用: スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子機器から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させてしまうため、寝る前に見るのは避けましょう。夜中に目が覚めてしまった時に見るのは、さらに脳を刺激し、眠りから遠ざけてしまいます。
- 時計を頻繁に見る: 「あと何時間しか寝られない」「もうこんな時間だ」と時計を何度も確認することは、焦りや不安を生み、脳を覚醒させてしまいます。時計を視界に入れないようにするか、デジタル表示の場合は隠しておくなどの工夫をしましょう。
- 寝床で考え事をする: 仕事のこと、悩み事、心配事など、寝床で考え事をしてしまうと、脳が興奮し、ますます目が冴えてしまいます。「寝床は眠るためだけの場所」と意識し、考え事は寝床から出て行うようにしましょう。
- 無理に寝ようとする: 「早く寝なきゃ」と焦れば焦るほど、脳は覚醒してしまいます。眠れない時は、無理に寝ようとせず、一度寝床から離れてリラックスする時間を持つ方が効果的です。
- 熱いシャワーを浴びる: 熱いシャワーは一時的にリフレッシュ効果がありますが、体の深部体温を上げてしまうため、睡眠には逆効果です。ぬるめのお湯で、体をリラックスさせる程度にしましょう。
- カフェインやアルコールの摂取: コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは覚醒作用があります。また、アルコールは寝つきを良くする効果があるように感じますが、睡眠の後半で睡眠を浅くし、中途覚醒の原因となります。夜中に目が覚めた時にこれらを摂取するのは避けましょう[^1]。
覚醒時に試したいこと
夜中に目が覚めてしまい、眠れない時は、以下の方法を試してみてください。
- 一度寝床から出る: 20〜30分経っても眠れない場合は、一度寝床から出て、寝室以外の場所(リビングなど)へ移動しましょう。寝床にこだわりすぎると、「眠れない場所」という認識が強くなってしまいます。
- リラックスできる活動をする: 薄暗い照明のもとで、リラックスできる活動をしましょう。例えば、退屈な本を読む(興味を惹かれすぎない内容が良い)、静かな音楽を聴く、軽いストレッチをする、アロマを焚く、瞑想するなどです。脳を刺激しすぎない、穏やかな活動を選びましょう。
- 温かい飲み物を飲む: カフェインの入っていないハーブティー(カモミールなど)やホットミルクは、体を温め、リラックス効果が期待できます。
- 腹式呼吸や瞑想: ゆっくりとした腹式呼吸を繰り返したり、簡単な瞑想を行ったりすることで、心身の緊張を和らげることができます。
- 再び眠気を感じたら寝床に戻る: リラックスしているうちに眠気を感じてきたら、再び寝床に戻りましょう。眠気を感じてから寝床に戻ることで、「寝床=眠る場所」という関連付けを強化することができます。
大切なのは、眠れない自分を責めたり、焦ったりしないことです。リラックスして過ごし、自然な眠気が訪れるのを待ちましょう。
夜中何度も目が覚めるのを予防する方法
中途覚醒は、日中の過ごし方や寝る前の習慣、寝室環境を見直すことで予防できる場合があります。
日中の生活習慣を見直す
睡眠の質は、夜だけでなく日中の過ごし方によっても大きく変わります。
- 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びるようにしましょう。これにより体内時計がリセットされ、夜になったら自然と眠くなるリズムが整います。休日も平日との差を1〜2時間以内にとどめるのが理想です。
- 適度な運動: 日中に適度な運動を取り入れることで、心身のリフレッシュになり、夜に質の良い睡眠を得やすくなります。ただし、激しい運動は交感神経を刺激し、寝つきを悪くすることがあるため、就寝直前の運動は避け、就寝3時間前までには終えるようにしましょう。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどがおすすめです。
- バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事は、体内リズムを整える助けになります。特に朝食は体内時計のリセットに重要です。寝る直前の食事は消化活動のために体が休まらず、中途覚醒の原因となることがあるため、就寝3時間前までには済ませるのが理想です。
- カフェイン・アルコールの制限: 午後以降のカフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど)摂取は控えましょう[^1]。カフェインの効果は数時間持続し、睡眠を浅くする可能性があります。アルコールも、寝つきを良くするように感じますが、睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚めやすくなるため、寝る前の飲酒は避けましょう[^1]。
- 昼寝は短時間にする: 昼間に眠気を感じる場合は、20〜30分程度の短い仮眠に留めましょう。長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に影響を与え、中途覚醒の原因となることがあります。
- 喫煙習慣の見直し: タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、寝つきを悪くしたり、睡眠を浅くしたりします。夜間の喫煙は中途覚醒のリスクを高めるため、禁煙を検討することも重要です。
就寝前の習慣を改善する
スムーズに入眠し、朝までぐっすり眠るためには、寝る前の過ごし方も重要です。
- リラクセーションを取り入れる: 就寝前に心身をリラックスさせる習慣を取り入れましょう。ぬるめ(38〜40℃)のお風呂にゆっくり浸かる、軽いストレッチやヨガをする、アロマを焚く、静かな音楽を聴く、瞑想するなどが効果的です。
- 寝る前のスマホ・PCを控える: 就寝1〜2時間前からは、スマートフォンやパソコン、テレビなどの画面を見るのは避けましょう。ブルーライトは脳を覚醒させるだけでなく、体内時計を遅らせる作用があります。
- カフェイン・アルコールの摂取を避ける: 上述の通り、就寝前のカフェインやアルコールは睡眠の質を低下させます[^1]。
- 寝る前の激しい運動や考え事を避ける: 就寝前に脳や体を興奮させるような活動は控えましょう。
寝室環境を整える
快適な睡眠を得るためには、寝室環境が非常に重要です[^1]。
- 温度と湿度: 寝室の温度は年間を通じて20℃前後、湿度は50%前後を目安に調整しましょう。冬場の乾燥には加湿器を使うなど対策が必要です。
- 光: 寝室はできるだけ暗くしましょう。遮光カーテンを利用したり、部屋の照明を暗めに設定したり、常夜灯は最小限にしましょう。目覚まし時計のデジタル表示の明るさにも注意が必要です。
- 騒音: 外部からの騒音対策として、厚手のカーテンを使ったり、耳栓を利用したりするのも良いでしょう。室内の騒音(家電の音など)もできるだけ排除しましょう。
- 寝具: 自分に合ったマットレスや枕を選びましょう。体圧が分散され、寝返りを打ちやすい寝具は、体の不快感を減らし、中途覚醒を防ぐのに役立ちます。
夜中に目が覚めないための予防法7選
これまでの内容をまとめ、夜中に目が覚めないための予防法を7つの項目に絞って提示します。
- 毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びる:体内時計を整え、自然な睡眠リズムを作る基本です。
- 寝床は眠るためだけに使う:寝床でスマホを見たり、考え事をしたりするのをやめ、「寝床=眠る場所」という関連付けを強くします。
- 寝る前にカフェイン・アルコール・喫煙を避ける:これらは睡眠を浅くし、中途覚醒の原因となります[^1]。
- 寝室の温度・湿度・光・音を快適にする:物理的な環境要因を整えることは、質の良い睡眠に不可欠です[^1]。
- 適度な運動を日中に取り入れる:日中の活動量を増やすことで、夜に自然な眠気を誘います。ただし、就寝直前は避けましょう。
- 就寝前にリラックスできる習慣を取り入れる:ぬるめのお風呂、軽いストレッチ、読書などで心身を落ち着かせます。
- 昼寝は短時間(20分程度)にする:長い昼寝は夜の睡眠に悪影響を与えるため、仮眠は短時間にとどめます。
これらの予防法を日常生活に取り入れることで、中途覚醒の頻度を減らし、睡眠の質を改善できる可能性があります。
病院を受診する目安と診療科
セルフケアを試しても中途覚醒が改善しない場合や、日中の生活に支障が出ている場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。
中途覚醒を放置するリスク
慢性的な中途覚醒を放置すると、以下のような様々なリスクが生じます。
- 日中の機能低下: 強い眠気、集中力・注意力の低下、判断力の低下、記憶力の低下などが起こり、仕事や学業のパフォーマンスが低下したり、運転ミスや事故のリスクが高まったりします。
- 精神的な不調: 睡眠不足はイライラ、不安感、気分の落ち込みなどを引き起こしやすく、うつ病や不安障害を発症・悪化させるリスクを高めます。
- 身体的な不調: 免疫力の低下、食欲や体重の変化、頭痛、消化不良、倦怠感などが現れることがあります。
- 生活習慣病のリスク増加: 長期的な睡眠不足は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、心血管疾患のリスクを高めることが知られています。
中途覚醒が長期間続いている場合、単なる寝不足ではなく、何らかの病気が隠れている可能性もあります[^1]。これらのリスクを避けるためにも、早めに専門家に相談することが大切です[^1]。
どの診療科に相談すべきか
中途覚醒で医療機関を受診する場合、どの診療科に行けば良いか迷うかもしれません。選択肢としては、精神科、心療内科、睡眠外来、一般内科などがあります。
診療科 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
睡眠外来 | 睡眠障害全般を専門とする医師(精神科医、呼吸器内科医など)が在籍。睡眠ポリグラフ検査などの専門的な検査が可能。 | 睡眠に関する悩みが最も強く、専門的な検査や治療を受けたい人。睡眠時無呼吸症候群など、特定の睡眠疾患が疑われる人[^1]。 |
精神科・心療内科 | ストレスや心の不調(うつ病、不安障害など)が原因の場合の診断・治療を専門とする。 | ストレスや不安、気分の落ち込みなどが強く関係していると感じる人。心理的な要因が大きいと思われる人。 |
一般内科 | 全身の健康状態を幅広く診察。他の病気(頻尿、逆流性食道炎など)が原因の可能性を検討できる。 | まずはかかりつけ医や身近な医師に相談したい人。中途覚醒以外にも全身の気になる症状がある人。特定の原因が思い当たらない人。 |
中途覚醒の原因がはっきりしない場合は、まずはかかりつけ医や一般内科を受診し、症状を相談してみるのが良いでしょう。必要に応じて専門の診療科を紹介してもらうことができます。ストレスや精神的な要因が大きいと感じる場合は、心療内科や精神科へ。いびきや日中の強い眠気など、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠疾患が疑われる場合は、睡眠外来を受診するのが最も専門的な診断・治療を受けやすいと言えます[^1]。
受診する際は、いつ頃から症状が出たのか、どれくらいの頻度で目が覚めるのか、目が覚めた時にどのような状態か(眠れない、トイレに行きたくなるなど)、日中の眠気や他の症状の有無、現在の生活習慣(起床・就寝時間、食事、運動、飲酒、喫煙など)、服用中の薬、既往歴などをまとめておくと、診察がスムーズに進みます。可能であれば、1〜2週間程度の睡眠日誌(寝た時間、起きた時間、夜中に目が覚めた回数・時間、日中の眠気などを記録したもの)をつけて持参すると、より正確な情報を提供できます。
まとめ|質の良い睡眠を取り戻すために
夜中何度も目が覚める「中途覚醒」は、多くの人が経験する睡眠の悩みです。その原因は、加齢やホルモンバランスといった生理的なものから、寝室環境、ストレスや不安といった心理的なもの、さらには睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、他の全身疾患まで、多岐にわたります[^1]。年齢やライフステージによっても、中途覚醒の原因や傾向は異なります。
夜中に目が覚めてしまった時は、無理に寝ようとせず、一度寝床から出てリラックスできる活動を行うことが大切です。スマートフォンを見る、時計を気にする、寝床で考え事をする、といった行動は、かえって脳を覚醒させてしまうため避けましょう。
日中の生活習慣や寝る前の習慣、寝室環境を見直すことで、中途覚醒を予防し、睡眠の質を改善できる可能性があります。規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの取れた食事、カフェイン・アルコールの制限、リラクセーション、快適な寝室環境などが、ぐっすり眠るための鍵となります[^1]。
これらのセルフケアを試しても改善が見られない場合や、中途覚醒によって日中の活動に支障が出ている、あるいは何か気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう[^1]。精神科、心療内科、睡眠外来、一般内科など、適切な診療科で専門家に相談することで、原因に応じた適切な診断や治療を受けることができます[^1]。
質の良い睡眠は、心身の健康のために非常に重要です。中途覚醒は決して珍しい問題ではなく、原因を明らかにし、適切に対処することで改善が見込めます。悩みを抱え込まず、まずはできることから生活習慣を見直し、必要であれば専門家の助けを借りて、質の良い睡眠を取り戻しましょう。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個人の症状に対する診断や治療を保証するものではありません。夜中に何度も目が覚める状態が続く場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいて行った行為によるいかなる結果に関しても、当サイトは責任を負いかねます。
[^1]: 不眠症や睡眠時無呼吸症候群は中途覚醒の原因となる病気であり、就寝前のカフェイン・アルコール制限や睡眠環境の整備といった対策が重要です。特に睡眠時無呼吸症候群は主要因の一つで、日中の眠気がある場合は専門医療機関の受診が必要とされています。(参考: ODOD)