夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒は、つらい睡眠障害の一つです。一度目が覚めるとなかなか寝付けず、「このまま朝まで眠れないのではないか」と不安を感じることもあるでしょう。中途覚醒の原因は一つではなく、年齢、生活習慣、心身の状態、寝ている環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることが考えられます。この記事では、中途覚醒のメカニズムから、夜中に目が覚める具体的な理由、そして今日からできる改善策や医療機関に相談すべきケースについて、詳しく解説します。中途覚醒に悩む方が、原因を理解し、適切な対応をとるための一助となれば幸いです。
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中途覚醒とは?睡眠の基本的なメカニズム
中途覚醒は、睡眠の途中で目が覚め、その後再び眠りに入るのが困難になる状態を指します。夜中に一度か二度目が覚めることは誰にでもありますが、これが頻繁に起こり、睡眠の質や日中の活動に影響を与える場合に、睡眠障害の一つとして考えられます。
正常な睡眠サイクル
人間の睡眠は、一晩の間にいくつかの段階を経て繰り返されます。大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があります。
- ノンレム睡眠: 脳の活動が低下し、体を休ませる睡眠です。深さによって段階があり、深いノンレム睡眠では脳波が遅くなり、筋肉の緊張がゆるみます。成長ホルモンの分泌や疲労回復に関係が深いとされています。
- レム睡眠: 体は休んでいますが、脳は活発に活動している睡眠です。眼球がキョロキョロと素早く動くことから「急速眼球運動睡眠(Rapid Eye Movement)」と呼ばれます。夢を見るのは主にこの段階です。記憶の整理や定着に関係があると考えられています。
通常、一晩の睡眠では、入眠後すぐにノンレム睡眠に入り、徐々に深いノンレム睡眠へと移行します。その後、レム睡眠が現れ、ノンレム睡眠とレム睡眠を約90分周期で繰り返します。深いノンレム睡眠は睡眠前半に多く現れ、睡眠後半はレム睡眠や浅いノンレム睡眠の割合が増加します。朝方近くになると、眠りが浅くなるサイクルが増え、自然に覚醒へと向かいます。
睡眠障害としての定義
中途覚醒が睡眠障害として捉えられるのは、「夜中に目が覚めることが頻繁に起こり、それが苦痛である、または日中の眠気や倦怠感など、生活に支障をきたしている場合」です。厚生労働省のウェブサイトでは、中途覚醒を「睡眠障害の一つの症状で、夜中に何回も目覚め、再入眠が困難な状態」と定義し、「週の半分以上でそのような現象があり、不快を伴う時に症状としてとらえます」と説明しています(厚生労働省 – 中途覚醒)。特定の回数で厳密に定義されるわけではありませんが、例えば「週に3日以上、3ヶ月以上続いている」といった慢性的な不眠の基準に当てはまる場合、中途覚醒はその主要な症状の一つとなります。
夜中に目が覚めること自体は、睡眠サイクルの浅いタイミングで起こりうる自然な現象でもあります。問題となるのは、目が覚めた後に再び眠りに入ることが困難になり、睡眠時間が十分に確保できないことです。
中途覚醒の主な原因|夜中に目が覚める理由
中途覚醒の背景には様々な原因があります。大きく分けると、「生理的・環境的要因」「心理的要因」「生活習慣要因」「身体的疾患・薬の影響」などが挙げられます。これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさって中途覚醒を引き起こしていると考えられます。
生理的・環境的要因
人間の体や、寝ている環境そのものが中途覚醒の原因となることがあります。
年齢による変化
加齢とともに睡眠のパターンは変化します。一般的に、高齢になるにつれて睡眠時間は短くなる傾向があり、深いノンレム睡眠が減少し、浅い睡眠が増加します。また、体内時計のリズムも前倒しになりやすく、早い時間に眠くなり、朝早く目が覚める傾向が見られます(早朝覚醒)。
この睡眠の質の変化により、睡眠中の覚醒が増え、中途覚醒を感じやすくなります。若い頃と比べて夜中に目が覚める回数が増えたと感じる場合は、加齢による生理的な変化が関係している可能性があります。
寝室の環境(温度・湿度・光・音)
睡眠の質は、寝室の環境に大きく左右されます。
- 温度・湿度: 暑すぎたり寒すぎたり、あるいは湿度が適切でないと、体の快適さが損なわれ、睡眠が浅くなったり、途中で目が覚めやすくなります。一般的に、寝室の温度は18~22℃、湿度は50~60%程度が快適とされていますが、個人差があります。
- 光: 寝室が明るすぎると、体内時計が乱れ、睡眠を妨げる原因になります。特に、スマートフォンやPCのブルーライトは脳を覚醒させてしまうため、就寝前の使用は避けるべきです。夜中に目が覚めた際も、強い光を浴びると再び眠りに入りにくくなります。
- 音: 騒音は睡眠を中断させる最も一般的な原因の一つです。たとえ自分で気づかないほどの小さな音でも、睡眠を浅くしたり、脳を刺激したりすることがあります。外部の騒音だけでなく、室内の生活音(エアコンの音、時計の音など)も影響することがあります。
心理的要因
心の問題も、中途覚醒の大きな原因となります。
ストレスや不安
仕事、人間関係、健康、将来のことなど、日常生活におけるストレスや不安は、脳を覚醒状態に保ち、リラックスを妨げます。これにより、寝付きが悪くなるだけでなく、睡眠中も脳が十分に休息できず、浅い眠りが増えたり、些細な刺激で目が覚めたりしやすくなります。夜中に目が覚めた際に、その日の出来事や心配事が頭の中を駆け巡り、再び眠れなくなるという経験がある方も多いでしょう。
うつ病などの精神疾患
うつ病をはじめとする精神疾患は、睡眠障害を伴うことが非常に多いです。うつ病の場合、寝付きが悪くなる(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)など、様々なタイプの不眠が現れる可能性があります。特に、うつ病では睡眠の構造が変化し、レム睡眠が早く出現しやすくなるなど、睡眠の質が低下することが分かっています。不安障害やパニック障害なども、過剰な心配や発作への恐れから、睡眠が浅くなり中途覚醒を引き起こすことがあります。
生活習慣要因
日頃の生活習慣が、知らず知らずのうちに睡眠の質を低下させ、中途覚醒の原因となっていることがあります。
カフェイン・アルコールの摂取
- カフェイン: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があり、脳を刺激して眠気を遠ざけます。特に、カフェインの効果は個人差がありますが、摂取後数時間から半日程度持続することがあります。就寝前にカフェインを摂取すると、寝付きが悪くなるだけでなく、睡眠を浅くし、夜中に目が覚めるリスクを高めます。
- アルコール: アルコールは、一時的に眠気を誘う作用がありますが、これは脳の機能を抑制することによるものです。アルコールが体内で分解される過程で、睡眠の後半には逆に覚醒作用が現れたり、睡眠の質を低下させたりします。特に、レム睡眠を減少させ、睡眠が浅くなるため、夜中に目が覚めやすくなります。「寝酒」としてアルコールを飲む習慣がある人は、中途覚醒の原因になっている可能性が高いです。
就寝前の喫煙
タバコに含まれるニコチンにもカフェインと同様の覚醒作用があります。就寝前にタバコを吸うと、脳が覚醒してしまい、寝付きが悪くなるだけでなく、夜間の睡眠中に目が覚めやすくなります。慢性的な喫煙は、睡眠の質全体を低下させることが分かっています。
寝る前のスマホ・PC使用
スマートフォンやタブレット、PCなどの電子機器の画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させる働きがあるだけでなく、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。就寝直前までこれらの機器を使用すると、寝付きが悪くなるだけでなく、睡眠が浅くなり、夜中に目が覚める原因となります。また、これらの機器で情報収集やSNS、ゲームなどを行うことは、脳を刺激し、リラックスを妨げるため、睡眠には悪影響です。
不規則な生活リズム
日によって寝る時間や起きる時間が大きく異なるなど、生活リズムが不規則だと、体内時計が乱れてしまいます。体内時計は、睡眠・覚醒のリズムだけでなく、体温やホルモン分泌など様々な生体リズムを調整しています。体内時計が乱れると、夜になっても眠気が十分に訪れなかったり、睡眠中に体内時計が不安定になり、中途覚醒が起こりやすくなります。特に、交代勤務や夜勤などで生活リズムが大きく変動する人は、睡眠障害のリスクが高まります。
身体的疾患・薬の影響
特定の病気や服用している薬が、中途覚醒の原因となっていることもあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まったり、弱くなったりする病気です。呼吸が停止することで体内の酸素濃度が低下し、脳が覚醒して呼吸を再開させようとします。この覚醒は非常に短時間で、自分では気づかないことも多いですが、睡眠が分断され、中途覚醒として自覚されることがあります。大きないびきや、日中の強い眠気、熟睡感がないといった症状がある場合は、この病気が疑われます。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は、就寝前や安静時に脚に不快な感覚(むずむず、かゆみ、虫が這うような感じなど)が現れ、足を動かしたいという強い衝動に駆られる病気です。この不快な感覚や衝動により、寝付きが悪くなるだけでなく、睡眠中にこれらの症状が現れて目が覚めてしまい、中途覚醒の原因となります。
頻尿
夜間に何度もトイレのために目が覚める状態を「夜間頻尿」といいます。これは中途覚醒の直接的な原因となります。加齢による膀胱の機能低下、前立腺肥大症(男性)、過活動膀胱、糖尿病、心不全、睡眠時無呼吸症候群などが原因となることがあります。特に、高齢者の中途覚醒の原因として非常に多い症状です。
その他の疾患(痛み、かゆみなど)
慢性的な痛み(腰痛、関節痛、頭痛など)や、かゆみ(アトピー性皮膚炎など)も、不快な刺激となり睡眠を妨げ、中途覚醒を引き起こす可能性があります。また、逆流性食道炎による胸焼けや咳なども夜間に症状が悪化しやすく、目が覚める原因となることがあります。
服用中の薬
特定の種類の薬は、副作用として睡眠に影響を与えることがあります。例えば、一部の降圧剤、ステロイド、気管支拡張薬、抗うつ薬、甲状腺ホルモン剤などは、覚醒作用があったり、睡眠の質を変化させたりすることが知られています。現在服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してみることが重要です。
特定の時間帯に目が覚めるケース(夜中2時・3時など)
「いつも夜中2時や3時頃に目が覚める」というように、特定のあるいは決まった時間帯に目が覚めることに悩む人もいます。これは、睡眠のサイクルと体内時計のリズムが関係している可能性があります。
一晩の睡眠では、前述のように約90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返されます。睡眠後半になるにつれて、浅いノンレム睡眠やレム睡眠の割合が増えていきます。夜中2時や3時といった時間は、多くの人にとって深いノンレム睡眠から浅い睡眠に移行するサイクルの浅い部分に当たることが多い時間帯です。この浅い睡眠のタイミングで、体の不調(痛み、かゆみ、尿意など)、環境の変化(室温、音など)、あるいは心理的な要因(ストレス、不安など)といった刺激があると、比較的容易に目が覚めてしまい、中途覚醒につながりやすいと考えられます。
特定の時間帯に目が覚めること自体が病的な現象とは限りませんが、その原因となっている体の不調や環境要因を取り除くことが重要です。例えば、夜間頻尿であれば利尿作用のある飲み物を就寝前に控える、寝室が乾燥するのであれば加湿器を使うなど、具体的な対策を講じることで改善が見られる場合があります。
中途覚醒を改善するための対策・治し方
中途覚醒を改善するためには、原因となっている要因に合わせた対策を行うことが重要です。まずは自分でできる生活習慣や睡眠環境の改善から始めてみましょう。
生活習慣の改善策
規則正しい生活を送り、心身の状態を整えることは、睡眠の質を高め、中途覚醒の改善につながります。
規則正しい睡眠スケジュール
毎日ほぼ同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけましょう。これは体内時計を整える上で非常に重要です。休日も平日との差を1~2時間以内にとどめるのが理想です。体内時計が安定すると、決まった時間に自然な眠気と覚醒が訪れやすくなります。
適度な運動を取り入れる
日中の適度な運動は、夜の寝付きを良くし、睡眠を深くする効果があります。ただし、就寝直前の激しい運動は体を覚醒させてしまうため避けましょう。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、負担の少ない運動を夕方から就寝3時間前までに行うのがおすすめです。定期的な運動習慣は、ストレス解消にも役立ち、間接的に睡眠の質を改善する効果も期待できます。
就寝前のリラックス法(呼吸法、瞑想、ぬるめのお湯)
寝る前に心身をリラックスさせる時間を作りましょう。
- 呼吸法: ゆっくりと深い呼吸を繰り返すことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。
- 瞑想: 静かな環境で目を閉じ、呼吸に意識を集中したり、頭の中に浮かんでくる思考を客観的に観察したりすることで、心のざわつきを鎮める効果があります。
- ぬるめのお湯での入浴: 就寝1~2時間前に38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、体の深部体温が一度上がり、その後下がる過程で自然な眠気を誘います。
その他にも、アロマテラピー、静かな音楽を聴く、軽い読書などもリラックスに役立ちます。
食事や飲み物に気をつける
- カフェイン: 午後以降、特に夕方からはカフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど)の摂取を控えるようにしましょう。
- アルコール: 寝酒は中途覚醒の原因となるため避けるのが望ましいです。飲む場合でも、少量にとどめ、就寝直前の摂取は避けましょう。
- 就寝前の食事: 就寝直前に食事をすると、消化活動のために胃腸が働き続け、体がリラックスできず、睡眠が浅くなることがあります。夕食は就寝の2~3時間前までに済ませるのが理想です。また、脂っこいものや刺激物は消化に時間がかかるため、夜遅い時間には避けた方が良いでしょう。
- 夜間頻尿対策: 就寝前に水分の摂取を控える、特に利尿作用のあるカフェインやアルコールを避けるといった対策が有効です。
睡眠環境の調整
快適な睡眠環境を整えることで、質の高い睡眠を得やすくなります。
快適な寝室を作る
- 温度・湿度: 適切な温度と湿度を保つように、エアコンや加湿器などを活用しましょう。
- 光: 寝室はできるだけ暗くすることが重要です。遮光カーテンを利用したり、光を放つ電子機器などを置かないようにしたり工夫しましょう。夜中に目が覚めた際も、強い電気をつけず、フットライトなどの間接照明を利用するのがおすすめです。
- 音: 寝室は静かな環境が理想です。外部の騒音が気になる場合は、厚手のカーテンを使ったり、耳栓を利用したりするのも有効です。
自分でできるケア
中途覚醒が起こった時の対処法や、補助的な対策も有効です。
中途覚醒を気にしない練習
夜中に目が覚めてしまった際に、「また眠れないのではないか」「どうしよう」と不安になることで、脳が覚醒してしまい、さらに眠りに入りにくくなるという悪循環に陥ることがあります。目が覚めても、すぐに「眠らなければ」と焦らず、リラックスを心がけることが大切です。
- 15~20分経っても眠れない場合は、一度寝床から出て、静かで暗い別の場所で、リラックスできること(静かな音楽を聴く、軽い読書など)をして、眠気を感じたら再び寝床に戻るという方法(刺激制御法の一部)が有効な場合があります。寝床は「眠る場所」と脳に認識させることが目的です。
- 夜中に目覚めることを過度に恐れないことも重要です。多少眠りが分断されても、体は必要な休息をとろうとします。
市販薬やサプリメントの選び方
市販薬やサプリメントは、あくまで一時的な使用や補助的な役割として考えましょう。使用する際は、製品の注意書きをよく読み、用法・用量を守ることが重要です。
種類 | 主な成分例 | 効果・特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
睡眠改善薬 | ジフェンヒドラミン塩酸塩など(抗ヒスタミン薬) | 一時的な不眠症状(寝付きが悪い、眠りが浅いなど)を緩和する。一時的な使用に限定される。 | 継続使用による効果減弱や副作用(口の渇き、眠気、判断力低下など)の可能性。緑内障、前立腺肥大症などの疾患がある人は使用できない場合がある。 |
漢方薬 | 柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遙散、酸棗仁湯など | 体質や不眠の原因(ストレス、冷えなど)に合わせて選ぶ。心身のバランスを整えることで睡眠改善を目指す。効果は穏やか。 | 効果が出るまでに時間がかかる場合がある。体質に合わない場合や、他の薬との飲み合わせに注意が必要。専門家(医師、薬剤師)に相談するのが望ましい。 |
サプリメント | グリシン、GABA、テアニン、メラトニン(海外)など | 睡眠をサポートするアミノ酸やハーブなど。医薬品ではなく食品扱いのため、効果は穏やかとされる。 | 効果には個人差が大きい。海外でサプリメントとして流通しているメラトニンは、日本では医薬品成分扱いのため注意が必要。 |
重要: 市販薬やサプリメントを使用しても改善が見られない場合や、慢性的な不眠が続く場合は、必ず医療機関に相談してください。自己判断での長期使用は避けましょう。
医療機関への相談が必要なケース
以下のような場合は、中途覚醒の原因に身体的な疾患や精神的な問題が隠れている可能性があるため、早めに医療機関に相談することをおすすめします。
- 中途覚醒が週に3日以上あり、3ヶ月以上続いているなど、慢性的な不眠に悩んでいる。
- 中途覚醒だけでなく、寝付きが悪い、朝早く目が覚める、熟睡感がないといった他の不眠症状も伴う。
- 日中の強い眠気、倦怠感、集中力の低下、気分の落ち込みなど、睡眠不足による明らかな体調不良や生活への支障がある。
- 大きないびき、睡眠中の呼吸の停止、日中の強い眠気といった睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状がある。
- 就寝前や安静時に脚の不快な感覚があり、眠りを妨げられている(むずむず脚症候群が疑われる)。
- 夜間頻尿のために何度も目が覚める。
- 不安や抑うつ気分が強く、精神的な不調を感じる。
- 自分で生活習慣を改善しても効果が見られない。
- 服用中の薬が睡眠に影響している可能性がある。
何科を受診すべきか?
不眠や中途覚醒で医療機関を受診する場合、まずはかかりつけ医に相談するか、以下の専門科を検討しましょう。
- 精神科または心療内科: ストレスや不安、うつ病など、心理的な要因が強く疑われる場合。
- 睡眠専門外来: 睡眠障害全般を専門的に診療している医療機関です。睡眠ポリグラフ検査など、詳細な検査を行うことができます。
- 呼吸器内科: 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合。
- 神経内科: むずむず脚症候群やその他の神経系の疾患が疑われる場合。
- 泌尿器科: 夜間頻尿が主な症状である場合。
問診で詳しく症状や生活習慣、既往歴などを伝えることが、適切な診断と治療につながります。必要に応じて、睡眠日誌をつけて持参すると、医師が睡眠パターンを把握しやすくなります。
まとめ|中途覚醒の原因に合わせた対応を
中途覚醒は多くの人が経験する一般的な睡眠の悩みですが、慢性化すると日中の活動にも影響を及ぼし、生活の質を大きく低下させてしまいます。夜中に目が覚める原因は多岐にわたり、単一の要因ではなく、生理的な変化、環境、心理状態、生活習慣、身体的な疾患などが複雑に絡み合っていることが少なくありません。
中途覚醒を改善するためには、まずご自身の睡眠パターンや日中の状態を観察し、考えられる原因を特定することが第一歩です。そして、その原因に合わせた対策を講じることが重要です。
考えられる主な原因 | 講じるべき主な対策例 |
---|---|
年齢による変化 | 加齢による睡眠変化は生理的。過度に気にせず、睡眠環境を整え、リラックス法を取り入れる。 |
寝室の環境(温度・湿度・光・音) | 寝室を快適な温度・湿度に保ち、暗く、静かにする。遮光カーテンや耳栓などを活用。 |
ストレス・不安 | ストレス解消法を見つける(運動、趣味など)。寝る前にリラックスする時間を作る(呼吸法、瞑想、ぬるめのお湯)。必要であれば心理療法やカウンセリングも検討。 |
生活習慣(カフェイン、アルコール、喫煙、スマホ、不規則なリズム) | 午後以降のカフェイン・アルコール摂取を控える。寝る前の喫煙・スマホ使用を避ける。毎日同じ時間に寝起きするよう心がける。 |
睡眠時無呼吸症候群 | 医療機関(睡眠専門外来、呼吸器内科など)を受診し、診断と治療(CPAP療法など)を受ける。 |
むずむず脚症候群 | 医療機関(睡眠専門外来、神経内科など)を受診し、診断と治療を受ける。鉄分不足が原因の場合があるため、検査も検討。 |
頻尿 | 就寝前の水分摂取を控える。カフェイン・アルコールを避ける。原因となる疾患(前立腺肥大症、過活動膀胱、糖尿病など)がある場合は、その治療を行う。泌尿器科に相談。 |
その他の疾患(痛み、かゆみなど) | 原因となっている疾患の治療を適切に行う。痛みを緩和する方法を医師と相談する。 |
服用中の薬 | 処方した医師や薬剤師に相談し、薬の種類や服用時間の調整が可能か検討する。 |
まずは、この記事で紹介した生活習慣の改善や睡眠環境の調整など、自分でできることから始めてみましょう。それでも改善が見られない場合や、中途覚醒以外にも気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関に相談してください。専門家のアドバイスや適切な治療を受けることで、睡眠の質を取り戻し、健康的で活動的な毎日を送ることができるようになるはずです。
※本記事の情報は一般的なものであり、
個々の症状や状況に当てはまらない場合があります。
正確な診断や治療については、必ず医療機関を受診し、専門家の判断を仰いでください。
市販薬やサプリメントの使用についても、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。