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【不安で眠れない】原因と対処法を徹底解説!病気の可能性と病院に行く目安

「不安で眠れない」そんな夜は、心身ともに消耗し、つらいものです。
ベッドに入っても目が冴えてしまったり、ぐるぐると考え事をしてしまったり。
翌日の仕事や学校にも影響が出てしまうため、「どうにかしたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この状態が続くと、さらに不安が増してしまい、悪循環に陥ることもあります。
しかし、「不安で眠れない」「考えすぎて眠れない」という悩みには、必ず原因があり、適切な対処法や考え方を知ることで改善が見込めます。
現代社会では、睡眠障害は社会問題の一つともなっており、性格的な不安傾向の強さ(特性不安)と不眠症状との関連も研究されています。睡眠障害と不安傾向の関係について

この記事では、不安で眠れない原因から、今すぐ試せる即効性のある対処法、そしてもしかしたら病気かも、と不安に思っている方向けに、病院を受診する目安や考えられる病気についても詳しく解説します。
この情報を参考に、安眠を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

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目次

不安で眠れない原因とは

「眠りたいのに眠れない」「なぜか夜になると不安になる」といった不眠は、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じることがほとんどです。
特に、現代社会ではストレスや生活習慣の乱れが不眠の大きな原因となり得ます。

なぜ寝る前に不安になるのか

私たちは日中、さまざまな情報に触れ、活動しています。
仕事や人間関係、将来のことなど、考えなければならないこと、対処しなければならないことがたくさんあります。
日中は忙しさにかまけて忘れていたり、意識の外に追いやっていたりすることも、寝る前に心に浮かび上がってくることがあります。

寝る前は、脳の活動が日中に比べて落ち着き、外部からの刺激も少なくなります。
このような静かな環境になると、普段抑圧している感情や思考が表面化しやすくなります。
特に、ネガティブな感情や未解決の問題、将来への漠然とした不安などが、寝床についた瞬間に意識に上りやすくなるのです。

また、体は眠ろうとしてリラックスモード(副交感神経優位)に入ろうとしますが、心が不安を感じていると脳が覚醒してしまい、交感神経が優位になってしまいます。
この心と体のギャップが、「寝たいのに眠れない」という状態を引き起こすのです。

いろいろ考えすぎて眠れない理由

「考えすぎて眠れない」という状態は、主に以下のような要因が考えられます。

  • 過去の出来事への後悔: 日中の失敗や過去の出来事について、ああすればよかった、こうすればよかった、と繰り返し考えてしまう。
  • 未来への懸念: 仕事や人間関係、お金、健康など、将来に対する漠然とした、あるいは具体的な不安や心配事が頭から離れない。
  • 問題解決の試み: 未解決の問題について、寝床で解決策を見つけようと必死に考えてしまう。
    しかし、寝る前のリラックスできない状態では、建設的な思考は難しく、余計に混乱や不安が増すことが多い。
  • 脳のスイッチがオフにならない: 一日中、情報収集や思考に時間を費やしていると、脳が興奮状態から抜け出しにくくなります。
    特に、寝る直前までスマホやPCを使っていると、脳がさらに覚醒してしまい、考え事が止まらなくなることがあります。

このように、脳が活動的な状態から休息モードへ切り替わらないまま寝床についてしまうことが、「考えすぎ」による不眠の大きな原因となります。

ストレスと不眠の関係性

ストレスは、不眠の最も一般的な原因の一つです。
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、経済的な問題、病気、喪失体験など、あらゆる種類のストレスが睡眠に悪影響を与えます。

ストレスを感じると、私たちの体は「闘争・逃走反応」と呼ばれる生理的な反応を起こします。
この反応では、コルチゾールのようなストレスホルモンが分泌され、心拍数や血圧が上昇し、脳は警戒状態に入ります。
これは、危険から身を守るためには必要な反応ですが、寝る前までこの状態が続くと、体が休息モードに入れず、眠りにつくことが難しくなります。

慢性的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位な状態が続きます。
これにより、体の緊張が解けず、寝つきが悪くなるだけでなく、眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めたりといった症状も引き起こします。

また、ストレスが原因で不安や抑うつ状態になると、それがさらに不眠を悪化させるという悪循環に陥りやすいのも特徴です。

不規則な生活習慣の影響

私たちの体内には、「体内時計」と呼ばれる約24時間周期のリズムを刻む機能が備わっています。
この体内時計は、睡眠と覚醒のリズム、体温やホルモンの分泌などをコントロールしており、光や食事、活動などの外部からの刺激によって調整されています。

不規則な生活習慣は、この体内時計を大きく狂わせ、睡眠のリズムを乱してしまいます。

  • 寝る時間・起きる時間がバラバラ: 毎日違う時間に寝たり起きたりすることで、体内時計が定まらず、体がいつ眠るべきか分からなくなってしまいます。
    特に、週末の寝坊は体内時計を後退させ、月曜日の朝起きるのが辛くなる「社会的ジェットラグ」を引き起こすことがあります。
  • 夜更かし: 深夜まで起きていると、本来眠るべき時間帯に脳が覚醒した状態になり、寝つきが悪くなります。
  • 昼夜逆転: シフトワークなどで昼夜逆転の生活を送っている人は、体内時計が外部環境(日中の明るさ、夜間の暗さ)と一致せず、重度の睡眠障害に陥りやすくなります。
  • 夜食や寝る前のカフェイン・アルコール摂取: これらは消化器官を刺激したり、覚醒作用をもたらしたりすることで、睡眠を妨げます。
  • 日中の過ごし方: 日光を浴びない、運動不足、昼寝のしすぎなども、体内時計や睡眠の質に影響を与えます。

これらの不規則な生活習慣は、体内時計と実際の生活リズムとの間にズレを生じさせ、結果として「不安で眠れない」「眠りが浅い」といった不眠の症状を引き起こすのです。

不安で眠れないときの即効性がある対処法

夜、不安に襲われて眠れないとき、すぐに試せる対処法を知っておくと安心です。
ここでは、心と体を落ち着かせ、眠りへと誘うための具体的な方法をご紹介します。

夜不安になった時の具体的な対処法

ゆっくりと深呼吸する

不安を感じると、呼吸が浅く速くなりがちです。
これは交感神経が優位になっているサイン。
意識的に呼吸をゆっくりと深くすることで、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めることができます。

方法:

  1. 仰向けまたは楽な姿勢で横になります。
  2. お腹に手を当て、鼻から息を吸い込みます。
    お腹が膨らむのを感じましょう。
  3. 口をすぼめ、吸うときの倍くらいの時間をかけて、ゆっくりと息を吐き出します。
    お腹が凹むのを感じます。
  4. これを数回、繰り返します。
    吸う息よりも吐く息を長くするのがポイントです。

深い呼吸に集中することで、不安な思考から意識をそらす効果も期待できます。

寝る前に軽いストレッチをする

体の緊張をほぐすことは、心の緊張を和らげることにつながります。
寝る前に軽いストレッチを取り入れることで、筋肉のリラックスを促し、眠りにつきやすい状態を作ることができます。

方法:

  • 肩や首のストレッチ: ゆっくりと首を回したり、肩甲骨を動かしたりします。
  • 股関節周りのストレッチ: 開脚したり、あぐらをかいて前屈したりします。
  • 体全体の伸び: 仰向けに寝て、手足を遠くに伸ばし、体全体をゆっくりとストレッチします。
  • ヨガのポーズ: チャイルドポーズや横たわった合せき(スプタ・バッダー・コナーサナ)など、リラックス効果のあるポーズもおすすめです。

激しい運動は逆効果になるため、あくまで「軽い」ストレッチにとどめましょう。
痛みを感じない範囲で、心地よい伸びを感じることが大切です。

温かい飲み物を飲んで体温を上昇させる

体温は、睡眠と密接に関わっています。
私たちは、体の深部体温が下がる過程で眠気を感じます。
寝る前に温かい飲み物を飲むことで、一時的に体温をわずかに上げ、その後体温が下がる際に眠気を誘う効果が期待できます。

おすすめの飲み物:

  • ホットミルク: ミルクに含まれるトリプトファンは、体内で睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となります。
    また、カルシウムには精神を安定させる効果があると言われています。
  • カモミールティー: カモミールにはリラックス効果や鎮静効果があるハーブとして知られています。
    ノンカフェインなので安心して飲めます。
  • ノンカフェインのハーブティー: レモンバームやヴァレリアンなども、リラックス効果が期待できます。

カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)やアルコールは睡眠を妨げるため、寝る前には避けましょう。

不安なことを紙に書き出して気持ちを整理する

頭の中で不安な考えがぐるぐる回って止まらないときは、それを紙に書き出すことで、思考を整理し、客観的に捉えることができるようになります。
「ジャーナリング」や「書く瞑想」とも呼ばれる方法です。

方法:

  1. 寝床につく前に、ノートとペンを用意します。
  2. 今感じている不安なこと、考えていることを、頭に浮かぶままに書き出します。
    順番や文章の構成は気にせず、自由に書きましょう。
  3. 書き出すことで、漠然としていた不安の正体がはっきりしたり、意外と大したことないと思えたりすることがあります。
  4. 書き出したものは、見返してもいいですし、破り捨てても構いません。

書き出す時間帯は、寝る直前よりも、夕食後から寝るまでの間に15分程度設けるのがおすすめです。
これにより、寝床で考え事を持ち越すリスクを減らせます。

寝室を眠りやすい環境に整える

睡眠の質を高めるためには、寝室の環境を整えることが非常に重要です。

  • 温度と湿度: 一般的に、寝室の理想的な温度は18~22℃、湿度は50~60%と言われています。
    夏は涼しく、冬は暖かく保ち、乾燥しすぎないように加湿器などを利用しましょう。
  • : 寝室はできるだけ暗くします。
    カーテンを閉めたり、遮光カーテンを使ったりして、外からの光を遮断しましょう。
    豆電球や常夜灯も、できれば消すか、最小限にします。
    ブルーライトを発するスマホやPCは、寝る1~2時間前から使用を控えることが推奨されます。
  • : 静かな環境が理想ですが、完全に無音である必要はありません。
    車の音や話し声など、気になる音がある場合は、耳栓を使ったり、ホワイトノイズ(ザーッという連続音)を流したりするのも有効です。
  • 寝具: 自分に合ったマットレスや枕を選びましょう。
    清潔なシーツや掛け布団は、心地よさを高めてくれます。

これらの要素を見直すことで、入眠をスムーズにし、深い眠りにつきやすくなります。

就寝前のリラックス習慣を作る

毎日同じ時間に寝る準備を始め、リラックスできる習慣を取り入れることで、「眠りへのスイッチ」を体と脳に認識させることができます。

リラックス習慣の例:

  • ぬるめのお風呂に入る: 就寝1~2時間前に、38~40℃くらいのぬるめのお湯に15~20分ほど浸かります。
    体温が一旦上がり、その後下がる過程で眠気を誘います。
  • 静かな音楽や自然音を聴く: リラックス効果のあるクラシック音楽や、波の音、雨の音などを静かに聴きます。
  • 読書: 紙媒体の本を読みます。
    ただし、刺激の強い内容や仕事関係の本は避けましょう。
  • アロマセラピー: ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のあるアロマを焚いたり、アロマスプレーを使ったりします。
  • 軽い瞑想やマインドフルネス: 今ここに集中し、呼吸や体の感覚に意識を向けます。
    不安な思考にとらわれそうになったら、その思考をただ観察し、手放す練習をします。

これらの習慣は、毎日同じ時間に行うことで、体内時計の調整にも役立ちます。

食事・カフェイン・アルコールの注意点

睡眠を妨げる可能性のある飲食は、特に寝る前には避けたいものです。

項目 睡眠への影響 寝る前の注意点 代替案
食事 消化活動によって体が休息モードに入りにくくなる。
胸焼けなどを引き起こす可能性。
就寝3時間前までには済ませるのが理想。
消化に時間のかかる脂っこいもの、刺激物(辛いもの)は避ける。
食べすぎない。
軽いもの、温かいスープなど消化の良いもの。
カフェイン 脳を覚醒させ、眠気を遠ざける。
効果が数時間持続することも。
就寝4~6時間前からは避けるのが一般的。
カフェイン量は個人差や飲み物によって異なる。
ノンカフェインの飲み物(ハーブティー、麦茶など)。
アルコール 寝つきは良くなるが、睡眠が浅くなり、夜中に目が覚めやすくなる。
脱水症状の原因にも。
寝る前に大量に飲むのは避ける。
少量でも睡眠の質を下げる可能性。
ノンアルコールの飲み物。

バランスの取れた食事を規則正しい時間に摂ることが、体内時計を整え、良質な睡眠につながります。
特に、トリプトファン(セロトニンやメラトニンの材料)を多く含む食品(乳製品、大豆製品、ナッツ類など)を日中の食事に取り入れることも意識してみましょう。

適度な運動を生活に取り入れる

定期的な運動は、ストレス解消効果があるだけでなく、体の疲れを心地よいものに変え、眠りにつきやすくする効果があります。

運動の種類とタイミング:

  • ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、心肺機能を高め、睡眠の質を向上させます。
  • ヨガやピラティスは、体の柔軟性を高め、リラックス効果も期待できます。
  • 筋力トレーニングも有効ですが、激しすぎるものは避けましょう。

運動のタイミングは、就寝の3時間前までに行うのが理想です。
寝る直前の激しい運動は、体を覚醒させてしまうため逆効果になります。
日中に軽く体を動かすだけでも、夜の入眠に良い影響を与えることがあります。
ただし、体調と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。

これらの対処法をいくつか組み合わせたり、自分に合った方法を見つけたりしながら試してみてください。
すぐに効果が出なくても、継続することで少しずつ改善が見られる場合があります。

不安で眠れないのは病気?病院に行く目安

「不安で眠れない」状態が長く続くと、「これって病気なのかな?」と心配になることもあるでしょう。
確かに、不眠は様々な病気の症状として現れることがあります。
しかし、一時的な不眠と、治療が必要な病気による不眠を見分けることが重要です。

不安障害と不眠の関係

不安障害は、過剰な不安や心配によって日常生活に支障をきたす精神疾患の総称です。
不安障害にはいくつかの種類があり、それぞれ不眠と密接に関連しています。
不安障害はうつ病と並び、不眠を合併するリスクが極めて高い疾患であり、特に全般性不安症(GAD)では不眠の合併が多いことが指摘されています。不安障害と不眠の関係について

  • 全般性不安障害(GAD): さまざまな事柄に対して過度な心配や不安が持続し、落ち着かない、イライラする、集中できないといった症状を伴います。
    常に心が休まらない状態が続くため、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることが多いです。
  • パニック障害: 予期しないパニック発作(動悸、息切れ、めまい、吐き気、死の恐怖など)が繰り返し起こる病気です。
    発作への不安や、また発作が起きるのではないかという予期不安が強く、特に夜間や睡眠中に発作が起こるのではないかという恐れから、眠りにつくのが怖くなることがあります。
  • 社会不安障害(SAD): 人前で話すことや、他人の注目を浴びる状況に対して強い不安や恐怖を感じる病気です。
    翌日人前に出る予定があるなど、特定の状況を前にすると、そのことへの不安で眠れなくなることがあります。
  • 特定の恐怖症: 高所恐怖症や閉所恐怖症など、特定の対象や状況に対して強い恐怖を感じる病気です。
    その対象に近づくことが予想される場合など、特定の状況に関連する不安が不眠を引き起こすことがあります。

これらの不安障害では、不眠は主要な症状の一つであり、不安障害の治療を行うことで不眠が改善されるケースが多く見られます。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

心的外傷後ストレス障害(PTSD)も、不眠と深く関わる精神疾患です。
命の危険を感じるような強いトラウマ体験の後、その体験に関連するフラッシュバックや悪夢、過覚醒などが続きます。
PTSDの主な症状には、フラッシュバック、悪夢、不眠、過度な警戒心、感情の麻痺などが挙げられます。PTSDの症状について
悪夢にうなされて夜中に目が覚めたり、警戒心が強くなりすぎてリラックスして眠れなくなったりします。

いろいろ考えすぎて眠れないのは病気なのか

単に心配性で考えすぎる傾向があるだけなら、すぐに病気と判断されるわけではありません。
しかし、「考えすぎる」という状態があまりにも強く、コントロールできず、日常生活(睡眠を含む)に重大な支障をきたしている場合は、病気の可能性も考えられます。

例えば、同じことが繰り返し頭の中に浮かんで止められない(強迫観念)場合、強迫性障害の可能性も否定できません。
また、将来への過度な心配が続き、それが原因で不眠や体の不調が出ている場合は、前述の全般性不安障害の症状である可能性もあります。

「考えすぎ」によって不眠が慢性化し、精神的・身体的な疲労が蓄積している場合は、一度専門家に相談してみることを検討しましょう。

夜になると不安に襲われる症状

「夜になると、なぜか突然強い不安感に襲われる」という症状は、特に日中はそれほどでもないのに、夜、一人になったり静かになったりすると不安が増幅する場合に起こりやすいです。

これは、日中の活動によって紛れていた感情や思考が、静寂の中で浮かび上がってくるためと考えられます。
また、夜間は孤独を感じやすかったり、ネガティブな思考に陥りやすかったりといった心理的な側面もあります。

夜間の強い不安感は、パニック障害の夜間発作の予兆であったり、うつ病や不安障害の一症状として現れたりすることがあります。
単なる気のせいと片付けず、症状が続く場合は注意が必要です。

夜中目が覚める不安感

「寝つきは悪くないのに、夜中に目が覚めてしまい、そこから不安感が募って眠れなくなる」という症状は、中途覚醒と呼ばれる不眠の一種です。

夜中に目が覚める原因はさまざまですが、覚醒した後に不安を感じる場合は、ストレスや心理的な要因が関係していることが多いです。
例えば、悪夢を見た後で不安になる、目が覚めた瞬間に心配事が頭に浮かんでしまう、といったケースです。

これは、日中に抑圧していた不安が睡眠中に現れたり、覚醒したことで思考が活動を再開したりするために起こります。
慢性的なストレスや不安障害、うつ病などが原因で中途覚醒とそれに伴う不安が起こることがあります。

一人で寝れない病気(大人)の可能性

「一人で寝るのが怖い」「誰かがそばにいないと眠れない」という症状は、子どもの頃によく見られる分離不安が、大人になっても続いている、あるいは大人になってから顕れたものである可能性があります。

大人の分離不安は、愛着対象(親、配偶者など)から離れることに対して過度な不安や恐怖を感じる状態です。
一人で寝るという状況が、愛着対象との分離を強く意識させ、不安感を引き起こすと考えられます。

これは比較的稀なケースですが、もしこのような症状があり、一人暮らしが難しい、旅行に行けないなど、日常生活に大きな支障が出ている場合は、精神科医や心理士に相談することを検討すべきです。

眠れないまま朝になったらどうする

一晩中眠れなかった翌日は、心身ともに疲労困憊しているでしょう。
しかし、その日の過ごし方で、次の日の睡眠に影響が出てしまうことがあります。

  • 無理に活動しない: 体は疲れていますが、脳は覚醒状態が続いているかもしれません。
    無理をしていつも通りのパフォーマンスを出そうとせず、可能な範囲で活動しましょう。
    重要な会議や集中力が必要な作業は避けるなど、スケジュールを調整できるならそうしましょう。
  • カフェインの摂りすぎに注意: 眠気を覚ますためにコーヒーなどをたくさん飲みたくなるかもしれませんが、カフェインは午前中までにとどめ、午後は控えるようにしましょう。
    摂りすぎると、夜の睡眠をさらに妨げる可能性があります。
  • 短い仮眠はOK: どうしても眠い場合は、午後の早い時間(15時まで)に20~30分程度の短い仮眠をとるのは効果的です。
    しかし、それ以上の長い仮眠や、遅い時間の仮眠は、夜の睡眠に悪影響を与えるため避けましょう。
  • 体内時計を意識する: いつも通りの時間に起きて、朝の光を浴びるようにしましょう。
    これにより、体内時計をリセットし、夜の眠気につなげることができます。
  • 寝床で過ごす時間をいつも通りに: 昨晩眠れなかったからといって、いつもより早く寝床に入るのは避けましょう。
    寝床で長い時間過ごしすぎると、「寝床=眠れない場所」というネガティブな関連付けが強まってしまう可能性があります。
    眠気を感じてから寝床に入るようにしましょう。

受診を検討すべきケース

「不安で眠れない」状態が続いている場合、どのような状況になったら専門家に相談すべきなのでしょうか。
以下のチェックリストに当てはまる項目が多いほど、専門家のサポートが必要である可能性が高まります。

項目 はい/いいえ
不眠が週に3日以上ある。
不眠が1ヶ月以上続いている。
不眠によって日中の活動(仕事、学業、家事など)に支障が出ている。
不眠によってイライラしたり、気分が落ち込んだりすることが多い。
不安な気持ちが強く、自分でコントロールできないと感じる。
体の不調(頭痛、肩こり、消化不良など)も伴っている。
市販の睡眠改善薬を使っているがあまり効果がない。
アルコールやタバコの量が増えた。
食欲不振や過食など、食行動に変化が見られる。
自殺について考えたことがある。

上記以外にも、ご自身で「つらい」「どうにかしたいけど、自分だけでは難しい」と感じているのであれば、遠慮せずに専門家を頼ってください。

受診先:

  • 精神科: 不安障害やうつ病など、精神疾患全般を専門としています。
    不眠の原因が精神的なものである可能性が高い場合。
  • 心療内科: ストレスなど心理的な要因が体に不調(自律神経失調症など)として現れている状態を専門としています。
    不眠だけでなく、頭痛や腹痛なども伴っている場合。
  • 睡眠専門医: 不眠の原因が睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など、睡眠自体に関わる病気である可能性が高い場合。
  • かかりつけ医: まずはかかりつけ医に相談し、必要であれば専門医を紹介してもらうことも可能です。

精神科や心療内科での治療法(薬物療法など)

精神科や心療内科を受診した場合、不眠や不安に対して様々な治療法が検討されます。

治療法 概要 不眠への効果 不安への効果 主な方法例
精神療法 認知行動療法(CBT)など、考え方や行動パターンを見直すことで、不眠や不安の悪循環を断ち切ることを目指す。
睡眠に特化した認知行動療法(CBT-I)もある。
不眠の原因となっている考え方(例:「眠れないとどうしようもない」)や行動(例:寝床で長く過ごす)を変える。
長期的な効果が期待できる。
不安を引き起こす考え方や状況への対処法を学ぶ。
不安の感じ方や反応の仕方を変化させる。
カウンセリング、ワークシート、宿題(睡眠日誌をつける、決まった時間に起きるなど)。
薬物療法 睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬などを使用する。
不眠や不安の症状を一時的に軽減し、精神療法などの他の治療法に取り組むためのサポートとなる。
寝つきを良くする、夜中に目が覚める回数を減らすなど。
種類によって効果の持続時間などが異なる。
一時的な使用が基本。
不安感を和らげる。
不安障害やうつ病の根本的な治療をサポートする。
医師の処方に基づき、薬を服用する。
種類や用量は症状や患者の状態に合わせて調整される。
依存性や副作用に注意が必要。
生活指導 睡眠衛生の改善、ストレス対処法の指導など、不眠や不安に影響する生活習慣を見直すためのアドバイス。 規則正しい生活リズム、寝室環境の整備、就寝前のリラックス習慣などを確立するサポート。 ストレスの原因特定や対処法(リラクゼーション法、運動など)の提案や指導。 面談でのアドバイス、パンフレットや資料を用いた説明。

どの治療法が適しているかは、不眠や不安の原因、症状の程度、患者さんの状況によって異なります。
自己判断で市販薬を使ったり、治療をやめたりせず、必ず医師の指示に従いましょう。
薬物療法の場合、依存性や副作用のリスクがあるため、医師とよく相談し、最小限の期間・用量で使用することが一般的です。

まとめ:不安に打ち勝ち安眠を得るために

「不安で眠れない」という悩みは、心身ともに大きな負担となります。
しかし、その原因を理解し、適切な対処法やサポートを得ることで、安眠を取り戻すことは十分に可能です。

記事で解説したように、不安で眠れない原因は、寝る前の思考、ストレス、不規則な生活習慣など、様々な要因が複雑に絡み合っています。
まずは、ご自身の不眠がどのような状況で起こりやすいのか、原因を探ることから始めてみましょう。

そして、即効性のある対処法としてご紹介した、深呼吸、軽いストレッチ、温かい飲み物、書き出しなどを、夜不安になったときに試してみてください。
また、寝室環境の整備や就寝前のリラックス習慣作り、食事や運動の見直しなど、日頃からの生活習慣を整えることも、長期的な改善につながります。

これらのセルフケアを試しても改善が見られない場合や、不眠によって日中の活動に大きな支障が出ている、不安感が強すぎてつらい、といった場合は、一人で抱え込まず、専門家(精神科、心療内科など)に相談することを強くお勧めします。
早期に適切な診断を受け、精神療法や薬物療法、生活指導などの治療を受けることで、症状が改善し、快適な睡眠を取り戻せる可能性が高まります。

「不安で眠れない」夜は、誰にでも起こりうる経験です。
大切なのは、その状態を放置せず、ご自身の心と体に向き合い、適切な方法で対処していくことです。
この記事が、安眠への一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

※免責事項:この記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療を保証するものではありません。
ご自身の症状に不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。

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