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妊娠中 頭痛薬は飲んでいい?安全な市販薬と注意点を解説

妊娠中の頭痛は、体の変化やホルモンバランスの変動などによって起こりやすく、つらい症状の一つです。
普段ならすぐに頭痛薬を飲んで対処できますが、妊娠中は「赤ちゃんに影響するのでは?」と心配になり、薬を飲むのをためらう方も多いでしょう。

確かに、妊娠中の薬の服用には注意が必要です。
しかし、全ての薬がダメなわけではありません。
比較的安全とされる薬もありますし、薬を使わない対処法もあります。
大切なのは、自己判断せずに、必ず医師や薬剤師といった専門家に相談することです。

この記事では、妊娠中の頭痛に悩む方が知っておくべき、頭痛薬に関する情報をお届けします。
安全な薬の種類、避けるべき薬、時期別の注意点、誤って飲んでしまった場合の対処法、そして薬を使わない対処法まで、詳しく解説していきます。
妊娠中のつらい頭痛を乗り越えるために、ぜひ参考にしてください。

妊娠中は、体の変化が大きくデリケートな時期です。
普段は何気なく使っている薬でも、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性がないとは言い切れません。
特に妊娠初期は、赤ちゃんの体のさまざまな器官がつくられる大切な時期にあたるため、薬の影響についてより慎重になる必要があります。

妊娠時期による薬の影響の違い

妊娠中の薬の影響は、服用した時期によってリスクが異なります。

  • 妊娠超初期(最終月経開始日から4週未満): この時期は、受精卵が着床し、細胞分裂を繰り返している段階です。
    もし薬の影響で受精卵に重篤なダメージがあれば、着床しなかったり、ごく早い段階で流産したりすることが多いと考えられています。
    「All or None(すべてかゼロか)」の時期と呼ばれることもあります。
    薬の影響で、形態的な奇形が起こる可能性は低いとされています。
  • 妊娠初期(妊娠4週から15週頃): この期間は、赤ちゃんの脳や心臓、手足などの主要な器官が形成される非常に重要な時期(器官形成期)です。
    この時期に薬を服用すると、薬の種類によっては赤ちゃんの器官形成に影響を及ぼし、形態的な奇形を引き起こすリスクがあります。
    特に、妊娠4週から7週頃が最もリスクが高いとされています。
  • 妊娠中期・後期(妊娠16週頃から出産まで): 器官形成期は過ぎているため、形態的な奇形のリスクは初期に比べて低くなります。
    しかし、薬の種類によっては、赤ちゃんの体の機能(臓器の働きや成長など)に影響を与えたり、子宮の収縮に影響して早産や過期産につながったり、出産後の新生児に影響を及ぼしたりする可能性があります。
    例えば、妊娠後期に特定の鎮痛剤を飲むと、赤ちゃんの心臓の血管(動脈管)が早く閉じてしまったり、肺に影響が出たりするリスクなどが知られています。

このように、妊娠中のどの時期であっても、薬の服用には注意が必要です。

妊娠中の薬は必ず医師・薬剤師に相談

妊娠中に限らず、薬を服用する際は自己判断せず、専門家に相談することが基本です。
特に妊娠中は、ご自身の体の状態だけでなく、お腹の赤ちゃんの状態も考慮する必要があります。

市販薬であっても、全ての成分について妊娠中の安全性が確認されているわけではありません。
また、複数の成分が配合された「総合感冒薬」や「複合鎮痛剤」などは、予期せぬ影響が出る可能性も考えられます。

必ず、かかりつけの産婦人科医や、かかりつけ医、または身近な薬剤師に相談しましょう。
薬の名前、飲む量、期間、そして現在妊娠何週目なのかを正確に伝えることが重要です。

相談できる専門家としては、以下のような場所があります。

  • かかりつけの産婦人科医
  • かかりつけ医(内科など)
  • 薬局の薬剤師
  • 妊娠と薬情報センター (専門的な情報提供を行っている機関)

不安な気持ちを一人で抱え込まず、必ず専門家のアドバイスを受けるようにしてください。

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目次

妊娠中に比較的安全とされる頭痛薬の種類

妊娠中の頭痛に対して、全く薬が使えないわけではありません。
痛みがひどく、日常生活に支障が出るような場合には、医師の判断のもと、比較的安全性が高いとされる薬が処方されることがあります。

アセトアミノフェン(カロナール、タイレノール)について

妊娠中の頭痛や発熱に対して、世界的に最も推奨されている解熱鎮痛剤の一つがアセトアミノフェンです。

アセトアミノフェンは、脳の中枢に作用して痛みを和らげたり、体温を下げる効果があります。
一般的な頭痛薬に含まれることの多い「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」とは作用機序が異なります。
NSAIDsは炎症を抑える効果も強いですが、アセトアミノフェンは炎症を抑える作用は弱く、主に痛みの緩和や解熱に使われます。

多くの研究が行われており、推奨される用法・用量を守って正しく使用すれば、妊娠中のどの時期においても、お腹の赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。
そのため、妊娠中の解熱鎮痛剤として第一選択薬とされることが多いです。

ただし、アセトアミノフェンも薬である以上、全く副作用がないわけではありません。
特に過剰摂取は肝臓に負担をかける可能性があります。
また、他の市販薬や処方薬にもアセトアミノフェンが含まれていることがあるため、知らずに飲みすぎてしまう「重複摂取」にも注意が必要です。

市販薬でアセトアミノフェンを含むもの

市販されている頭痛薬の中には、アセトアミノフェンを主成分とするものがあります。
代表的なものとしては、小児用バファリンCII(アセトアミノフェンのみ配合)、タイレノールAなどです。
ただし、これらの市販薬のパッケージには「妊娠中または妊娠していると思われる人は医師または薬剤師に相談してください」といった注意喚起が必ず記載されています。

たとえアセトアミノフェン単剤の市販薬であっても、自己判断で購入・服用するのではなく、必ず購入前に薬剤師に相談し、妊娠中であることを伝えてください。
また、成分が複数配合された市販の風邪薬や鎮痛剤には、アセトアミノフェン以外の成分も含まれている場合が多く、それらの成分が妊娠中に適さない可能性もあります。
市販薬を選ぶ際は、必ず薬剤師に相談し、全成分を確認することが重要です。

処方薬でアセトアミノフェンを含むもの

医療機関で処方されるアセトアミノフェン製剤としては、カロナール錠、カロナール細粒、カロナール坐剤などがあります。
また、アセトアミノフェンと他の成分が組み合わされた処方薬もあります。

医師は、妊婦さんの症状や妊娠週数、既往歴などを考慮した上で、最も適切と考えられる薬を処方します。
処方薬の場合は、医師が安全性を判断していますので、指示された用法・用量を守って服用しましょう。
処方された薬について不安があれば、医師や薬剤師に遠慮なく質問してください。

漢方薬(葛根湯など)の選択肢

西洋医学の薬だけでなく、漢方薬が妊娠中の頭痛の選択肢となる場合もあります。
漢方薬は、体のバランスを整えることで症状の改善を目指すもので、自然由来の生薬が用いられます。

妊娠中に比較的よく用いられる漢方薬の一つに葛根湯(かっこんとう)があります。
葛根湯は、肩こりや首こりを伴う頭痛、風邪のひきはじめの頭痛などに用いられることがあります。
血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる作用が期待できます。

しかし、漢方薬も「薬」であることに変わりはありません。
含まれる生薬によっては、妊娠中に使用を避けるべきものや、慎重な投与が必要なものもあります。
また、体質に合わない場合や、他の薬との飲み合わせに注意が必要な場合もあります。

漢方薬を試したい場合は、必ず漢方に詳しい医師や薬剤師、またはかかりつけの産婦人科医に相談してください。
自己判断で安易に服用することは避けましょう。

妊娠中に避けるべき・注意が必要な頭痛薬

妊娠中の頭痛に対して、安全性が確立されていない、あるいは明確に避けるべきとされている薬があります。
これらは、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えるリスクが知られているため、特別な理由がない限り使用すべきではありません。

NSAIDs(ロキソニン、バファリン等)の危険性

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を抑え、痛みを和らげ、熱を下げる効果を持つ一般的な鎮痛剤です。
市販薬や処方薬として広く使われており、ロキソニン(ロキソプロフェン)、イブプロフェン、アスピリン(バファリンの一部製品など)などがこれにあたります。

NSAIDsは、特に妊娠中期以降、お腹の赤ちゃんに影響を与えるリスクが指摘されています。
主な懸念される影響は以下の通りです。

  • 胎児の動脈管早期閉鎖: NSAIDsには、胎児の心臓にある「動脈管」という血管を収縮させる作用があります。
    動脈管は、胎児期には必要な血管ですが、生まれると自然に閉じます。
    しかし、妊娠中にNSAIDsを服用すると、お腹の中で動脈管が prematurely(早く)閉じてしまい、胎児や新生児に肺高血圧症などの重篤な影響を及ぼす可能性があります。
  • 羊水過少症: NSAIDsは、胎児の腎臓の機能に影響を与え、羊水が少なくなる(羊水過少)リスクを高める可能性が指摘されています。
    羊水は赤ちゃんの成長や肺の発達に重要であり、羊水過少はさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

これらのリスクは、特に妊娠後期(妊娠28週以降)でより高くなることがわかっています。

妊娠後期・末期でのNSAIDs使用は禁忌

上記の胎児への影響のリスクが高いため、日本では、妊娠後期(妊娠28週以降)におけるNSAIDsの服用は原則として禁忌とされています。
厚生労働省からも、医療関係者や一般の方々に対して注意喚起がなされています。

妊娠中期においても、NSAIDsの服用は避けるべきとされています。
どうしても痛み止めが必要な場合は、アセトアミノフェンなど、妊娠中の安全性が比較的確立されている薬を選択することが推奨されます。

その他の成分に注意が必要な市販薬

市販の頭痛薬や風邪薬には、NSAIDs以外にも妊娠中に注意が必要な成分が含まれていることがあります。

  • カフェイン: 一部の頭痛薬には、カフェインが含まれています。
    カフェインは血管を収縮させて頭痛を和らげる効果が期待できますが、過剰摂取は流産や低出生体重児のリスクを高める可能性が指摘されています。
    妊娠中はカフェインの摂取量に注意が必要であり、薬に含まれるカフェイン量も考慮する必要があります。
  • イソプロピルアンチピリン(IPA): ピリン系と呼ばれる解熱鎮痛成分の一つで、妊娠中の安全性については十分なデータがありません。
    避けるべき成分とされています。
  • 複合成分: 市販薬の多くは、複数の有効成分が組み合わされた複合剤です。
    例えば、解熱鎮痛成分に加えて、鎮静成分、血管収縮成分、抗ヒスタミン成分などが含まれている場合があります。
    これらの成分の中には、妊娠中の安全性について確認されていないものや、胎児に影響を及ぼす可能性が指摘されているものがあります。

市販薬を選ぶ際は、パッケージに記載されている全成分を確認し、妊娠中であることを薬剤師に伝えて必ず相談してください。
安易に「いつもの薬だから大丈夫だろう」と服用することは大変危険です。

妊娠初期に頭痛薬を誤って飲んでしまったら?

妊娠に気づく前に、あるいは妊娠初期であることに気づかずに、普段飲んでいる頭痛薬を服用してしまったというケースは少なくありません。
「赤ちゃんに何か影響があったらどうしよう」と、大きな不安を感じると思います。

もし誤って頭痛薬を飲んでしまった場合でも、必要以上に自分を責めたり、パニックになったりしないでください。
まずは落ち着いて、適切な対応をとることが大切です。

服用時期と薬の種類による影響

妊娠中の薬の影響は、前述の通り、服用した時期と薬の種類によって異なります。

  • 妊娠超初期(最終月経開始日から4週未満): この時期の服用であれば、「All or None」の原則から、薬の影響で奇形が生じるリスクは低いと考えられます。
    もし影響があれば、妊娠が継続しない可能性が高いです。
  • 妊娠初期(妊娠4週から15週頃): 器官形成期にあたるため、薬の種類によっては影響が出る可能性がゼロではありません。
    特にNSAIDsなど、妊娠中の服用が推奨されない薬を飲んでしまった場合は注意が必要です。
    しかし、一度や二度飲んだだけで、必ず重篤な影響が出るわけではありません。
    薬の種類、量、服用期間、そして妊娠週数によってリスクは異なります。
  • 薬の種類: アセトアミノフェンであれば、比較的安全性が高いとされています。
    一方、NSAIDsやその他の妊娠中に注意が必要な成分を含む薬の場合は、より慎重な判断が必要です。

どの時期、どのような薬であっても、自己判断で大丈夫だと決めつけたり、逆に深刻に悩みすぎたりせず、専門家に相談することが重要です。

すぐに医療機関や専門家に相談することの重要性

誤って頭痛薬を飲んでしまったことに気づいたら、できるだけ早く医療機関や専門家に相談してください。

相談する際は、以下の情報を正確に伝えるようにしましょう。

  • 飲んでしまった薬の名前: 正確な商品名や成分名を伝えてください。
    パッケージや添付文書があれば、それらを持参するか、写真に撮っておくと良いでしょう。
  • いつ、どのくらい飲んだか: 服用した日付、時間帯、飲んだ錠数や量、服用期間などを具体的に伝えます。
  • 妊娠週数: 現在、妊娠何週目なのかを伝えます。
    最終月経開始日などが分かると、より正確な妊娠週数を判断できます。
  • その他: 現在服用している他の薬やサプリメント、ご自身の既往歴なども伝えます。

これらの情報をもとに、医師や薬剤師が、飲んでしまった薬がお腹の赤ちゃんにどの程度影響する可能性があるのかを判断し、今後の対応についてアドバイスしてくれます。

不安な気持ちを一人で抱え込まず、専門家の助けを借りることで、適切な情報を得て、安心して妊娠期を過ごすことができます。
相談先としては、かかりつけの産婦人科医が最適ですが、薬局の薬剤師や「妊娠と薬情報センター」に相談することも可能です。

薬を使わない妊娠中の頭痛の対処法・予防法

妊娠中の頭痛はつらいものですが、必ずしも薬に頼る必要はありません。
薬を使わずに症状を和らげたり、頭痛が起きにくいように予防したりする方法もあります。

頭痛の原因と見分け方

妊娠中の頭痛の原因は様々ですが、主なものとして以下が挙げられます。

  • ホルモンバランスの変化: 妊娠によるホルモンの変動が、血管の拡張や収縮に影響し、頭痛を引き起こすことがあります。
    特に妊娠初期に多い原因です。
  • 血行不良: 体重増加や運動不足、冷えなどにより血行が悪くなると、肩や首の筋肉が緊張し、それが原因で頭痛(緊張型頭痛)が起こることがあります。
  • 睡眠不足・過多: 妊娠中は寝付けなかったり、頻繁に目が覚めたりと、睡眠のリズムが乱れがちです。
    睡眠不足はもちろん、寝すぎも頭痛の原因になることがあります。
  • ストレス: 妊娠による体調の変化や出産への不安などがストレスとなり、頭痛を引き起こすことがあります。
  • 脱水: 水分不足も頭痛の原因になります。
    つわりの時期は特に脱水になりやすいので注意が必要です。
  • 栄養不足・低血糖: 食事が偏ったり、空腹時間が長すぎたりすると、低血糖になり頭痛が起こることがあります。
  • 妊娠高血圧症候群: 妊娠中期以降に注意が必要な病気です。
    高血圧を伴う頭痛は、この病気のサインである可能性があり、すぐに医療機関を受診する必要があります。

頭痛の種類には大きく分けて緊張型頭痛片頭痛があります。

  • 緊張型頭痛: 頭全体が締め付けられるような痛み、重い感じが特徴です。
    肩や首のこりを伴うことが多いです。
  • 片頭痛: ズキズキと脈打つような痛みが頭の片側(時には両側)に起こるのが特徴です。
    吐き気や光・音に敏感になるなどの症状を伴うこともあります。

自分の頭痛がどちらのタイプか、あるいはその他の原因によるものかを見分けることは、適切な対処法を選ぶ上で役立ちます。

危険な頭痛のサイン:
もし、これまでに経験したことのないような突然の激しい頭痛、高血圧を伴う頭痛、視野の変化、手足のしびれ、けいれんなどを伴う頭痛がある場合は、妊娠高血圧症候群など、緊急性の高い状態である可能性もあります。
このような場合は、迷わずすぐに医療機関(かかりつけの産婦人科など)を受診してください。

自宅でできるリラックスケア(温める?冷やす?)

頭痛の種類によって、温めるケアが良いか、冷やすケアが良いかが異なります。

  • 緊張型頭痛の場合(締め付けられる痛み、肩こり伴う):
    • 温めるケアがおすすめです。 肩や首、お腹などを温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
    • 蒸しタオルを首の後ろや肩に乗せる。
    • ぬるめのお湯にゆっくり浸かる(ただし、のぼせないように注意)。
    • 軽いストレッチやマッサージで肩や首の筋肉をほぐす。
  • 片頭痛の場合(ズキズキする痛み):
    • 冷やすケアがおすすめです。 炎症を抑え、拡張した血管を収縮させることで痛みが和らぐことがあります。
    • アイスノンや冷たいタオルを額やこめかみに当てる。
    • 静かで暗い部屋で横になって安静にする。
    • 症状が出ている間は、入浴や運動など血行を促進する行動は避けた方が良い場合があります。

どちらのタイプの頭痛か分からない場合や、効果を感じられない場合は、無理せず専門家に相談しましょう。

生活習慣の見直し(睡眠、食事、水分)

日々の生活習慣を見直すことも、頭痛の予防や改善につながります。

  • 規則正しい生活: 毎日同じ時間に寝起きし、体のリズムを整えましょう。
    十分な睡眠時間を確保することが大切ですが、寝すぎも頭痛の原因になることがあるので注意が必要です。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの良い食事を心がけ、特にマグネシウムやビタミンB2などの栄養素が豊富な食品(ナッツ類、海藻類、緑黄色野菜など)を意識して摂ると良いとされています。
    また、空腹が頭痛を招くこともあるため、食事の間隔が空きすぎないように、軽食を挟むのも効果的です。
    特定の食品(チョコレート、チーズ、加工肉など)が片頭痛を誘発することもあるので、心当たりがある場合は避けてみましょう。
  • 十分な水分補給: こまめに水分を摂り、脱水を予防しましょう。
    水や麦茶などがおすすめです。
    カフェインの含まれる飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)は控えめにしましょう。
  • 適度な運動: 体調の良い日には、軽いウォーキングやマタニティヨガなど、無理のない範囲で体を動かすことで血行が促進され、緊張型頭痛の予防につながります。
    ただし、激しい運動や、頭痛がひどい時の運動は避けましょう。
  • ストレス管理: 妊娠中の不安やストレスは溜め込まず、リラックスできる時間を作りましょう。
    趣味を楽しんだり、軽いストレッチをしたり、家族や友人に話を聞いてもらったりすることも大切です。

妊活中の頭痛薬について

妊活中から、将来の妊娠の可能性を考慮して薬を選ぶ習慣をつけておくことが理想です。
特に、妊娠を強く希望している方や、不妊治療を受けている方は、いつ妊娠してもおかしくない状態です。

妊活中に頭痛薬を服用する必要がある場合は、薬局の薬剤師に「妊活中であること」「妊娠の可能性があること」を伝えて相談しましょう。
妊娠中でも比較的安全とされるアセトアミノフェン単剤の薬などを勧められる場合があります。

また、普段からかかりつけ医に「妊活中であること」を伝えておくと、薬を処方する際に妊娠の可能性を考慮した薬を選んでもらいやすくなります。

専門家監修:妊娠中の薬に関するQ&A

ここでは、妊娠中の頭痛薬についてよくある質問に専門家からの視点を交えて回答します。

妊娠中に飲める市販の頭痛薬は?

回答: 原則として、妊娠中に市販の頭痛薬を自己判断で服用することは推奨されません。
市販薬の多くは複数の成分を含んでおり、中には妊娠中に避けるべき成分が含まれている可能性があるためです。

もし、市販薬で対処したいと考える場合でも、必ず薬局で薬剤師に相談し、以下の点を伝えてください。

  • 現在妊娠中であること(妊娠週数も)
  • どのような頭痛で困っているか(痛みの種類、頻度、程度など)
  • 他に服用している薬やサプリメントがないか
  • アレルギーの既往歴

薬剤師は、これらの情報をもとに、妊娠中でも比較的安全性が高いとされるアセトアミノフェン単剤の製品などを選択肢として提示してくれる場合があります。
しかし、最終的な判断や、痛みがひどい場合の対応については、かかりつけの産婦人科医に相談することが最も安全です。

妊娠中の頭痛にロキソニンは飲めますか?

回答: 妊娠中のロキソニンの服用は、特に妊娠後期(28週以降)は禁忌とされています。
妊娠中期以前も、胎児への影響が懸念されるため、原則として避けるべきです。

ロキソニンに含まれる有効成分(ロキソプロフェン)はNSAIDsに分類され、胎児の動脈管早期閉鎖や肺高血圧症、羊水過少症、羊水過少症などのリスクを高める可能性が指摘されています。

もし、誤って服用してしまった場合や、やむを得ず服用が必要になった場合は、必ずすぐに医師(かかりつけの産婦人科医など)に相談し、指示を仰いでください。
決して自己判断で服用を継続したり、服用量を増やしたりしないでください。

妊娠中に飲んでもいい鎮痛剤は?

回答: 妊娠中の頭痛や痛みに対して、一般的にアセトアミノフェンが最も安全性の高い鎮痛剤として推奨されています。
医療機関では、カロナールやタイレノールといったアセトアミノフェン製剤が処方されることが多いです。

アセトアミノフェンは、推奨される用法・用量を守って服用すれば、妊娠中のどの時期においても胎児への影響が少ないと考えられています。

ただし、「飲んでもいい」というのは、専門家(医師や薬剤師)の判断のもとで使用する場合です。
自己判断でアセトアミノフェンを大量に服用したり、他の薬と併用したりすることは危険です。

頭痛だけでなく、妊娠中に他の痛み(腹痛、腰痛、関節痛など)がある場合も、自己判断で鎮痛剤を服用せず、まずは痛みの原因について医師に相談し、必要な場合は医師の指示のもと適切な薬を処方してもらうようにしてください。

まとめ:妊娠中の頭痛薬は自己判断せず専門家に相談を

妊娠中の頭痛は、ホルモンバランスの変化や体の不調などによって起こりやすく、つらい症状です。
頭痛薬で対処したい気持ちもよく分かりますが、お腹の赤ちゃんへの影響を考えると、薬の服用には慎重になる必要があります。

この記事でお伝えしたかった最も重要なメッセージは、「妊娠中の頭痛薬は、決して自己判断で服用せず、必ず医師や薬剤師に相談すること」です。

妊娠時期によって薬の影響は異なり、特に妊娠初期の器官形成期や妊娠後期の胎児機能への影響は無視できません。
市販薬の中には、妊娠中に避けるべきNSAIDsやその他の成分が含まれているものがあります。

妊娠中に比較的安全とされるのはアセトアミノフェンですが、これも専門家の判断のもとで正しく使用することが前提です。
漢方薬も選択肢となりえますが、やはり専門家への相談が必要です。

もし誤って薬を飲んでしまった場合でも、慌てずに、飲んでしまった薬の種類や量、時期を正確に把握し、すぐに医療機関や専門家に連絡してください。

薬を使わない頭痛の対処法や予防法もたくさんあります。
頭痛の原因を見分け、リラックスケアや生活習慣の見直しを試みることで、症状が和らぐこともあります。

妊娠中の頭痛は一人で抱え込まず、かかりつけの産婦人科医や薬局の薬剤師といった専門家を頼りましょう。
適切なアドバイスを受けることで、安全につらい時期を乗り越えることができます。


免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や薬剤の使用を推奨するものではありません。
妊娠中の薬の服用に関しては、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
個別の症状や状況については、必ず医療機関を受診し、専門家の診断を受けてください。
この記事の情報に基づいた行動によって生じたいかなる結果についても、執筆者および掲載サイトは責任を負いかねます。

参考文献・監修者情報

参考文献:

監修者情報:
〇〇 〇〇 (氏名)
〇〇科 医師・医学博士 (肩書き)
〇〇大学医学部卒業。△△病院にて研修後、専門医資格を取得。現在は□□クリニック院長として、妊婦さんを含む幅広い患者さんの診療にあたっている。薬物療法に加え、生活習慣指導など統合的な医療を実践している。

(※ 上記の監修者情報は例として記載しています。実際には記事の監修を行った医師や薬剤師の正確な情報を記載します。)

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